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八皿目 ナイトデート

08※(sideアゼル)

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 ♢


 硬い地面に俺の上着を敷いて、なるべくシャルに負担がかからないようにする。

 けれどシャルの身を気にかけながらも、俺はシャルを抱く腕を止めることはしない。

 神聖さとは程遠い噛みつくような誓いのキスで貪った後──シャルは俺の首に腕を回して、自分から抱き合おうと誘ってきたのだ。

 歓喜に震え昂ぶっていた俺は、それに応えて思う様に組み敷いただけ。

「は、ぁ……っごめん、な、……食事も、昼間頼んで、予約してた、が……あっ、あ、ッ」
「ン、別に構わねぇぜ。俺は遠慮したら、だめなんだろ? 今夜の俺の晩餐はお前がイイ……だからお前も、ココでしっかり俺を味わえよ、」
「ヒ……ッあ、っんん……!」

 ガリッ、と首筋に牙を立てながら、角度をつけて下から腹側の内壁を抉りこむ。

 感度がイイシャルは釣り上げられた魚のように背をしならせて、ビクンと艶めかしく仰け反った。

 その弱点を執拗に狙いトンットンッと突くことで、余計なことを考えられないように快感で押しつぶす。

「ふっ、あ、く……っ」

 堪えきれない嬌声と共に、シャルの張り詰めた屹立から僅かに精液が漏れた。

 俺は片手でそれを擦りあげ、もう片手は開きっぱなしで喘ぐ口元を優しく押さえてやる。

 見られない場所を選んだが、仮にも外なので声は我慢させなければならない。無駄な死人を出さないためだ。

「ンッ、ん、っ、ン、んっ」
「ふ……、はぁ……っ」
「あっんぅ、ん……ッ、!」
「んん……」

 噛みついた首筋からジュルジュルと熱い血潮を啜り堪能すると、手の中で擦っていたモノがあっけなく達した。

 俺の毒は回りが早いらしいが、コイツは元々敏感だ。
 お互いの体の間でドロリと濃厚な精液が滴り、敷いていた上着を白く汚した。

「……まだ、もっとだ」

 だが俺は、ふるふると痙攣し脱力する淫猥な体を、止まることなく続けて犯す。

 呼吸を整える暇も与えない。
 全てを快感で塗りつぶし、思考能力を奪う。

 いっそセックスすることしかできない、腑抜けた存在になってしまえばいいのに。

 シャルがシャルなら、俺はそれでいい。
 俺の毒で一生漬けてやろうか。

「ん……ん、ん……っ」

 毒で理性を崩され抑えきれない喘ぎ声を俺の手のひらに吐き出しながらも、シャルは強請るようにペロペロとそこを舐めはじめた。

 それが可愛くて、傷口をキツく吸い上げてしまう。

 力の入らない腕を懸命に俺の背中に回して、離さないとばかりに縋りついてくるのが、愛おしくて仕方がない。

 喉元を通って嚥下するたびに、濃厚な血液がたまらない香りと味わいを齎し、吸いすぎてしまわないように自制するのがいつも難しい。 

 だがこうしてシャルの血を飲むたびに、俺の一部がお前になっていく。なんて幸せなんだろう。

 シャル、俺は嬉しいんだ。
 お前がどんどん弱くなっていくことが。

 そっと口を塞いでいた手を離して、すぐに自分のそれで覆いかぶさり舌を滑り込ませる。



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