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カイルが何故今日居るのかを聞こうと思っているとお父様が真面目な顔になった。


「カイル殿下もうそろそろ本題に入りましょうか」


「そうだな、、、リア話しが有る」


ん?カイルが真面目な顔をして話しかけてきた為、私も姿勢を正した。


「僕も聞いても良いでしょうかカイル殿下」


「ああ良いぞ、スクイズにも聞いてもらおう」


「有難うございます」


皆でソファーに座りカイルの話しを聞いた。


「先ずは単刀直入に言う、ジル・ホープの家族を隣国フラディー国に迎えに行く」


えっ?ジルってフラディー国の人だったんだ他国の人をこの国に連れて来るのって簡単な事なの?
前世では国籍を取得するのは色々と手続きが必要で中々難しい事だと思っていたけど、
この世界では簡単に出来る事なの?


そんな疑問を抱きつつカイルの話しの続きを聞く。


「その手続きをスムーズに行うために私自ら出向く事になった」


カイルの話しでは国を移る事はそんなに難しい事では無いがそれは平民に限られる事で、
貴族では国王の許しが無いと難しいと言うのだ。

でもジルの両親は平民だがジルが神殿に勤める事により家族皆神殿預かりになったと言う。


神殿預かりになると平民だが国を移るのは色々と厄介な手続きが必要になる、
その為皆諦めてそのまま国を移るのを諦めてしまうみたいだ。


神殿側の表の理由は苦しい民に住まいを与え快適な生活を送れる神殿は人の拠り所、
出て行くのは神殿を裏切る事で罪深き事と言われる。

そんな事を気にせずに出て行けば白い目で見られ生きていくのに困難になる。


しかし裏の顔の神殿側は神殿送りの者を用意し、
その者を人質として言う事を聞かせる。


言う事を聞かなければその者が如何なっても知らないぞと脅しをかけ人質の家族を働かせる事だと言う。


「ひどい、、、」


思わず私は言葉を発していた、
そしてあの時ジルは(騙された)と言っていた事を思い出しこういう事だったんだと思った。


「我が国も色々と手を打ち神殿への受け入れを拒んでいるが、
 中々巧妙な手を使う者がいて対処が間に合っていない。

 無理に断る事になればその者達やその者に関わっている者に危害が及ぶ可能性がある、
 国同士の問題も有り強く出る事が出来ないでいる、すまんなリア。

 リアにはまだ汚い世界には触れさせないでいようと思っていたんだが、、、」


カイルが悲しい顔で私に微笑んだ。


カイルも辛い立場、ましてや国王の子供、皇太子で有り次代の国王となる身、
まだ10歳にも満たない子供なのに重荷を背負っている。


「カイルがあやまることはないよ、フラディーこくのこくおうさまがいけないんだよ、
 きちんとしないからふこうなひとがうまれるんだよ!」


「嫌リア、フラディー国の国王は悪い人では無いぞ、しっかりした方だ」


「でもいちばんえらいひとがしっかりしていないから、ジルみたいにじゆうになれなくて、
 くるしんでいるひとがうまれるんでしょ?こくおうさまがわるいよ」


カイルは困った顔をしているけど私間違っているかな?


「アムル落ち着いて、カイルが困っているよ、
 アムルの言う事も合っていると思うけどフラディー国の国王様もきっと何か考えがあるんだよ、
 証拠が無いのに頭ごなしに悪い人って決めてはいけないよ」


「そうよーアムルちゃん、きちんと調べて証拠を掴んで逃げれない用に追い詰めてから裁かないと、
 不充分では確実に仕留められないわー逃げられたら面倒くさいじゃない。
 ねぇーダレス、ふふっ」


「そうだねアリシア、証拠さえあれば如何にでも出来る」


えっと、、、お兄様もお母様もお父様も凄く悪どい顔になっておりますけど、、、
少しフラディー国の国王様に悪い事言っちゃったかな?
標的になってしまったらごめんなさい。














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