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十三皿目 ラブリーキングに清き一票

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 グウェンちゃんはリューオに断固拒否されているというのに、なんのそのだ。

 のんびりと微笑み、最早拒否しているのを聞いているのかいないのか、ジッと俺を見つめて話を続ける。

「妃よ……私の情報によると、コンテストはかわいさ審査というものと、バラエティと観客の煽りを兼ねた様々な催し物があるみたいだよ」

 新情報を与えるグウェンちゃんは、いいのかい? とでも続きそうな語気だ。

 俺はキョトンと首を傾げる。
 催し物があるのは知らなかったが、なにが駄目なんだ?

「コンテストが盛り上がるのはいいことじゃないか。民衆が各々で企画し楽しむことは、魔界が平和な証だ。アゼルがあぁ見えて適当だとかどうでもいいだとか言いつつ、うまく国を治めているからな」
「あは! そうだとも。しかしその催し物はいわゆるポロリを狙った際どいものだとしたら……どうかな?」
「!」
「チーム対抗戦の競技は、綱渡りなんかもあるんだよ。ナイルゴウンの生足が下から丸見え、もっと言えば下着もチラリではないかな」
「!!」
「……嫌な予感がすンな、この展開」
「それに三人一組のコンテストだから、君の友人の陸軍長補佐官と空軍長補佐官もついて行ったらしくてね……。三人ともずいぶん愛らしくなったとか。コンテスト会場には、男とその中間しかいない。当然下卑た目で見られると思うよ?」
「いけない、守ろう。女装してでも乗り込んで見張らなければ、アゼルとゼオとキャットが危ないぞっ」
「ほれ見たことかッ! ゼッテェそういうフザケた流れになると思ったわッ! なんで天王とコンテストに乗り込まなきゃなんねぇんだよアホがッ!」

 リューオが自分の膝をペシンッと叩いて叫んだが、俺はそれどころじゃない。

 なんてことだ。気が付かなかったぞ。

 アゼルは女性ならちょっと困るくらいの長身で、着痩せするが引き締まった筋肉もある男らしさを損なわない美形だ。

 そんなアゼルの女装では、男感を消し去ることはできないだろう。

 だがしかし。

 ──何事もやるからには本気を出す負けず嫌いな性格から、魔王クオリティを発揮しているに決まっているじゃないか……!

「だから俺の期待通り生足で殺してくるなんて、ドヤ顔をしていたんだな……!」

 俺はワナワナと震えて情けなく眉を八の字の垂らし、オロオロと焦る。

 そんなことは期待してない。
 アゼルはコンテストをバトルロワイヤルかなにかと、勘違いしているのかもしれないぞ。

 そしてグループ対抗なる催し物があるのなら、恐らくそれに付き従うゼオとキャットも、相応のクオリティに仕立て上げられているはずだ。



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