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第四章
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結局、ラゴーデンスからサクラビまでもユキが向きになったせいで、ほとんど休まず走ってきた。
働くことが美学と考える昭和のサラリーマンかなんかなの?
サクラビについて、そのままギルドへ向かいギアさんと久しぶりの再会を果たしたカタさんとアンザさんはテンションが高かった。
あぁこういうのって良いなと素直に思う。
「久しぶりに会ったので今日はゆっくり話して、マイコについては明日話しましょうか?」
と、提案してみたが大丈夫と言うことだったのでそのままギアさんの部屋へと向かった。
「じゃあ、まずはこの手紙を読んでしまいますね。俺も名前の所までしか読んでいないので、書いてある事はわかりません。覚悟はいいですか?」
「おう、頼む」
ギアさんが返事をし、全員が頷く。
『君は異世界人かな? 日本人かな? だとすれば文字は読めるよね?
初めましてかな? 私はこの世界ではタカハシ マイコと名乗っている冒険者だ。私が望んだ彼が見ているのかな?
しかし、それは今の私はわからない。私は、台風の日に足を滑らせ川に落ち死んで転生した。
まぁ、転生してしまったので日本に戻るためにこの塔の頂上を目指して日々戦ってきた。
タカ、アンザ、ギア。この3人と出合い楽しく冒険をしてこれたと思っているが、ここが限界だと思い筆を取った。
勝手だと思うかもしれないが、80階を越えた時点で世界が変わる。ハッキリ言って、この3人では必ず死ぬ。
これは私がこっそり一人で95階まで来た結果だ。こんなに良い人達が死ぬのは耐えられない私の弱さなのかもしれない。
我慢できない。しかし、これを読んだあなたが私の望んだ彼ならば導いて欲しい。
分かっているかは不明だが、この塔の頂上に行けば戻れる。
ただし! 自分が到達するために仲間を犠牲にするようであれば絶対に到達は出来ない。
信じる事しか出来ない私だが、信じたいのだ。
PS.レベルは無いがステータスならあるのは知ってるかい?知らなければ目をつぶってステータスと言ってごらん。』
読んだ俺もビックリだぞ。ステータスってなんぞ?その話しをしようと思ったが無理だ。
周りを見渡せば、全員が下を向いていた。重たいの空気が流れ、しばらく無言が続いたがタカさんが小さく口を開いた。
「なぜ、僕達を連れていってくれなかった」
そんなタカさんの肩を叩きギアさんが答える
「書いてあったろう。俺達は死ぬ可能性が高い。そして死んでしまえばマイコさんは戻れなくなってしまう」
「でもっ! それでも!」
ギアさんの手をはねのけ立ち上がるタカさんに、アンザさんが静かに立ち寄る。
「マイコさんの気持ちをわかってあげよ。それが出来ないなら強くなって見返すしかないんじゃない?」
タカさんはそれからは何も言わずそのまま椅子に座り涙を、流していた。
「まぁ、今考えりゃその可能性もあったんだな。マイコさんは60階層にしては強すぎた。ありがとよ! おかげでスッキリした。あの時の俺達に直接伝えられたら、きっとバレないように着いていっちまって迷惑をかけただろうな⋯⋯」
ギアさんはそんな言葉をくれたが、悔しかったんだろうな。目を見れば涙をこらえての笑顔だとさすがにわかった。
「皆さんはこれからどうするんですか?俺はやはり元の世界に戻るために上りますが」
そう言いながら、3人に目を向ける。
「⋯⋯登るよ。それしかないから。ギアさんは?」
「あぁ、町を回る事ももう不要だ。久しぶりに塔へ挑戦する。また、宜しくな!」
「そうよね? でも死なないようにしなくちゃね」
それを聞き、今度はユキに目を向ける。
「行くに決まってますよ! とりあえず80階までは行けそうなので、そこまでかもしれませんけどね」
笑顔でユキは答えてくれた。
その後は雑談し、それぞれ借りた部屋へ帰って行く。
3人とはここでお別れだ。ならばゆっくりとディグナルドへ迎えるはずだ。少しは気持ちが楽になったし、ゆっくり寝れそうだ。
おやすみなさいZzz⋯⋯
働くことが美学と考える昭和のサラリーマンかなんかなの?
サクラビについて、そのままギルドへ向かいギアさんと久しぶりの再会を果たしたカタさんとアンザさんはテンションが高かった。
あぁこういうのって良いなと素直に思う。
「久しぶりに会ったので今日はゆっくり話して、マイコについては明日話しましょうか?」
と、提案してみたが大丈夫と言うことだったのでそのままギアさんの部屋へと向かった。
「じゃあ、まずはこの手紙を読んでしまいますね。俺も名前の所までしか読んでいないので、書いてある事はわかりません。覚悟はいいですか?」
「おう、頼む」
ギアさんが返事をし、全員が頷く。
『君は異世界人かな? 日本人かな? だとすれば文字は読めるよね?
初めましてかな? 私はこの世界ではタカハシ マイコと名乗っている冒険者だ。私が望んだ彼が見ているのかな?
しかし、それは今の私はわからない。私は、台風の日に足を滑らせ川に落ち死んで転生した。
まぁ、転生してしまったので日本に戻るためにこの塔の頂上を目指して日々戦ってきた。
タカ、アンザ、ギア。この3人と出合い楽しく冒険をしてこれたと思っているが、ここが限界だと思い筆を取った。
勝手だと思うかもしれないが、80階を越えた時点で世界が変わる。ハッキリ言って、この3人では必ず死ぬ。
これは私がこっそり一人で95階まで来た結果だ。こんなに良い人達が死ぬのは耐えられない私の弱さなのかもしれない。
我慢できない。しかし、これを読んだあなたが私の望んだ彼ならば導いて欲しい。
分かっているかは不明だが、この塔の頂上に行けば戻れる。
ただし! 自分が到達するために仲間を犠牲にするようであれば絶対に到達は出来ない。
信じる事しか出来ない私だが、信じたいのだ。
PS.レベルは無いがステータスならあるのは知ってるかい?知らなければ目をつぶってステータスと言ってごらん。』
読んだ俺もビックリだぞ。ステータスってなんぞ?その話しをしようと思ったが無理だ。
周りを見渡せば、全員が下を向いていた。重たいの空気が流れ、しばらく無言が続いたがタカさんが小さく口を開いた。
「なぜ、僕達を連れていってくれなかった」
そんなタカさんの肩を叩きギアさんが答える
「書いてあったろう。俺達は死ぬ可能性が高い。そして死んでしまえばマイコさんは戻れなくなってしまう」
「でもっ! それでも!」
ギアさんの手をはねのけ立ち上がるタカさんに、アンザさんが静かに立ち寄る。
「マイコさんの気持ちをわかってあげよ。それが出来ないなら強くなって見返すしかないんじゃない?」
タカさんはそれからは何も言わずそのまま椅子に座り涙を、流していた。
「まぁ、今考えりゃその可能性もあったんだな。マイコさんは60階層にしては強すぎた。ありがとよ! おかげでスッキリした。あの時の俺達に直接伝えられたら、きっとバレないように着いていっちまって迷惑をかけただろうな⋯⋯」
ギアさんはそんな言葉をくれたが、悔しかったんだろうな。目を見れば涙をこらえての笑顔だとさすがにわかった。
「皆さんはこれからどうするんですか?俺はやはり元の世界に戻るために上りますが」
そう言いながら、3人に目を向ける。
「⋯⋯登るよ。それしかないから。ギアさんは?」
「あぁ、町を回る事ももう不要だ。久しぶりに塔へ挑戦する。また、宜しくな!」
「そうよね? でも死なないようにしなくちゃね」
それを聞き、今度はユキに目を向ける。
「行くに決まってますよ! とりあえず80階までは行けそうなので、そこまでかもしれませんけどね」
笑顔でユキは答えてくれた。
その後は雑談し、それぞれ借りた部屋へ帰って行く。
3人とはここでお別れだ。ならばゆっくりとディグナルドへ迎えるはずだ。少しは気持ちが楽になったし、ゆっくり寝れそうだ。
おやすみなさいZzz⋯⋯
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