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第四章
ステータス
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「ってか、あの人達いなくね?」
「80階層の攻略を始めたからじゃないですか」
「えっ、そうなの?」
「昨日ギルドで三人と会って聞きましたよ」
「⋯⋯平気だったの?」
80階層からは激ムズだと手紙に書いてあったと思うけど。だから三人を置いていったはずだし。
「『洒落にならねー』ってギアさんが言ってましたよ」
実際の戦闘は見たこと無い。しかし一緒に走って感じた強さはとんでもなかった。それが洒落になら無いと言うのであれば、それは《無理》だということにならないだろうか?
「正直なところ俺らでいけると思うか?」
「⋯⋯多分無理です」
常に正確な情報収集をしているユキが無理だと言うのであれば無理なんだろ。
それでも、多分というのであれば可能性はあるってことだ。
「どうしたらいけると思うんだ?」
「マイコさんの手紙にあったステータスというものが鍵になるかと⋯⋯。多分、異世界人のヒデさんは確認出来たんですよね? ステータスとはいったいどんなものだったんですか?」
「ステータス?」
⋯⋯⋯。あっ!あれかすっかり忘れてた。
「まさかとは思いますが、忘れていたって事は無いですよね?ずっと言ってこないので言いにくいことがあるのかな? って思って聞かないでいましたけど」
ヤバいユキがプルプルしてる⋯⋯。素直に謝ろう。今回ばかり、⋯⋯いや毎回だけど悪いのは俺だしな。
「誠に申し訳ございませんでした!」
「は~⋯⋯。さすがにもう慣れましたけど、そろそろちゃんとして下さいよ。で、ちょっとやってみて下さい」
なんでいつもこうなんだろうな。俺って⋯⋯。
許してくれているみたいだし、目をつぶって『ステータス』と念じてみる。
一言で言えばRPGだ。よくあるステータスウィンドウと言えるであろうものが目の前に表示されている。
パワー・スタミナ・スピード・スキル。
それが数値化されている。ただ、他の人が見えないのであれば比較対照が無いのでこの数値がどうなのかは不明だ。ハッキリ言って使い物にならない。
しかし、その下にある【スキルポイント】というのは何だ? 《所有ポイント3000ポイント》と書いてる。しかもさらに下には《所得可能スキル一覧》っていうのまである。
「俺の力とかを数値化したものと、所有ポイントと、多分だけどそのポイントを使って取得できるスキル一覧が見える」
目を開けてユキに説明をすると、ユキは目を見開いて詰め寄ってきた。
「は? ⋯⋯えっ? なにそれ? スキルを自分で選んで取得できるんですか? 聞いたこと無いですよ! ちょっと早くやってくださいよ!」
勢いが凄すぎて、こえーよ⋯⋯。
とりあえずものは試しと、スキルポイント300を使って、【fastattackA2】を取得してみる。ユキが使っていて便利そうだっし。
「⋯⋯ど、どうですか?」
ユキが恐る恐る聞いてくる。実際に使ってみないとわからないし、fastattackA2を使ってユキの頭を叩いてみた。言っておくが非常に軽くだ。
パチンッ。
バチン!!
時間にして一秒も掛からなかったと思う。
軽く頭を叩いたら、思いっきりビンタされた。
「ねぇ、なんなんですか? 頭おかしいんじゃないですか?」
「実際にやってみた方が解ると思ったんだよ。ユキも持っているfastattackA2を取得してみたんだけど、これ凄いな?」
俺を睨んでいたユキの顔が、一瞬にして理解したんだろう。みるみるうちに青ざめる。相変わらず優秀だ。
「とんでもないじゃないすか!」
「だよな?」
ってか、こんなものがあったのなら、マイコが強いに決まっている。チートだ。チート!
⋯。
⋯⋯。
⋯⋯⋯。
――――――――――。嘘だろ? この世界に来る前日の事がフラッシュバックする⋯⋯。友達に借りたアニメの内容。ヒロインが可愛いって理由で見ていた異世界アニメ。
ご都合主義と言ってしまえばそれまでなんだろう。ただ、それでも。一度は想像してしまう状況⋯⋯。
実際には『アニメだしな』と思うだけの状況。
つまり――――――。
《異世界では、俺TUEEE出来るって常識だよね?》
「80階層の攻略を始めたからじゃないですか」
「えっ、そうなの?」
「昨日ギルドで三人と会って聞きましたよ」
「⋯⋯平気だったの?」
80階層からは激ムズだと手紙に書いてあったと思うけど。だから三人を置いていったはずだし。
「『洒落にならねー』ってギアさんが言ってましたよ」
実際の戦闘は見たこと無い。しかし一緒に走って感じた強さはとんでもなかった。それが洒落になら無いと言うのであれば、それは《無理》だということにならないだろうか?
「正直なところ俺らでいけると思うか?」
「⋯⋯多分無理です」
常に正確な情報収集をしているユキが無理だと言うのであれば無理なんだろ。
それでも、多分というのであれば可能性はあるってことだ。
「どうしたらいけると思うんだ?」
「マイコさんの手紙にあったステータスというものが鍵になるかと⋯⋯。多分、異世界人のヒデさんは確認出来たんですよね? ステータスとはいったいどんなものだったんですか?」
「ステータス?」
⋯⋯⋯。あっ!あれかすっかり忘れてた。
「まさかとは思いますが、忘れていたって事は無いですよね?ずっと言ってこないので言いにくいことがあるのかな? って思って聞かないでいましたけど」
ヤバいユキがプルプルしてる⋯⋯。素直に謝ろう。今回ばかり、⋯⋯いや毎回だけど悪いのは俺だしな。
「誠に申し訳ございませんでした!」
「は~⋯⋯。さすがにもう慣れましたけど、そろそろちゃんとして下さいよ。で、ちょっとやってみて下さい」
なんでいつもこうなんだろうな。俺って⋯⋯。
許してくれているみたいだし、目をつぶって『ステータス』と念じてみる。
一言で言えばRPGだ。よくあるステータスウィンドウと言えるであろうものが目の前に表示されている。
パワー・スタミナ・スピード・スキル。
それが数値化されている。ただ、他の人が見えないのであれば比較対照が無いのでこの数値がどうなのかは不明だ。ハッキリ言って使い物にならない。
しかし、その下にある【スキルポイント】というのは何だ? 《所有ポイント3000ポイント》と書いてる。しかもさらに下には《所得可能スキル一覧》っていうのまである。
「俺の力とかを数値化したものと、所有ポイントと、多分だけどそのポイントを使って取得できるスキル一覧が見える」
目を開けてユキに説明をすると、ユキは目を見開いて詰め寄ってきた。
「は? ⋯⋯えっ? なにそれ? スキルを自分で選んで取得できるんですか? 聞いたこと無いですよ! ちょっと早くやってくださいよ!」
勢いが凄すぎて、こえーよ⋯⋯。
とりあえずものは試しと、スキルポイント300を使って、【fastattackA2】を取得してみる。ユキが使っていて便利そうだっし。
「⋯⋯ど、どうですか?」
ユキが恐る恐る聞いてくる。実際に使ってみないとわからないし、fastattackA2を使ってユキの頭を叩いてみた。言っておくが非常に軽くだ。
パチンッ。
バチン!!
時間にして一秒も掛からなかったと思う。
軽く頭を叩いたら、思いっきりビンタされた。
「ねぇ、なんなんですか? 頭おかしいんじゃないですか?」
「実際にやってみた方が解ると思ったんだよ。ユキも持っているfastattackA2を取得してみたんだけど、これ凄いな?」
俺を睨んでいたユキの顔が、一瞬にして理解したんだろう。みるみるうちに青ざめる。相変わらず優秀だ。
「とんでもないじゃないすか!」
「だよな?」
ってか、こんなものがあったのなら、マイコが強いに決まっている。チートだ。チート!
⋯。
⋯⋯。
⋯⋯⋯。
――――――――――。嘘だろ? この世界に来る前日の事がフラッシュバックする⋯⋯。友達に借りたアニメの内容。ヒロインが可愛いって理由で見ていた異世界アニメ。
ご都合主義と言ってしまえばそれまでなんだろう。ただ、それでも。一度は想像してしまう状況⋯⋯。
実際には『アニメだしな』と思うだけの状況。
つまり――――――。
《異世界では、俺TUEEE出来るって常識だよね?》
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