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2章 過去を暴露しよう
020 初めての誕生日パーティー
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ー11月2日の夜のことである。
☆森羅万象side☆
オレはいま、夕食を食べ終わって部屋に戻っている最中だ。
いつもなら騒がしい近所組と一緒だが、大広間にいなかった。
オレは部屋にたどり着いた。
気をつけてドアを開けるべきだったと後から後悔する。
ガチャっ
ドアが開いた瞬間、クラッカーがなり大声が響いた。
「「お誕生日おめでとうー!!!」」
「っ!?」
オレは驚きすぎて思わず奇声を上げてしまった。
「………? どした?」
天然顔をして暇柱が問う。
「いや別に」
彼方に目を向ける。
去年もやったのに、こんな気持ちになるなんて。
オレのキャラじゃねーのにな。
………豚箱に残してきた弟は元気にやっているだろうか?
反省しているだろうか?
「はいはい、早く入ってー」
みんなが捌けて部屋に入った。
「そうだケーキがあるんだ」
「A、主役は万象なんだからそんなに食べちゃ駄目だよ」
「それ暇柱が言えることじゃないわよね?」
夜久がツッコむ。まあ、それもそうである。
「今回は夜久ちゃんが選んでくれたのよ、万象くん」
Anneが言った。
「えーそーなのー?」
「何よその棒読みは」
夜久が文句を言いたげな顔で問う。
「夜久ってオレの好み知ってるのかなーと思って」
「知りたくなくても分かっちゃうもんなのよ」
「さて、今回のケーキは………フルーツケーキでーす!」
実はオレはマスカットが大好きなのである。
このケーキ、色々フルーツはあるが最も多いのはマスカットだ。
………ヤバい、マジで知っているのか。
「夜久………正解」
「やっぱり。前デザートでマスカットが出たときのあんたの目、異常だったのよ」
見ていたのか、夜久。
オレはお前の好きなものなんて知らないのに。
「………本当に好きなものを見る目ってこんなにギラギラしているんですね、中佐さん」
「ここで俺に話題を振るな。どう答えればいい」
ギラギラの意味を履き違えているが、訂正はしない。
呆れる係にコウスケも加わりかけている瞬間であった。
「万象くんはどのジュースがいいですか?」
宣浩が目の前にドンドンドンと3種類のジュースとグラスを置いた。
リンゴとグレープとオレンジだ。
「んじゃグレープで」
「了解です」
彼は、危なげない手つきで並々とグレープジュースを注いだ。
「みんな座ってー。ケーキが入るよ」
英華はケーキのロウソクに火をつけてから電気を消した。
14という数字が躍り近づいてきて、みんなが手を叩きながら歌い始めた。
ケーキは無事テーブルに置かれ彼女の手から離れた。
「さぁ、今回の主役・万象にロウソクの火を消してもらいましょう!」
とコウスケが言いみんなが拍手をした。
「うぇーい」
オレはフーッと一気にロウソクの火を吹き消した。
歓声が上がった。
ガラじゃないことは分かっている。しかし………水滴が。
「手伝ってくれたみんなへの感謝と万象の14歳ライフが楽しいものようになることを祈って乾杯します。
みなさんグラスを持って?」
全員がグラスを持ったことを確認し、コウスケは自分のグラスを掲げた。
「かんぱーい」
「「「「「かんぱーい」」」」」
全員とグラスを当てるとオレはグレープジュースを飲んだ。
「さてさて、14歳になった感想は?」
Aに話しかけられる。
「感想も何も、特に変わってないだろ」
「いやまあそうですけども」
「じゃあ抱負ない、万象?」
暇柱は肯定するが、Aが抱負を問う。
「はあ? ねえよ」
「仕方ないので俺がケーキを切る」
中佐さんがナイフをキラリと上に投げて華麗にキャッチする。
拍手が巻き起こった。
「は~い先に召し上がれ~」
「おう、さんきゅサクラ」
大好物のマスカットを頬張る瞬間は幸せであった。
オレは、この面を外す気はない。
また悲惨な事件を引き起こす可能性があるからだ。
諸悪の根源を生み出したことに対しての自戒も含まれているが。
悪いことをした。
早く戻って謝りたい。
☆森羅万象side☆
オレはいま、夕食を食べ終わって部屋に戻っている最中だ。
いつもなら騒がしい近所組と一緒だが、大広間にいなかった。
オレは部屋にたどり着いた。
気をつけてドアを開けるべきだったと後から後悔する。
ガチャっ
ドアが開いた瞬間、クラッカーがなり大声が響いた。
「「お誕生日おめでとうー!!!」」
「っ!?」
オレは驚きすぎて思わず奇声を上げてしまった。
「………? どした?」
天然顔をして暇柱が問う。
「いや別に」
彼方に目を向ける。
去年もやったのに、こんな気持ちになるなんて。
オレのキャラじゃねーのにな。
………豚箱に残してきた弟は元気にやっているだろうか?
反省しているだろうか?
「はいはい、早く入ってー」
みんなが捌けて部屋に入った。
「そうだケーキがあるんだ」
「A、主役は万象なんだからそんなに食べちゃ駄目だよ」
「それ暇柱が言えることじゃないわよね?」
夜久がツッコむ。まあ、それもそうである。
「今回は夜久ちゃんが選んでくれたのよ、万象くん」
Anneが言った。
「えーそーなのー?」
「何よその棒読みは」
夜久が文句を言いたげな顔で問う。
「夜久ってオレの好み知ってるのかなーと思って」
「知りたくなくても分かっちゃうもんなのよ」
「さて、今回のケーキは………フルーツケーキでーす!」
実はオレはマスカットが大好きなのである。
このケーキ、色々フルーツはあるが最も多いのはマスカットだ。
………ヤバい、マジで知っているのか。
「夜久………正解」
「やっぱり。前デザートでマスカットが出たときのあんたの目、異常だったのよ」
見ていたのか、夜久。
オレはお前の好きなものなんて知らないのに。
「………本当に好きなものを見る目ってこんなにギラギラしているんですね、中佐さん」
「ここで俺に話題を振るな。どう答えればいい」
ギラギラの意味を履き違えているが、訂正はしない。
呆れる係にコウスケも加わりかけている瞬間であった。
「万象くんはどのジュースがいいですか?」
宣浩が目の前にドンドンドンと3種類のジュースとグラスを置いた。
リンゴとグレープとオレンジだ。
「んじゃグレープで」
「了解です」
彼は、危なげない手つきで並々とグレープジュースを注いだ。
「みんな座ってー。ケーキが入るよ」
英華はケーキのロウソクに火をつけてから電気を消した。
14という数字が躍り近づいてきて、みんなが手を叩きながら歌い始めた。
ケーキは無事テーブルに置かれ彼女の手から離れた。
「さぁ、今回の主役・万象にロウソクの火を消してもらいましょう!」
とコウスケが言いみんなが拍手をした。
「うぇーい」
オレはフーッと一気にロウソクの火を吹き消した。
歓声が上がった。
ガラじゃないことは分かっている。しかし………水滴が。
「手伝ってくれたみんなへの感謝と万象の14歳ライフが楽しいものようになることを祈って乾杯します。
みなさんグラスを持って?」
全員がグラスを持ったことを確認し、コウスケは自分のグラスを掲げた。
「かんぱーい」
「「「「「かんぱーい」」」」」
全員とグラスを当てるとオレはグレープジュースを飲んだ。
「さてさて、14歳になった感想は?」
Aに話しかけられる。
「感想も何も、特に変わってないだろ」
「いやまあそうですけども」
「じゃあ抱負ない、万象?」
暇柱は肯定するが、Aが抱負を問う。
「はあ? ねえよ」
「仕方ないので俺がケーキを切る」
中佐さんがナイフをキラリと上に投げて華麗にキャッチする。
拍手が巻き起こった。
「は~い先に召し上がれ~」
「おう、さんきゅサクラ」
大好物のマスカットを頬張る瞬間は幸せであった。
オレは、この面を外す気はない。
また悲惨な事件を引き起こす可能性があるからだ。
諸悪の根源を生み出したことに対しての自戒も含まれているが。
悪いことをした。
早く戻って謝りたい。
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