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終章 本日のディナーは勇者さんです。

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 足を大きく広げるこの体勢では、濡れたまま赤く腫れヒクヒクとひくつく陰茎と、そこから溢れる先走りが伝って尻の間まで流れる様子までが丸見えだ。

 そんな姿を見せろだなんて、変態に決まっている。バカアゼル。

 ショックを受けるアゼルだが、俺がそっぽを向くと不服そうに唇を尖らせ、自分の粘液で濡れた俺の後孔にグリ、と中指の先を挿れながらのしかかってきた。


「く……っあ、触ってって、言ったのに、っ、ん」

「ふん、中でイケるだろ。今日はそっち触ってやんねぇからな? こんな指挿れただけで奥まで拡がって息してるみてぇに中ヒクヒクさせてるくせに……変態シャル」

「ん、っ根に持つな、あっ……こうなるようにしたのは、お前だっ……変態、ん、んっ」

「あっお前まだ言うかっ? どっちが変態かわからせてやるぜ……!」

「あっぁぁ……っ! そこだめ、そこっいい……っ、ひ、ぁっ」


 負けず嫌いなアゼルのスイッチをうっかり押してしまった俺は、グチグチと粘着質な音を鳴らしながら深くまで指をくわえ込まされ、快楽に悶える。

 一本の指が的確に前立腺をコリコリと引っかき、入り口を拡げるように円を描く。
 すると俺の中は反射的にもっとと奥まで開き、アゼルの指をキュゥ、と誘い込んだ。


「イイのか、ここ」

「んっ、んん……っは、ああ……っ」


 俺の求めに応えるように一気に指を三本に増やされ、ビクンッと腰が跳ねた。


「ん、んっ、んっ」


 俺をもっと踊らせようと意地悪く同じところだけを内壁ごと持ち上げるようにトンットンッと突かれ、押し寄せる快感に頭を振って乱れる。

 呼吸ができない。まともに話せない。
 猛烈に高められる官能の頂きが近づき、頭と下腹部の奥が、同時に弾ける感覚。


「ぁう、う、あ……っ!」


 一定のリズムで中のしこりを擦られた俺は、ついに性器を触れられないまま、射精もしないで達してしまった。
 腹の中から全身に染み渡るような内包的な快感が広がり、頭が真っ白になる。

 それなのに、グチュグチュと中を責め立て指が一向に止まらず、アゼルの指は痙攣する襞を引っ掻くように激しく動き続けた。

 火照る体をよじる俺は余韻に浸る余裕もなく、目を見開いて休む間もなく襲い来る快感に犯される。


「っ! ひっ、待てっ、あっも、イってる、から止めて、とめ、っんんん……っ」

「ふふん。腰逃げてるぞ、シャル」

「いッ…ァ、ああぁ……ッ!」


 抱えていた足を離し、力の入らない淫靡な体をよたよたともがかせて逃げようとシーツの上を這うがダメだ。

 体をひねった時点で引けた腰ごとうつぶせに押さえつけられズップリと深く指が食い込み、俺はか細い悲鳴を上げた。

 達したはずの体に熱が溜まっていく。
 足の間で跳ねた肉棒が肌にぶつかる。
 アゼルは無自覚に、甘やかしているつもりで俺を追い詰めるのだ。


「もっと感じさせてやるよ」

「あっ、あぁっ、ああっ」


 淡々と中を刺激していた指がそのまま、勢いに任せて曲げたり伸ばしたりといたずらに内壁をこそぎ始めた。


「あ、っひ、んっ、んん……っ!」

「また中だけでイったのか? 毒の力があるにしても感じすぎだろ。本当にここが敏感になったな……めちゃくちゃエロくてかわいくて、好きだ」

「ン、ンッ、ンッ」


 唾液と嬌声をはしたなく零して閉じきらない口をせめてと両手で覆い、俺は額を柔らかなシーツにこすりつける。

 縋るように締めつける窮屈な肉穴をグポグポと強引に拡張する音が聞こえる。
 逞しい腕に捕まえられた腰が高く上げられ、ひたすら機嫌よく弄ばれる。

 同時に前立腺を抉る鮮烈な刺激に、俺の背は仰け反り、喉を反らせ、腰をガクガクと弾ませた。




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