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第四章

走りっぱなし

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「ヒデさんこれ読めるんですか?」

  「あっ、あぁ⋯⋯日本語って言って俺の住んでた文字だよ。えっと、差出人はマイコだ。」

「なら! ビンゴじゃないですか! すぐに3人に知らせましょう!」

 俺は驚きすぎていまだに頭が回っていないが、ユキはテンションが高い。
 こういう物には冒険者としての血が騒ぐのかも知れないな。



 まず俺達は早々に塔から街に戻り、タカさんとアンザさんを探した。

 有名人なので、街にいた適当な人に声をかけたが3人目で目撃者と遭遇。ギルドへ向かったとの事だったので、急いで後を追った。

「お二人とも久しぶりです。」
 ふざけたことは言わずちゃんと挨拶をする。

「やぁ!」
「は~い!」
 二人とも元気そうで何よりだ。

「マイコさんからの手紙を見つけたので、今からギアさんに会いにサクラビに行きます。
 皆さんも一緒に行きませんかーーー!」

 出来る限りの良い声で言ってみた。
 まぁ。俺はお父さんの声の方が好きだけど。


『えっ?』

 その反応。
 二人とも元気そうで何よりだ。


 あそこで話しをしていると目立ってしまう事もあり、特に準備も不要とのことでそのままディグナルドの出口まで向かった。

 流石は上級冒険者だ。何時いかなるときでも迅速に動けるようにしているとは。


 色々と質問も飛んできたけど、どーせギアさんへも同じことを言わなきゃならないだろうから。
「ギアさんに会ってから!」と質問を諦めて貰った。

「馬車借りますか? 四人ならそんなに費用掛からないですよね?」

 言ってやったぜ!
 当時はバカみたいな高額料金だ。と思っていたが俺達は散々金を貯めてきたし、上級冒険者も入れば出せない額では無いのだ。

「いや、馬車はいいよ、遅いから」
「走った方が早いでしょ?」
「普通に考えて走りますよ」

 クソッタレ!頭にきちまうのな。

 ⋯⋯
 ⋯⋯⋯⋯

 まぁ、確かにそうなんだよね。
 言ってみたかったんだよ。察しろよ。それを、3人して『何を言ってるんだコイツ』みたいな顔しやがって⋯⋯

 ってなわけで、四人してただひたすらに走っている。ずーと走ってる。走ってる。走っている⋯⋯


 それもこれもユキのせいだ⋯⋯

 ユキがしたどれくらいの時間走っていられるかの質問に対して、タカさんとアンザさんが最低でも1日は走ってられると回答。

「なら早く着きますね!」
 と、笑顔で答えていたが、火がついたんだろうな。

 俺は素直に休みたい! 休みたい!
 まぁ、走り初めてからすでに1日半。そろそろ夜になるし、寝場所を探さなきゃだから走るのはひとまず終わるだろう。

「ラゴーデンスまでこのまま行ってしまうかい?それとも休んだ方が良いかな」

 流石は上級冒険者!優しさを持っていらっしゃる。
 だが、そうはいかない。

 もうね~。うちのユキちゃんがね~。確実に自分より上なのに、冒険者として対抗意識燃やしちゃってるのよ~⋯⋯

「行っちゃいましょう」

 じゃ、無いののね~。今までそんな距離走ったこと無かったのに~⋯⋯


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ってなわけで、ほぼ休みを取らず走りっぱなしで、ラゴーデンスに到着した。
 もうしばらくは動きたくない。強くなったと思ったけど全然だったわ⋯⋯

 今日1日休んで、また明日から走りっぱなしとか、昭和のスポ根マンガだってやらねーぞ⋯⋯

 何はともあれ、ゆっくり休まないと体がもたない。おやすみなさいZzz⋯⋯
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