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第三章
役職
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「そう言えば、ヒデさんってスキル何個になったんですか?」
45階を攻略中、セーフティーエリアと呼ばれるモンスターが近づいてこない場所で昼飯を食べていたら、ユキに聞かれた。
「スキルを聞くのはダメだったんじゃないのか?」
たしか前にそう言われた記憶がある。
「そうですけど、気になるものは気になりますし。私とヒデさんの中じゃないですか。パーティー組んで一年以上になりますし。」
「死ぬほど都合の良い解釈だな」
以前からそうだが、自己中なのではないだろうか。
「まー、今さらユキに隠すこともないからいいんだけど、6個増えて11個だな。その内2個は上位スキルへの変更だな」
「気持ち悪いですね。どんだけ増えてるんですか」
気持ち悪くはないだろう⋯⋯素直に褒めろよ。
「ちなみにユキは何個なんだよ?」
「⋯⋯私は5個です」
すくなっ! 俺より冒険者歴長いのに。すくなっ!
「変な顔をして侮辱されているのは理解できましたが、念のため言っておきますが、40階層冒険者なら普通らしいですからね」
「そうなの?」
「40階ボスを倒したことでCランクになりましたが、Cランクでも5個持ってない冒険者だって沢山いるみたいですし」
そういうものなのか。あれ? っ事は塔にくる前までで6個持ってた俺って凄いんじゃね?
でも、それを聞くのはよそう。それよりも今後の対策だな。
「能力知ってた方がボス攻略立てやすいんじゃない?」
「まー、それは50階のボスを知ってからでいいですよ。今聞いてもわすれそうですし」
なるほど。そんなものなのか⋯⋯
「そーいや、前に宿屋のベックさんに僧侶でもないとキュアが使えないって言われたけど、俺この前覚えたんだよね。俺って僧侶になったの?」
ユキは驚愕の眼差しでこちらを見ながら
「うっわー! ドン引きですよ。ドン引き! 何してくれちゃってるんですか? 世界の理を無視ですか? きもっ!」
「いや、僧侶になった可能性だってあるだろうが⋯⋯」
ってかキモくはねーだろ。
「無いですよ。僧侶だと剣が使えません。それに僧侶の顔じゃないです」
こいつとんでもないな⋯⋯この前、冒険者は顔じゃないとか言ってやがったのに。
これ以上話しをしても仕方ないので、さっさと昼飯を食べて再攻略に向かおう。
日に日にコイツの当たりが強くなって来たと思う。以前に名前をバカにしたからかな。謝ったはずなのに⋯⋯
45階を攻略中、セーフティーエリアと呼ばれるモンスターが近づいてこない場所で昼飯を食べていたら、ユキに聞かれた。
「スキルを聞くのはダメだったんじゃないのか?」
たしか前にそう言われた記憶がある。
「そうですけど、気になるものは気になりますし。私とヒデさんの中じゃないですか。パーティー組んで一年以上になりますし。」
「死ぬほど都合の良い解釈だな」
以前からそうだが、自己中なのではないだろうか。
「まー、今さらユキに隠すこともないからいいんだけど、6個増えて11個だな。その内2個は上位スキルへの変更だな」
「気持ち悪いですね。どんだけ増えてるんですか」
気持ち悪くはないだろう⋯⋯素直に褒めろよ。
「ちなみにユキは何個なんだよ?」
「⋯⋯私は5個です」
すくなっ! 俺より冒険者歴長いのに。すくなっ!
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「そうなの?」
「40階ボスを倒したことでCランクになりましたが、Cランクでも5個持ってない冒険者だって沢山いるみたいですし」
そういうものなのか。あれ? っ事は塔にくる前までで6個持ってた俺って凄いんじゃね?
でも、それを聞くのはよそう。それよりも今後の対策だな。
「能力知ってた方がボス攻略立てやすいんじゃない?」
「まー、それは50階のボスを知ってからでいいですよ。今聞いてもわすれそうですし」
なるほど。そんなものなのか⋯⋯
「そーいや、前に宿屋のベックさんに僧侶でもないとキュアが使えないって言われたけど、俺この前覚えたんだよね。俺って僧侶になったの?」
ユキは驚愕の眼差しでこちらを見ながら
「うっわー! ドン引きですよ。ドン引き! 何してくれちゃってるんですか? 世界の理を無視ですか? きもっ!」
「いや、僧侶になった可能性だってあるだろうが⋯⋯」
ってかキモくはねーだろ。
「無いですよ。僧侶だと剣が使えません。それに僧侶の顔じゃないです」
こいつとんでもないな⋯⋯この前、冒険者は顔じゃないとか言ってやがったのに。
これ以上話しをしても仕方ないので、さっさと昼飯を食べて再攻略に向かおう。
日に日にコイツの当たりが強くなって来たと思う。以前に名前をバカにしたからかな。謝ったはずなのに⋯⋯
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