俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

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第二章

考え事

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 今日から10階層攻略がスタートする。

 勿論、ギルドで情報収集は忘れない。10階層も特に注意するべきポイントはほとんど無いそうだ。今までの階の強化版らしい。

 逆に言えば、10階までが厳しく感じた冒険者には無理なんだろう。

 また、クエストを行っていなくても20階のボスを倒すとDランクになるようだ。

 俺達は既にDランクの為、わずかばかりの報酬が貰えるとのことだ。

 ユキは報酬で何を買おうかウキウキしていたが、俺にはそこまでにはなれない。

 昨日の事を考えたが結論は出なかった。

 まだサクラビに居るであろうギアさんに聞くのが良いのだろうけど、手紙を出しても帰ってくる迄に半年はかかる。

 スキル全快でサクラビまで行けば、今ならば俺一人で1ヶ月とかからず行けるだろう。しかし、ユキはどうする?無理だ。スキルを聞くことはタブーとされている。じゃあ、こっちに置いて平気なのか?

 何かあったときに、俺は通常の精神では要られなくなる。

 戦闘を繰り返し、強化して何があっても対抗できるようにするしかないのだろう。しかし、相手は俺より高層階にいる連中ばかりだろう。

 ならば今は、俺の正体をバレないように最新の注意をするしかない。そうでなくても塔に来たばかりの新人は目立つ。

 それ以上に町でニヤニヤして余計に目立っているんだ。自重しろよ俺⋯⋯。

「なあ、疑問に思ったんだが。冒険者なのに知識がないって言う奴をどう思う?」

「ヤバい奴です!」

 ⋯⋯即答だった。

「知識っていうのは持ってて当たり前なんですよ。戦闘方法や立ち回りっていう知識は初心者なら持ってなくても普通ですが、アイテムや、スキル、武器や防具もですかね。冒険者に必要な知識は子供の頃から勝手に身に付きますからね」

「前にもそんなことを言ってたな」

 やはりそうなのか。だから昨日も知識が無いと言ったことで疑われたのか。


「そうです。なのでヒデさんは相当にヤバい奴ですよ。サクラビでも有名でしたよ。それ以上に気持ち悪いってのが勝ってましたから、町のみんなは知識の件は忘れてましたが」

 どんだけだよ!クソが!ニヤニヤしたっていいだろうが!


 とりあえず当面は、知識はある普通の冒険者として立ち回る事に意識しよう。考えることが多くてそれだけで滅入ってしまうが塔は登らなければならない。

 新たな階層だが、テンションは上がらない。

 他にも異世界から来てる奴がいるならば、俺TUEEE出来る、お約束は俺じゃないのかもしれない。
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