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第三章

51階層

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「どう見ても一面湖じゃね?」

 デカイとは聞いていたけど、遠くの方に見える階段と所々に見える、大小の陸地以外は水・水・水!

 完全に、泳ぐ、陸で休すむ。泳ぐ、陸で休すむ。の繰り返しじゃないか。歩く場所ないのね。

 でも、これどうやって水中で戦闘するの?


「まぁ、話しの通りですね。では、さっさと行っちゃいましょう」

 そう言うと、さっさと水着になり荷物をまとめる。俺も同様に洋服を脱ぎ、着込んでいた水着になる。


「っても、これじゃ防御力無さすぎてキツくないか?」
「だから! 攻撃を受けないようにするんじゃないですか。話し聞いてました?」

 呆れた顔でユキはそう言うけど、どうしろと?

 なんでも水中でスキルを放つと、反動で動けるので上手く使って避けるとは聞いていたけど、ぶっつけ本番でやれるものなのか?

「あのさ、ユキもここの階初めてだよね?なんでそんなに余裕なの?」

「あぁ~⋯⋯異世界人って事を忘れてました。あの、私達って子供の頃に水辺でモンスターを刈るとか普通の事だったんですよ。夏になれば誰が一番倒したか?なんてゲームもしてましたし」

 なにその釣り感覚⋯⋯
 駄菓子屋で釣具を買って遊ぶ感覚なの?

「とりあえず私が先に泳ぐのでついてきてください。コツは避けたい方向とは逆にスキルを発動すればいいので」

「はいよ」

 先に泳いでくれるなら、素直にしたがって戦い方を学ぼう。


 最初のモンスターは黒いタコだった。モンスターの名前なんていちいち覚えられなので、黒いタコとしか覚えられない。

 足を使って、小さなトルネードを出す。近づけば足を、鞭のようにしならせて攻撃する。といった簡単なものだった。

 トルネードはこちらもスキルでトルネードを出す。
 鞭のような攻撃にはガードするか、足を切り落とすといった簡単な作業だ。
 あとは頭を真っ二つに切り落とすだけで倒せるので苦労はしなかった。

 何度か同様に戦闘をすることで慣れた。

 一個目の陸に上がり、一先ず休憩をとる。

「なんか、51階からはキツいイメージあったけどそうでもないな」

「今までの敵は雑魚敵ですから。階段に近づくに連れて強さも上がると思うので、絶対・・に無茶しないで下さいよ」

 なぜそこまで言うのか?
 俺だって学習してるって言うのに⋯⋯信頼されてないな。

「大丈夫だって! 初めて見るモンスターが出たら必ず相談するさ」

「だといいんですけどね」

 最近はちゃんとしてるんだからね!

 タカさんの一件? そりゃモンスターじゃないからノーカンだよ。
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