【休載中】マジエ王国育成計画

ルリコ

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1章 召喚先でも仲良く

017 ハロウィンパーティー 後編

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 この14人の行動はだいたい3パターンに分けられる。

 1つ目、ただ食べまくる。A、暇柱、万象、宣浩などが含まれる。
 前者3人と宣浩は大きく違うが。

 2つ目、誰かと喋る。Anneとサクラと英華、補佐役たちが含まれる。
 あの3人、昨日も喋ってたけどいつ仲良くなったのだろうか。

 3つ目、その他。夜久は寝てるし中佐さんはいつの間にかどこかへ消えた。


 するとどうだろう。僕の選択肢は2つしかない。

 1つ目、食べまくる。
 パーティーなのにボッチ気分を味わいたくはない。よって却下。

 では2つ目、Anneたちの話に入る。
 あれビフテキくんは? と思われるかもしれないが、既に彼は食べまくるグループに入ってしまっている。
 この短時間で手遅れに!
 だからこの3人の話に入るしかないのだ。

「ねえ………」
「どうしたのコウスケさん」
「いやあ………」

 ボッチだとは言えない。恥ずかしい。

「それは虚しいねえ」
「止めてあげなさい」
「ちょっと待って、分かるの?」
「「まあ………」」

 Anneと英華にはバレた。それも一瞬で。

「どゆこと? コウスケさん?」
「分かんなくていいよ………で、なんの話してたんだ?」
「全国区でハロウィンin学校率」
「サクラ、それじゃ分からないよ」

 ハロウィンに関するイベントが学校内で生徒、先生含めて行われていたか、を話していたらしい。
 端的すぎてわからん。

「あ~なるほど」
「英華とサクラの出身小学校と中学校は、生徒がやっていたそうよ。私の学校は活発ではなかったわ」

 Anneの学校って、頭よかったんじゃないか?

「僕のところはヴァレンタインのほうが盛んだったからあんましだったな」
「ヴァレンタイン。それは女性が男性に想いを伝えるイベントである」
「なんで説明口調」
「日本の百貨店がつくったと言われている。当時は女性の社会的地位が低く、告白しずらい社会情勢が背景にあった」
「コウスケくんまで?」
「………私は思いつかないわ。よく知っているね」

 このハンバーグ美味いな。


〈それでは、いまから皆さんお待ちかね、プレゼント交換を始めます!〉


 駄菓子なんかでは満足してもらえないのは目に見えている。
 ご近所組に確認したほうがよかったか。
 いやここで嫌われるならいっそいいかも。
 もう前の生活に戻れない。ぼっち生活に戻るなら………。


 みんなはプレゼントの順番を決めるために話し合っている。

「もうじゃんけんでよくね?」
「いや、ボクやっすいのは嫌だから」
「A、強情だなあ」
「早く決めてよね」
「そもそもどれが安いかなんて分からないでしょ」
「それは………そうなんだけど」
「そうだぜ? オレはもう安いの買ってるから意味ねーけどな」

 高笑いする万象にA、夜久、英華がむっとする。
 分かるけど落ち着こうよ。

「やっぱじゃんけんなしで」
「同意する」
「うんうん、だよね!」
「決まんないじゃーん。どうするのー」
「めんどくさい人たち」

 サクラがぼそっと言っている。
 Anne介入してくれないかな? 僕は介入したくないんだけど。

「ねえAnne、どうにかしてー」
「分かったわ暇柱。………A、夜久、英華。じゃんけん以外なら何がいいって言うの? 代替案は?」
「「「うっ………」」」

 ないらしい。

「ないならじゃんけんでいいわね?」
「「「はい………」」」
「さすがAnne! ありがとう」
「どういたしまして」
「そんじゃ、じゃんけんな! 勝った人から1番、2番で。いいな?」

 全員が同意したのを確認し、合わせてじゃんけんの掛け声をかける。

「「最初はグー、じゃんけんポイっ!」」

 5回繰り返した結果………。

 サクラ、夜久、万象、Anne、A、暇柱、僕、仲佐さん、英華、宣浩の順になった。


 中身は………ゴソゴソ。
 ん? シャーペン………。
 これをプレゼントに選ぶなんて2人しかいないな?
 誰って、Anneか中佐さんだよ。
 まぁいいか。ありがたく使わせて頂こう。

「プレゼントは何だったんですか?」
「シャーペン」
「何ですか、それ?」
「書くためのものだよ、って王都で売ってるんじゃないの?」
「ここの購買じゃないですか? 生徒が勝手に作ってもいいらしいですし。それ地球のものなのでしょう?」
「よく分かったね」
「僕が知らなかったら大概が外のものですよ」

 やっぱりビフテキくんは金持ちの家で育ったんだろうな。
 世界のものは全部知っていると言えるんだから。

「ビフテキくんって貴族なの?」

 少し顔が歪んでいる。
 貴族に恨みでも? ………地雷じゃないよね。

「………いえ違いますよ?」

 まあいいや。
 ビフテキくんが平民だろうが貴族令息だろうがどちらでも。


 それにしても僕の安安駄菓子は誰に渡ったんだろう。
 夜久だとわりとマジで怒ってきそうだな、うん。

 結論からいうと、暇柱に渡ったようだった。彼は怒らなかった。
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