38 / 96
第二章
キュア石の使い方
しおりを挟む
前回と同じ失敗をしないように今回は対象のオークの特徴を学んだ。
グレーの色をした顔が豚で身長が2mほど。手には斧を持ち盾は無し。
Ok! 大丈夫。簡単な特徴だ。間違えはしない。
恐怖感はある。そりゃそうだ。でも、それ以上に新しい武器と新しいアイテムの使用感のドキドキが勝っている。
待ってろよオーク! そんな事を考えながら林へとやって来た。【隠密】【サーチ】を使いオークさ探すとすぐに二体が離れた場所に見つかった。
それ以外にもサーチに引っ掛かったが距離は離れているので大丈夫だ。
近くまで近づき、色を確認する。
【濃い緑】じゃん⋯⋯やっぱキツイかったか。でも大丈夫! キュア石と武器がある。自分に言い聞かせ背面へ回り、思いっきり切りつけ、そのまま切り上げる。バックステップをしながら【ソードアロー】を三連続放つ。オークは悲鳴を上げながら此方に振り替えるが、振り替えりに合わせて裏に回り、三連撃を与えると片膝を付くオーク。
チャンスだ! このまま一気に決めにいく。
すると、オークと一瞬目が合う。右手の斧を振りかぶる。当たるわけがない。しかし、《ヤバイ》と全身が危険だと知らせる。無理矢理体を止め距離を取ろうとした瞬間、斧が目の前に飛んでくる。
えっ? 投げるとかあり? と思ったときに避けることも間に合わず、顔に斧が激突する。
いってーよ⋯⋯顔を触ると血は出ているが、まだ顔はついている。運よく刃の部分が当たったわけではなかった。
それでも痛い事には変わらない。正面を向くとオークのタックルが迫ってきている。
「どんだけ復帰がはえーんだよ。タフすぎるだろ」
タックルを横側へ避け、剣を振り上げ隙のある横腹を切りつけるが、斧でガードされる。
「マジかよ」
タックルは斧を拾うためだったのか。腕力で劣っている為、剣が弾かれる。マズイ!距離を取らねばと思うより早く、今度は俺の横腹に水平に斧が迫る。
何とか半歩分避けたが、斧は俺の横腹をかすめ、凪ぎ払った斧がそのまま戻ってきて柄の部分でぶっ飛ばされ、木に激突。
「うごっ⋯⋯」
鈍痛とかのレベルじゃない。たった三発で大ダメージとか洒落にならん。オークにもダメージは与えている為、肩で息をしているが絶対にこっちの方がダメージでかいぞ。
【ソードアロー】で牽制しながら、キュア石を取り出す。使わなくて勝ちたかったぜ。
⋯
⋯⋯
あっ。使い方がわからん。ポーション買っておけばよかった。。
見た目はクリスタルのような感じだ、飲むって事は無いだろう。患部に当ててれば治るのか。当ててみるがひんやりとしただけだ。。
くそ!
ならば、なんだ? 何かを唱えるのか?
「回復ー! 治れー! キュアー!」
ドコッ!
油断した。タックルをもろに食らった。まだいける。多分骨の何本かはいっている。。やられ過ぎていて痛みにはある程度、体勢が着いたんだろう【SPEED】【スタミナ】を使いダッシュで逃げる。何度も転けたせいで、全身ボロボロだが何とか町までたどり着いた⋯⋯ギリギリセーフ。
「おい! お前大丈夫か? ヒドイ怪我じゃないか! 回復アイテム切らしちまったのか?」
門番に声を掛けられた。
「い、いえ、キュア石は持っていますが、使い方がわからなくて⋯⋯」
ビックリした顔はやめて。恥ずかしいから。
「どちらの手でもいいから、握りしめ【キュア】と念じるんだ」
「え? いや、さっきキュアって言ったんですが、何も起きませんでしたよ」
「言うのではない。念じるんだ。すぐ慣れる。やってみろ」
言われた通りに、キュア石を握り締め、何度か念じてみた。すると体が青く光、全身が回復した。
ナニコレ? ポーションより回復速度はえーじゃん!
「お、出来たな。もう大丈夫だな?」
「はい! ありがとうございます。」
お礼を伝え、一度ギルドへ戻る。オークは一人では無理だ。ユキに協力を頼もう。今回は全回復しているし、死にかけたことはバレない。何か上手い事を言って誤魔化せる。ありがとう門番の人!
ユキの部屋の扉を叩くと「はーい」と言いながら出てきて、俺と目が合うとニコッと笑った。そして、二発だ。二発ビンタされた。こいつ絶対に頭がイカれてる。
「は? お前バカなの? なんでビンタされなきゃなんないの?」
「私言いましたよね。絶対に無理をしないで下さいと」
「おう、聞いたぞ。だからなぜビンタされなきゃならん?」
「ギルドから聞きました。オーク討伐! ボロボロの服! キュア石!」
⋯⋯ははっ、バレてーや。
グレーの色をした顔が豚で身長が2mほど。手には斧を持ち盾は無し。
Ok! 大丈夫。簡単な特徴だ。間違えはしない。
恐怖感はある。そりゃそうだ。でも、それ以上に新しい武器と新しいアイテムの使用感のドキドキが勝っている。
待ってろよオーク! そんな事を考えながら林へとやって来た。【隠密】【サーチ】を使いオークさ探すとすぐに二体が離れた場所に見つかった。
それ以外にもサーチに引っ掛かったが距離は離れているので大丈夫だ。
近くまで近づき、色を確認する。
【濃い緑】じゃん⋯⋯やっぱキツイかったか。でも大丈夫! キュア石と武器がある。自分に言い聞かせ背面へ回り、思いっきり切りつけ、そのまま切り上げる。バックステップをしながら【ソードアロー】を三連続放つ。オークは悲鳴を上げながら此方に振り替えるが、振り替えりに合わせて裏に回り、三連撃を与えると片膝を付くオーク。
チャンスだ! このまま一気に決めにいく。
すると、オークと一瞬目が合う。右手の斧を振りかぶる。当たるわけがない。しかし、《ヤバイ》と全身が危険だと知らせる。無理矢理体を止め距離を取ろうとした瞬間、斧が目の前に飛んでくる。
えっ? 投げるとかあり? と思ったときに避けることも間に合わず、顔に斧が激突する。
いってーよ⋯⋯顔を触ると血は出ているが、まだ顔はついている。運よく刃の部分が当たったわけではなかった。
それでも痛い事には変わらない。正面を向くとオークのタックルが迫ってきている。
「どんだけ復帰がはえーんだよ。タフすぎるだろ」
タックルを横側へ避け、剣を振り上げ隙のある横腹を切りつけるが、斧でガードされる。
「マジかよ」
タックルは斧を拾うためだったのか。腕力で劣っている為、剣が弾かれる。マズイ!距離を取らねばと思うより早く、今度は俺の横腹に水平に斧が迫る。
何とか半歩分避けたが、斧は俺の横腹をかすめ、凪ぎ払った斧がそのまま戻ってきて柄の部分でぶっ飛ばされ、木に激突。
「うごっ⋯⋯」
鈍痛とかのレベルじゃない。たった三発で大ダメージとか洒落にならん。オークにもダメージは与えている為、肩で息をしているが絶対にこっちの方がダメージでかいぞ。
【ソードアロー】で牽制しながら、キュア石を取り出す。使わなくて勝ちたかったぜ。
⋯
⋯⋯
あっ。使い方がわからん。ポーション買っておけばよかった。。
見た目はクリスタルのような感じだ、飲むって事は無いだろう。患部に当ててれば治るのか。当ててみるがひんやりとしただけだ。。
くそ!
ならば、なんだ? 何かを唱えるのか?
「回復ー! 治れー! キュアー!」
ドコッ!
油断した。タックルをもろに食らった。まだいける。多分骨の何本かはいっている。。やられ過ぎていて痛みにはある程度、体勢が着いたんだろう【SPEED】【スタミナ】を使いダッシュで逃げる。何度も転けたせいで、全身ボロボロだが何とか町までたどり着いた⋯⋯ギリギリセーフ。
「おい! お前大丈夫か? ヒドイ怪我じゃないか! 回復アイテム切らしちまったのか?」
門番に声を掛けられた。
「い、いえ、キュア石は持っていますが、使い方がわからなくて⋯⋯」
ビックリした顔はやめて。恥ずかしいから。
「どちらの手でもいいから、握りしめ【キュア】と念じるんだ」
「え? いや、さっきキュアって言ったんですが、何も起きませんでしたよ」
「言うのではない。念じるんだ。すぐ慣れる。やってみろ」
言われた通りに、キュア石を握り締め、何度か念じてみた。すると体が青く光、全身が回復した。
ナニコレ? ポーションより回復速度はえーじゃん!
「お、出来たな。もう大丈夫だな?」
「はい! ありがとうございます。」
お礼を伝え、一度ギルドへ戻る。オークは一人では無理だ。ユキに協力を頼もう。今回は全回復しているし、死にかけたことはバレない。何か上手い事を言って誤魔化せる。ありがとう門番の人!
ユキの部屋の扉を叩くと「はーい」と言いながら出てきて、俺と目が合うとニコッと笑った。そして、二発だ。二発ビンタされた。こいつ絶対に頭がイカれてる。
「は? お前バカなの? なんでビンタされなきゃなんないの?」
「私言いましたよね。絶対に無理をしないで下さいと」
「おう、聞いたぞ。だからなぜビンタされなきゃならん?」
「ギルドから聞きました。オーク討伐! ボロボロの服! キュア石!」
⋯⋯ははっ、バレてーや。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる