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後先の事を考えず行動すると大概は失敗する

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 しばらくすると、たゆんたゆんがグッタリとした顔で戻ってきた。
 その間、茨城神は寝転んでいる俺の腹を枕代わりにして、寝ていた。さすがに怒る気も失せた。

『いばちゃん起きて! いばちゃんってば!』

『ん、⋯⋯ん~。やっと帰ってきたわね、で、何だって?』

 たゆんたゆんが両ひざを地面につき、茨城神を揺さぶり起こす。
 なるほど、ここはボーナスステージか。もうずっと揺れてるじゃん!

『⋯⋯呆れてたよ。そんな事が出来るのも、やるのもはアイツくらいだ。って』

『だって、他に方法なんて知らないし。なんかしなきゃあんたは、怒ったまんまじゃない?』

 ついにたゆんたゆんは、はぁ~。と、何度目かのため息を付きながら座り込んでしまった。苦労してんだなこの人も。

『例えばさ⋯⋯。いばちゃんほどの力があるなら、私と一緒に外傷をある程度治して、病院に運ばれた後に無理矢理にでも元の体に魂を縛り付けて、一ヶ月くらい休むことなくなく定着化し続けるとか。ん~他にもあったでしょ⋯⋯?』

『えぇ~、絶対ヤダわよ。ぐちゃぐちゃの体に触れたくないじゃない。もんじゃ焼きがしばらく食べれなくなるわよ。それに一ヶ月も拘束されるって地獄よ』

 めちゃくちゃ嫌そうな顔でふざけた事を言ってやがる。チラッと横に目を向けたが、コイツはしれっとした顔で立っている。呆れを通り越して感心すらする。流石だよ。

『それもこれも、あなたのせいでしょ! はぁ~、転生させるなんて普通考えないし、普通出来る事でも無いのに⋯⋯っ! って、ちょっと待って、どうやってそんなエネルギー短時間で集めたの?』

『だから、私のエネルギーを突っ込んだって言ったじゃない。⋯⋯聞いてなかったの?』

 ジト目でたゆんたゆんを見る茨城神の姿は、とても堂々としている。形勢逆転でもしたと思っているか? まぁ、思ってるんだろうな。

『うん、それは聞いたよ。でもね、それでも人間を生成し治して転生するには、それだけのエネルギーじゃ足りないでしょ?』

『そうだったのよ! だから適当に私のエネルギーをいっぱい突っ込んだのよ。結構疲れたわよ。まったく⋯⋯二度とするもんじゃないわね。あんたも気を付けなさいよ』

 何で偉そうに出来るんだろう。教えてあげてる私、優しい。とでも思っているんだろうか。

『適当って⋯⋯、えっ、えーーー!!』

『何よ、うるさいわね』

 じっと茨城神の顔を見た瞬間、たゆんたゆんがこれまでにない驚きを見せた。驚きのあまりか、体の後ろに両手をつき体を大きく後ろに反らした。

 あぁ、これで筑波山の完成か。ありがとう。

『いっ、い⋯⋯いばちゃん。ね、ねぇ⋯⋯元のエネルギーから半分以下になっちゃってるよ』

『えっ、嘘!?』

 座っていた茨城神が急に立ち上がり、自分の体をペタペタと触ったかと思えば急に走り始めたり、ジャンプしたり、正拳突きをしてみたり、と慌て始めた。

『ヤバっ⋯⋯。スキルとか身体能力とか殆ど失ってるわ。体も妙にダルいし。どうしちゃったの私?』

「この時は普段動じない私も流石にビックリしたわよ。貴重なシーンよ」

 俺は無言でコイツの頭をひっぱだいた。
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