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14(メリー視点)

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ピリオ皇子御一行様がご主発した後アムルリア様の熱が更に上がりお医者様を呼び夜同士の看病をしました。

その間にも第1皇子がアムルリア様をお見舞いにいらしたりと時間が過ぎるのが早く感じましたが、
ジョーンもピリオ皇子の護衛に出ているのでアムルリア様に専念出来た事も良かったのか、
アムルリア様の熱も引き段々と元気を取り戻し予定通り明日にはバカンスに行けるまで回復しました。


そんな夜をアムルリア様の部屋で過ごしていると王宮内が騒がしくなっている事に気が付き、
何か会ったのか?と思いスヤスヤと眠るアムルリア様を残し静かに部屋から出ると、
急ぎ足でアムルリア様の部屋に向かって来る人影があり、近付いて来る人影に警戒していると、
第1皇子とジョーンでした、何故ジョーンがここに!?
私は直ぐにピリオ皇子に何かあったのではないかと思い駆け寄りました、


「メリーアムルリアはいるか?アムルリアと一緒に急いで城を出る準備をしろ!」


「皇子何があったのですか!?」


「今話している時間が無い、急げ!」
私は不安に成りジョーンを見た、ジョーンも頷くだけで何も言わなかった。



私は皇子に頭を下げると直ぐにアムルリア様の部屋に入り準備をし、
準備が整いアムルリア様をみるとスヤスヤと眠っていた、このまま寝かして置いて上げたいのだけど時間が無いので、アムルリア様を優しく起こしました。


「アムルリア様起きて下さい出掛ける準備をしましょう」


「んっう~ん、、、ふあぁ~」


「アムルリア様失礼致しますね、お着替えさせて頂きます」


「んぅ~」

アムルリア様は目を両手でコシコシと擦ってまだ眠いみたいだけど私は素早く着替えさせていき、
部屋のドアを開けると第1皇子とジョーンが待っていました。
ジョーンが素早く失礼致しますねと言いアムルリア様を抱っこし、


馬車の何処まで行き乗りこもうとした時に、

「ジョーン、メリーお前達に酷な頼み事をしているのは分かっている、
 だがお前達にしか頼む者がいない申し訳無い」


「勿体無いお言葉です、
 私がいながらピリオ皇子、皇子妃、ご子息様を護れずどんな償いをしたとしても許されません」


「いや私にその罪は有る、注意していたのにこの始末だ、アムルリアにも恨まれても仕方無いと思っている、
 アムルリアに会えるのはこれが最後かも知れないな、、、
 良く寝ているピリオに似ているな」

と第1皇子は目を細め愛しくアムルリアの髪を撫で頭にキスを落とした、名残り推しそうに手を離すと


「ジョーンこれを」

とジョーンにロケット型のネックレスを渡した。


「渡すか渡さないかはお前達に任せる、
 ジョーン・ダグクリス!メリー・ダグクリス!忠義であった!行け!」


「御意!皇子様のご武運をお祈り致します!」
とジョーンと私は深く礼をしアムルリア様を連れ素早く馬車に乗りこみました。


「ジョーン、何が有ったのです?貴方は1人で戻って来られました、ピリオ皇子様方は、、、」


「話すメリー今から落ち着いて聞いてくれ」
ゴクッと唾を飲み込みスカートを両手で握り締め、覚悟を決めてジョーンに頷いた。


「私達は城を出て辺境領に無事付いた、ピリオ皇子も皆様道中アムルリア様を気に掛けていらして、
 視察も無事に終わり、なるべく早くアムルリア様の元に行こうとしていたんだ、その道中に盗賊が出たんだ」


「あの辺りで盗賊?此処!?何年も出ていないと聞いています、おかしいでは無いですか!」


「そうだ私達皆何か変だと思った、誰かにはめられたと、
 私達は盗賊と戦ったのだが、多勢に無勢で1人又1人と倒れて言った、、、クッ!
 そして気付いた時にはピリオ皇子達は、、、
 盗賊達は誰かを探しているみたいで居ないと分かると逃げて行った。
 私はまだ息の有る者を探しピリオ皇子がまだ息が有るのが分かり急いで手当て使用としたのだが、、、
 傷を見た途端もう手遅れと思ってしまったんだ、ピリオ皇子もそれが分かっているらしく、
 最後に私に命令を与えた」



「ジョーン、私はもう駄目だ、、、盗賊が、、、探していたのは、、、きっとアムルリアだ、グフッ
 ジョーン頼む、、、私の最後の命令だ、、、アムルリアを、、、アムルリアを守ってくれグフッ!グフッゥ!」


「はい、命に変えましても、必ずお守り致します」


「有り難う、、、この手紙を、、、兄上に、、、ジョーン、急いでくれ、、、
 アムルリア約束を守れ無かった父を許しておくれ、、、、、、、、」


「クッ!申し訳御座いませんでしたピリオ皇子、必ずアムルリア様はお守り致します」




ジョーンはとても辛そうにピリオ皇子達の最後を話してくれた。


「私に命令を残し息を引き取られたんだ、私は直ぐに城に戻り第1皇子にピリオ皇子の事を話した、
 そして手紙を読み皇子は急いで国を出ろと申されたんだ」


「それでこれから何方へ行かれるのですか?」


「バルワーク国、ダレス・テレジョン大公家だ」


「私はアムルリア様が無事に過ごせる場所でしたら何処へでも行きます、
 もちろんジョーン貴方とも一緒にです」


「ああ必ず」
ジョーンはグッとペンダントを握り締めた。



私とジョーンは何も知らずにスヤスヤと眠るアムルリア様を連れ国を出ました。




 
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