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第三章

花園を求めて

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「お前の部屋は、花園とはほど遠いな。ただの宿屋だ!」

 ズドン!

 と、俺のおしりに激痛が走る。
 なにこいつ? ビンタ以外に攻撃手段を覚えてんじゃねーよ。


「ふざけてると話しが進まないので、スルーして話しますね」

 不機嫌そうにベッドにユキは腰を下ろすが、全然スルーしてないからな!いてーんだよ⋯⋯


 先の一件で買い物を明日へと伸ばし、今はユキの部屋で話しをしている。
 俺が、「お前の部屋で話しがしたい」と言ったら、快く受け入れてくれたのに、この仕打ちはあんまりだ。

「で⋯⋯どう思って、どうしていこうと思ってるんですか?」

「ん~⋯⋯たしかにあの二人の言う通りだと思うよ。マイコに何かあったけど、それはあえて言わなかった可能性はね」

 もしかしたら、急にいなくなる私カッケー! パターンも無くはないけど、わざわざ言う必要はないだろう。

 結局二人で話しをしても、四人で話したときと結論は変わらなかった。

 これ以上、いない人の話しをするだけ無駄な時間だと思うし、今やるべきことに時間をかけた方が有意義だと思う。



「そんなことよりさ。重要な事があるんだが教えて欲しい」

「なんですか? さっきの話しの秘宝ですか?」

 たしかに秘宝は気になる。でも今はそれどころではない。


「なぜお前の部屋は花園の匂いがしないんだ?」



 今日の夕食は出店で売っていたチキンサンドだ。安いわりに旨いからついつい買ってしまう。
 さっさと夕食を済ませ、明日に備えてさっさと寝るに限る。

 ビンタ一発、蹴り三発。

「デリカシーの匂いがしませんね!」と、全くもって上手くもない事を言いながら蹴るとか頭がおかしいんじゃないのか?


『鍛えた冒険者なら50階までは行ける』と言われている。
 また、『51階からは別次元』とも言われている。
 つまりここからは死ぬ可能性が一気に上がるって事だ。

 ふと思ったけど、死んだらどうなるんだろう。
 この世界で終わるのかな?
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