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六皿目 純情変態桃色魔王
18(sideアゼル)
しおりを挟む騒ぐマルガンを一瞥し、野外プレイの選択肢を思考の外に放り投げる。
まぁ、これはシャルもやっぱり恥ずかしいと思い直していたから、いいんだ。
残念には思ってねぇ。グルル。
だがその後まさかの何人かでという、乱交プレイの提案は、全身全霊却下した。
いくらシャルがもしそうしないと興奮しないと言ったとしても、俺以外に触らせるわけねぇだろッ!
死ぬぞ、俺も相手も。
メンタルと物理的にと。
ゴホン。
そんな独占欲は置いておいて、だ。
現在俺の心をドキドキムラムラと乱して仕方ないのは、乱交プレイを却下した後の、何気ない爆弾発言。
『一人遊びは得意なんだが』
「とっ得意って……っ! 俺が仕事してる間に、満足できなかった性癖を満たしてたのか……! なんっ、なんてやつだ、エロだっ、エロエロだっ!」
「魔王様のエロのハードル、めちゃ低だよねぇ~。童貞、いや童帝丸出しだっちゃ」
馬鹿野郎! こちとらスケベなシャルになればいいなぁ……、と思いを馳せていたのが実際スケベだった衝撃的事実に、トキメキを抑えられねぇんだよ!
俺はパシパシと自分の膝を叩き、恥ずかしそうに逃げていった背中を思い出して、身悶える。
顔が熱くて耳がぺたんと情けなく倒れるが、尻尾は後ろでパッタパッタと揺れているのがよくわかった。
そんな俺にマルガンはニヤァ~と変態じみた笑みを浮かべて、チッチッと立てた人差し指を左右に振った。
「初だねぇ~! でもお妃ちゃん、人妻だよ? しかもまだまだ若いっしょ? いや魔族的に学園生年齢、青春だよね~!」
「フフン、人妻だ。若妻だ。俺のだぜ」
「だったらえっちに決まってんじゃあん!? 人妻なんてエロいもんよ!」
「はっ? 人妻になるとエロくなんのか?」
「そそっ! まぁまぁまぁ耳貸してみ。ようく聞いてね?」
そう言って嬉々として隣に座ってきたマルガンに耳を近付け、俺はゴクリとツバを飲む。
「人妻ってのは旦那との夜にも熟れた、酸いも甘いも噛み分けた大人っしょ?」
「まあな」
「旦那は仕事に行き、昼間は自分一人……しかもお妃ちゃんは、お城から出ちゃだめなワケよ。娯楽に乏しいってカンジじゃん?」
「ぐ……仕方ねぇだろ。仕事はしねぇと、シャルを守ってやれねぇ。なにかあったらまずいから、あんま外出したくねえし」
外に出れないから娯楽に乏しいと言われ、俺はムグ、と苦虫を噛み潰したような表情になった。
城下街の魔族だって、入れ代わり立ち代わりしてるんだ。
俺のものと知らないクズが、人間だと侮って傷をつけるかも知れねえだろ。外出は危ねぇんだぜ。
しかしマルガンは非難するでもなく、ニヤニヤとした愉快な表情を崩さない。
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