俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

文字の大きさ
上 下
25 / 96
第一章

キラキラ

しおりを挟む
 どうしてこうなった―――


 それしか言葉が出てこない。いや、なんとなく想像は出来た。
 ただ、テンションがあがってしまっていたのだ。

 ポーションが使い物にならない、薬草売るんじゃなかった。ポーションを買ったら薬草いらないと思うだろ。

 ちょっとばかし無理をして戦闘すれば傷を負うことになる。そしたらポーションの出番だ!
 キラキラキラっと瞬時に傷が回復し、感動を覚える!これをしたかったのだ。

 そのためなら無理をするだろう?強いモンスターを倒せばその分、良い素材が手に入るし、スキルだって覚えやすくなる。雑魚モンスターをいくら狩ってもスキルはなかなか覚えられるもんじゃない。

 意気揚々と森に入り、サンダーベアの5匹の群れを発見する。普段ならまず逃げる。サンダーベアは動きが鈍足な為、たとえ群れていてもある程度の距離が離れていれば逃げるのはたやすい。
 戦う上では、群れには必ずリーダーがおり。リーダーは頭一つ強く要注意モンスターだ。

 一度スキルを発動させるとクールタイムがあり、スキルによって一定回数を使用するとしばらく使えなくなる。その為、スキルを発動するタイミングを考えながら戦わなくてはならない。

【隠密】で近づきリーダーを背後から切りつける。切りつけた瞬間に周りの4匹のこちらに気づく。即座に【ソードアロー】を連続で繰り出し牽制を図る。

 リーダーが雄たけびを上げながら腕を振り下ろしてくる。【ゴースト】を発動させ、錯覚させている間に後ろに回り水平切りを放ちさらにダメージを稼ぐ。
 その間に距離を詰めてくる4匹に対し再度【ソードアロー】を繰り出す。

 相手も雑魚では無い、流石に2回目の【ソードアロー】を2匹には避けられ、距離を詰められる。1匹目の攻撃はサイドステップで避け顔面を切りつけ、2匹目の攻撃は懐に入り込み切り上げる。その瞬間に後ろからのリーダーの攻撃を確認し、再度サイドステップでかわし合い打ちさせる。
 これにより1匹を倒すことに成功。あと4匹だ。

 どうやら【ソードアロー】を二連続で食らった2匹は雄たけびを上げるだけだ。同じサンダーベアの中でも戦いには慣れていない様子だった。ならば、後回しで言いただろうと考えたのが失敗だった。

 リーダーともう1匹に振り返った瞬間に、後方の2匹に地面に落ちていた石を投げられ、避けたところをリーダーともう1匹の同時攻撃がくる。流石に片方は避け切れず左腕に激痛が走る。

 バックステップで一度距離を常備していたポーションの3/1を左腕にかける。
 キラキラキラ~!
 とはならず回復しない⋯⋯。


 嘘でしょ?なんで?
 量が足りなかったか?この状況ではゆっくりもしていられない。思い切って残りもかけるが、回復しない⋯⋯
 買い間違えた?いや、ポーションくださいといったはず⋯⋯、ってことは偽物?
 最後の願いを込めて、もう1個のポーションを急いで全てかける。

 ⋯⋯⋯?


 それは無いって!!マジで!!2本で40kもしたんだぞ。
 その瞬間、ゴンと鈍い音がすると右目が見えなくなった。何が起きたのか理解が追いつかない。
 触ると額から流れた血が目にかかっていることがわかった。足元には拳大の石。石を投げられたのか?マズイ!
【ソードアロー】を連続で出すが、距離感がつかめず誰にも当たらない。マズイ!

 逃げるしかない。念のため残しておいた【スタミナ】と【SPEED】を使えばこの距離からなら、まだ逃げられる。
 そう思いスキルを唱えようとした瞬間。雷に打たれる。。。嘘だろ?
 よく見ると倒したと思っていた1匹は、かろうじて生きていた。クソッタレ!!

 意識が飛びそうになるが、グッとこらえスキルを発動する。
 しかし来た道のほうには5匹いる為、逆にしか逃げられない。ここにいるよりかはマシだと考え、この場から離れることを第一に考え走る。 

 ダメージがデカ過ぎたため、スキル効果時間は減少しており目に止まった洞窟へ何とか逃げ切る。

 マジでどうしてこうなった⋯⋯
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

処理中です...