俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

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第二章

癒しの風景

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 昼前には、ラゴーデンスに着いた。
 ついて思った事を率直に言うなら、《綺麗な町》だ。小川に掛かる石橋とか初めて見たけど、ワクワクした。スマホあったら絶対に撮ってる。
 町の中に、二本の小川が流れていて、大小様々な石橋が掛かっていた。小川では子供たちが水遊びをしている。こういうの好きだな、俺は。

「なんですぐにニヤニヤするんですか?  気持ちわるっ」

「ニヤニヤしてねーよ!  微笑んでるんだよ。言わせんな恥ずかしい」

「ヒデさんの場合、違いがよくわかりませんけど」

 この子俺の事どう思ってんだろう。

「⋯⋯。そーいや町についたら聞こうと思ってたんだけど、なんで昨日はあと一日で着くってわかったんだ?  同じコンパス見ながら歩いてただけたのに。目印になるようなもんあった?  それとも、俺が知らないだけで分かる方法が用意されているのか?」

 は~。っと、ため息をつき

「前にも言いましたがマナーですよ⋯⋯。まー、ヒデさんの場合なにも知らないので仕方ないですけど、私のスキルでわかったんでよ。他の人には喋らないで下さい」

 なんだろうね。軽くバカにされてる感じ。

 だからだろうな。

 素直な君の方が素敵だ。と、イケメンを装ってしまったのは。

 ⋯。
 ⋯⋯。

 ビンタを食らった。痛い⋯⋯冗談が通じないのか?

 確実に俺の方がダメージが大きいのに、ユキは無言で歩き始めた。仕方なく後ろをついていく。
 絶対に理不尽!

 ***

 無言でユキについて行きながら回りを観察すると心がなごむ。小川っていいね!
 やって来たのは宿屋。アイテムも売ってる、混合店舗みたいだ。とりあえずカウンターでそれぞれ別の部屋を一泊取る。一泊30kとサクビラと同額だった。宿屋は一律の金額なのかね?

「そーいえば、この町にはギルドはないのか?」

「無いですよ。どこの町にもある訳じゃないです」

 やっと口を開いたと思えばぶっきらぼうに返ってきた。理不尽だ。

「明日はここに、10時に待ち合わせします。では」

 と、スタスタと部屋へと向かっていった。
 ここからは俺のターン!ポーションを購入を選択。近場で狩りに向かう!

 こんな早い時間だ。ポーションを買えさえすれば余裕だ。ギルドも無いのであれば周辺にはたいしたモンスターもいないのだろう。
 東の方にうっすら見える林とか超それっぽいし、ポーションを購入し終えて、意気揚々と林へと繰り出した――――


 いい加減、大人になることを覚えるべきだったと後悔している。
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