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六皿目 純情変態桃色魔王

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 となれば、独学しかない。
 俺の性能が試されるな……。

 最終的には俺が乗って中に挿れるのが目的だから、後ろも自分で解さねば。

 ちゅぷ、と口の中に改めて迎え入れ、舐めながら、自分の下肢に手を伸ばす。

 固く閉じた窄まりに指を埋め込み、ローション代わりの魔法のなりそこないを腸内の流し込んだ。

「ん……、っん……ふ」
「これは……つまり、天国であり地獄でもある……俺の精神力が試される……」
「んぅ……? ん、ん……」

 アゼルの一物を頬張りながら自分で後ろに指を突き込んでいると、動くなと言われているアゼルが瀕死の様子でなにやら呟く。

 アゼルが俺関連のことでよくわからないのは、いつものことだ。

 俺はよくわからないアゼルも愛しているので、舌と手を試行錯誤しつつ動かした。

「ん、は……ふ、っ……」

 丸い先端にヂュル、と吸い付き、粘度のある液体を唾液と混ぜて飲み込む。

 根元の太い部分にも潤滑油をまぶし、いつも触り合う時のように上下に擦る。

 嬲られることに慣れた後孔は、指と潤滑油ですっかりぬかるみ、指も三本を呑み込むまで拡がっていた。

「ぁっ…ふ、んぅ……」
「っ……くそ、うぅ……っ」

 前立腺を掠めるたび、舌の根が痺れて無意識に腰が揺らめく。

 柔らかだった陰茎も秘部への刺激で芯を持ち、触れずに育ってしまう。

(んん……苦くなってきたな……喉のほうまで咥えたほうが、ピクピクしてる気がする)

 だけどちゃんと、勉強もしながら感じているんだぞ。血も吸われていないので、理性は残っている。

 俺もやればできるのだ。
 スケベなことを、上手にできる。

 そうしてしばらく懸命に奉仕をし、欲しがりな体を慰めつつ、舌使いを覚えていた時だ。

「~~っシャル、いい加減俺に抱かせ、練習させろ!」
「んぅぅ? ふあっ」

 ついに我慢の限界に達した煽り耐性思春期男子なアゼルが、俺をヒョイッと軽々持ち上げ、ひっくり返した。

 幼児のごとく簡単に脇の下に手を入れて抱かれたが、俺は立派な成人男性である。

 アゼルの怪力スキルはこのように、概ね俺を抱くために使われていた。

「ふぐ、もう少しでコツを掴めそうだったんだが」
「この努力型ド変態め! コツを掴まれそうだったからだろうがっ」

 逆向きにひっくり返された俺をアゼルは叱りながら、ズルズル引っ張って自分の上に乗せる。

 気がつけば、俺はアゼルに尻を向けて、彼の上に乗っかっていた。

 んん? 逆じゃないか?

 これだと顔が見えないし、せっかく挿れられるように拡げたのに、挿れられない。

 逞しい体の上で上半身裸、脱げ掛けの下衣の装備である俺は、モゾモゾと身じろぐ。

「ぐるる、いいか? こっから俺のターンだぜ」
「わぶっ」

 落ち着きない俺の尻をアゼルが掴んで上げたせいで、前のめりに倒れてしまった。

「けしからん動きしやがって、許さねぇ」
「ぁ、アゼル、俺を抱くんじゃなかったのか? んっ…こら……っ」
「ふん。許さねぇったら許さねぇ」
「ひっ」

 その言葉と共に陰茎を生暖かいものに包まれ、俺は短い悲鳴を上げて身を震わせる。

 火がついたアゼルは解れた後孔に二本の指を挿入し、俺に仕返しをし始めた。

「アゼ、っふ……んっ……!」

 半勃ち程度だった屹立に舌を這わされ、慌てて足に力を込める。

 このまま崩れ落ちたらアゼルが俺の尻に敷かれてしまう。
 流石のアゼルもそれは困るだろう。



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