355 / 902
閑話 男気番長は抱かれたい
04※
しおりを挟む「は……あ、ぁ……ん…っ」
耳朶を甘噛みして穴の中に舌を絡められ、クチャクチャと脳まで響く粘着音。
産毛を擦る吐息も、煽ることなんて忘れているような甘い嬌声も、今すぐ塞いで食らってやりたい。
だけど我慢の限界を緩和するためにコソコソと手を動かして太ももをなでると、鼻にかかった声で「コラ……」と牽制された。
ダメだ。その声すらたまらない。
ここまで抗いがたい叱り方もないだろう。
互いの心音が混ざり合うくらいピタリと寄り添った胸を揺らし、散々弄って感じるように仕立てた乳頭を擦りつけてくる。
アゼルの腹で自慰をしながらチュプ、と後ろ手に秘部を解す指は、もう三本飲み込んでいた。
ゆらゆらと白い尻が揺れて、そそり立つアゼルの屹立に、指が入ったままの割れ目を撫でさせる始末。
拷問だ。
紛れもない拷問だ。
言葉もなくひたすら唸り硬直しているアゼルの鼓動が、ドッドッとうるさくなっているのが、シャルにも伝わった。
時折ビクッと反応するのに、必死に言いつけを守っているのだろう。
「ふふ……かわいい」
「っぅ、シャル……っ」
耳の裏側をなぞり心のまま愛でると、アゼルは情けない声で名前を呼んだ。
たくさん我慢できたいいこには、ちゃんとご褒美をあげないといけないな。
火照った身体をゆっくりと起こし、鋭い瞳をすっかり欲に濡らした獰猛な犬の姿を見下ろす。
普段淫らなことなんてなにも知らないような、のんびりとした穏やかな男。
彼曰くそんな見てくれをしたシャルが、自分の上で快楽を貪り行動を縛る行為に、たまらなく興奮しているのだ。
ふと、ほんの少し前の出来事を思い出す。
ツンと澄ましているが情に厚い、とびきりの美少年な友人と話していたこと。
初めは女性側になるほうが好かれるだろうと考えて、そうした。
だから抱きたくないのか、と言われた時、改めてそう考えてみると「抱きたい」と言葉が出たのだ。
──もし、アゼルにこのまま、管理される快感に支配されたいと言われたら。
アゼルの体はキスマークがつけられないほど強固だが、それは置いておいて。
やり方もなにもわかっていなかった頃じゃない今の自分なら、きっともたつくことなく抱くことができるだろう。
確信を得てそう思うが、抱き合うことを考えた途端──ゾク、と背筋を這い上がる期待。
(ん……そうするには、少し遅すぎたみたいだぞ)
胸中で笑う。
自分の指では浅いところだけしか慰められなかった奥が、トクンと欲しがってたまらない。
我慢していたのは、自分もだ。
「まだ、マテだぞ。ご褒美……ちゃんと、見てて、な……?」
ヌルリと滑った中から指を抜き、そのまま穴の周りの肉をぐっと広げる。
女性のように柔らかくはない弾力のある尻肉が歪み、赤く色付いた秘部がヒクヒクと息づく。
膝に力を入れ、身体を持ち上げる。
ずっと擦り付けるだけだった怒張に手を当て、広げた秘部に、大きく艶のある先をあてがった。
「ン、ん……ぁ…っ」
ズプ……ッ、と張りのある丸い先端が呑み込まれる。
入り口の輪がきゅっと引き締まって、雁首を咥えた。
呼吸が荒くなる。
下腹部の奥が切ない。
シャルは竿に添えていた手を滑らせ、先走りをトロ、と零す自分の屹立に指を絡める。
そしてそのままゆっくりと揉み込むように、全長を擦りあげ始めた。
「っは……っく……」
「ぁ、あ、くぅ……ん…も、ちょっと……」
徐々に腰を落とし、太く大きな怒張を懸命に収めようと、眉根を寄せて震えながら腹に力を入れる。
ちゃんと慣らしたはずが、自分では不十分だったのか、皮膚がひきつってほんの少し痛んだ。
普段、どれほど丁寧に広げられていたかがよくわかる。大切に抱かれていた。
硬くて大きくて、熱い。
簡単には呑み込めない。でも……欲しい。
ゴリ、ゴリ、と押し広げられた内壁が前立腺を圧迫して、力を抜くために慰めていた肉棒が、手の中で大きくなった。
少しずつ挿入すると、入口を食いしめ、奥を開くように力の入れ方を変化させる。
応援ありがとうございます!
21
お気に入りに追加
2,599
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる