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第二章

キュア石の使い方

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 前回と同じ失敗をしないように今回は対象のオークの特徴を学んだ。

 グレーの色をした顔が豚で身長が2mほど。手には斧を持ち盾は無し。

 Ok! 大丈夫。簡単な特徴だ。間違えはしない。



 恐怖感はある。そりゃそうだ。でも、それ以上に新しい武器と新しいアイテムの使用感のドキドキが勝っている。

 待ってろよオーク! そんな事を考えながら林へとやって来た。【隠密】【サーチ】を使いオークさ探すとすぐに二体が離れた場所に見つかった。

 それ以外にもサーチに引っ掛かったが距離は離れているので大丈夫だ。





 近くまで近づき、色を確認する。

【濃い緑】じゃん⋯⋯やっぱキツイかったか。でも大丈夫! キュア石と武器がある。自分に言い聞かせ背面へ回り、思いっきり切りつけ、そのまま切り上げる。バックステップをしながら【ソードアロー】を三連続放つ。オークは悲鳴を上げながら此方に振り替えるが、振り替えりに合わせて裏に回り、三連撃を与えると片膝を付くオーク。

 チャンスだ! このまま一気に決めにいく。



 すると、オークと一瞬目が合う。右手の斧を振りかぶる。当たるわけがない。しかし、《ヤバイ》と全身が危険だと知らせる。無理矢理体を止め距離を取ろうとした瞬間、斧が目の前に飛んでくる。

 えっ? 投げるとかあり? と思ったときに避けることも間に合わず、顔に斧が激突する。



 いってーよ⋯⋯顔を触ると血は出ているが、まだ顔はついている。運よく刃の部分が当たったわけではなかった。

 それでも痛い事には変わらない。正面を向くとオークのタックルが迫ってきている。



「どんだけ復帰がはえーんだよ。タフすぎるだろ」



 タックルを横側へ避け、剣を振り上げ隙のある横腹を切りつけるが、斧でガードされる。

「マジかよ」

 タックルは斧を拾うためだったのか。腕力で劣っている為、剣が弾かれる。マズイ!距離を取らねばと思うより早く、今度は俺の横腹に水平に斧が迫る。

 何とか半歩分避けたが、斧は俺の横腹をかすめ、凪ぎ払った斧がそのまま戻ってきて柄の部分でぶっ飛ばされ、木に激突。



「うごっ⋯⋯」



 鈍痛とかのレベルじゃない。たった三発で大ダメージとか洒落にならん。オークにもダメージは与えている為、肩で息をしているが絶対にこっちの方がダメージでかいぞ。

【ソードアロー】で牽制しながら、キュア石を取り出す。使わなくて勝ちたかったぜ。



 ⋯

 ⋯⋯





 あっ。使い方がわからん。ポーション買っておけばよかった。。

 見た目はクリスタルのような感じだ、飲むって事は無いだろう。患部に当ててれば治るのか。当ててみるがひんやりとしただけだ。。

 くそ!



 ならば、なんだ? 何かを唱えるのか?

「回復ー! 治れー! キュアー!」



 ドコッ!



 油断した。タックルをもろに食らった。まだいける。多分骨の何本かはいっている。。やられ過ぎていて痛みにはある程度、体勢が着いたんだろう【SPEED】【スタミナ】を使いダッシュで逃げる。何度も転けたせいで、全身ボロボロだが何とか町までたどり着いた⋯⋯ギリギリセーフ。



「おい! お前大丈夫か? ヒドイ怪我じゃないか! 回復アイテム切らしちまったのか?」



 門番に声を掛けられた。



「い、いえ、キュア石は持っていますが、使い方がわからなくて⋯⋯」



 ビックリした顔はやめて。恥ずかしいから。



「どちらの手でもいいから、握りしめ【キュア】と念じるんだ」



「え? いや、さっきキュアって言ったんですが、何も起きませんでしたよ」



「言うのではない。念じるんだ。すぐ慣れる。やってみろ」



 言われた通りに、キュア石を握り締め、何度か念じてみた。すると体が青く光、全身が回復した。

 ナニコレ? ポーションより回復速度はえーじゃん!



「お、出来たな。もう大丈夫だな?」



「はい! ありがとうございます。」



 お礼を伝え、一度ギルドへ戻る。オークは一人では無理だ。ユキに協力を頼もう。今回は全回復しているし、死にかけたことはバレない。何か上手い事を言って誤魔化せる。ありがとう門番の人!



 ユキの部屋の扉を叩くと「はーい」と言いながら出てきて、俺と目が合うとニコッと笑った。そして、二発だ。二発ビンタされた。こいつ絶対に頭がイカれてる。



「は? お前バカなの? なんでビンタされなきゃなんないの?」



「私言いましたよね。絶対に無理をしないで下さいと」



「おう、聞いたぞ。だからなぜビンタされなきゃならん?」



「ギルドから聞きました。オーク討伐! ボロボロの服! キュア石!」





 ⋯⋯ははっ、バレてーや。
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