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第一章
キュアの使い方
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ディグナルトへ出発してから一ヶ月半は経とうとしている。正直言って歩くことに飽きた。
スキルを使えれば早く着くだろうが、道中何があるか分かったもんじゃない。急に強敵に出会いその時にスキル切れを起こしてたなんて言ったらマヌケだ。
最初のうちは新たなスタートにテンションも上がっており、会話も盛り上がっていた。しかし、次第に会話も減り、今ではほぼ無言でユキと歩いている。
会話をするとしたら、モンスターを、見つけた時に『スイッチ』、あとは『ちょっと休もう』『そろそろ寝床を探そう』くらいなもんだ。
本当に道中は田舎道で何もない。唯一の助けは【キュア】で体が綺麗になっていることくらいだ。それもこの旅で初めて知った。
ユキから
「ヒデさん髪の毛死んでますよ」
「仕方なくないか? 体は濡らしたタオルで拭けるが、頭の為に水を使うのは勿体無いし。一応タオルで拭いてはいるんだけどな」
「え? キュア使ったらいいじゃないですか?」
「いや、あれは回復スキルじゃん。ってかそもそも使えないし。使えないから過去に何度か死にかけてたわけだし」
「は? 回復と浄化は別ですよ。青く光るのが回復。黄色く光るのが浄化です。まー気持ち的には綺麗になった感じはしませんが。物理的には綺麗になってますよ」
全くもって謎過ぎた。んじゃ、僧侶はどうするのか?と聞けば意識で切り替えられるらしい。
長旅をする上でキュアは基本中の基本だとか。。。
いつも思うけどマジでこの世界は不親切だ。【冒険者の基本】みたいな本出せばいいのに。
「あ、言いわすれてましたけど、あと一日も歩けば着きますよ」
「どこに?」
「ディグナルトとの中間の町【ラゴーデンス】です」
ハイ!出ました。お得意の、この世界常識が。
でも、知らないことはちゃんと聞いておかないとな。
「なにその町?」
「えー。またですか? 中間にある田舎町ですよ。ディグナルトへ行くのに三ヶ月もかかるんですよ。食料がそこをついちゃうじゃないですか?」
「森や川でご飯を見つけるものだと思ってたけど」
「いつの時代の人ですか⋯⋯」
現代っ子だよ!ここよりハイテクな生活を送ってたわ!
勿論そんなことは言えないので、トボトボと歩くことにする。あと一日歩けば、お風呂に入れる。布団で寝てる。
⋯⋯頑張ろう。
スキルを使えれば早く着くだろうが、道中何があるか分かったもんじゃない。急に強敵に出会いその時にスキル切れを起こしてたなんて言ったらマヌケだ。
最初のうちは新たなスタートにテンションも上がっており、会話も盛り上がっていた。しかし、次第に会話も減り、今ではほぼ無言でユキと歩いている。
会話をするとしたら、モンスターを、見つけた時に『スイッチ』、あとは『ちょっと休もう』『そろそろ寝床を探そう』くらいなもんだ。
本当に道中は田舎道で何もない。唯一の助けは【キュア】で体が綺麗になっていることくらいだ。それもこの旅で初めて知った。
ユキから
「ヒデさん髪の毛死んでますよ」
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全くもって謎過ぎた。んじゃ、僧侶はどうするのか?と聞けば意識で切り替えられるらしい。
長旅をする上でキュアは基本中の基本だとか。。。
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「どこに?」
「ディグナルトとの中間の町【ラゴーデンス】です」
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でも、知らないことはちゃんと聞いておかないとな。
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「えー。またですか? 中間にある田舎町ですよ。ディグナルトへ行くのに三ヶ月もかかるんですよ。食料がそこをついちゃうじゃないですか?」
「森や川でご飯を見つけるものだと思ってたけど」
「いつの時代の人ですか⋯⋯」
現代っ子だよ!ここよりハイテクな生活を送ってたわ!
勿論そんなことは言えないので、トボトボと歩くことにする。あと一日歩けば、お風呂に入れる。布団で寝てる。
⋯⋯頑張ろう。
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