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第二章

20階ボス~その2

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 流石に洒落になら無い。
 ここで俺が倒れたら、ユキが死ぬ。ダメージを与えてるとは言っても、一人でどうこうなる相手じゃい。
 こちらのダメージとしては、俺が重症。ユキが軽症。ミノタウロスの口から出た物はわからないが、ユキの傷とバックの紐が切れたことから、カマイタチとかだろう。

 たいした威力がなかったのは不幸中の幸いだ。

 それにしても、このままでは流石にヤバい。
 下手に動くと出血しすぎてたぶん死ぬ。

「俺は下手に動くと大量出血でたぶん死ぬ」

「⋯⋯わかってます。だから頭だけ動かして打破出来る可能性探してください」

 ミノタウロスもダメージを受けていることから、距離を詰めてはこない。こちらを集中して見ているだけだ。

「あ、そういえば、薬草があるぞ。流石に踏み潰されても薬草なら使えるんじゃね?」

「それは助かりますね」
 俺とユキはバックへ目線を移した。

 ミノタウロスは一度踏んだことで満足したのか、バックへは目もくれず此方に対して威嚇している。下手に動かれてはチャンスは無い。

「俺が【ソードアロー】で奴の顔に向けて出来るだけ攻撃をする。その隙にバックから薬草を持ってこれるか?」

「わかりました。やってみます。無理だけはしないで下さいね」

 ここでミスったら本当の終わりだ。
 ダメージを与えることじゃなく、足元から意識をそらさせれば良いだけだ。威力を落とし数をばらまく。

 ミノタウロスは顔への攻撃を嫌がりガードを取る。チャンスだ!
 ユキが全力で走りバックを取り戻ってくる。
 はえーなコイツ。

「やったな!」

「はい! すぐ塗りますので、アイツの攻撃を続けといて下さい」

 言われるがままにソードアローで威嚇する。

「Okです!」

 その声と同時に痛みが消え、回復する。
 ユキも自分へと薬草を使い回復していた。

 さて、反撃の時間だ。これ以上の技を持っていたら厄介だが、20階のボスだ。可能性は薄いだろう。

 薬草じゃ傷の回復をしたとしても体力までは回復はしない。さっさと決着をつけなければユキが持たない。俺は【スタミナ】があるからいいけど。

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