地球神の異世界創世記

黒谷

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第二部【ダンジョン創成編】

第十話【神様の一部】

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「スキル《十二天 じゅうにてん》発動。」


スキルを発動させるとやはり戦闘力が上がった気がする。
この体はもともと僕のものではなく、神としての力は全く使えないので、移動も戦闘も本当にこのスキルだよりなんだ。
だからと思ってまず発動させた時に身体能力が上がるように仕掛けた。


この仕組みを採用してるのは《王系》スキル以上のランクの能力のみ。
数的に言ったら30個くらいかな。
もちろん僕が作ったあと一つのスキルにも備えてある。


「な、存在感が2倍ほどに膨れ上がった!?」


魔王くんが驚いている。
まぁそれもそのはず。
僕の纏ってるこの黒い禍々しいオーラは魔王くんの纏ってるソレと一緒だからね。


「僕の《閻魔》と全く同じ能力なのか…?」


どうやら考察タイムに入ってしまっているよう。
少し聞こえてきた魔王くんの予想は合っていて間違っているかな。


正確に言うと、僕の能力の『一部』の能力とほぼ同じ。
そう、《十二天じゅうにてん》はその名から分かる通り12個の能力をひとつにぎゅっと纏めたスキルなんだ。


その中の《閻魔モード》を発動したために、彼と一緒の状況になってるってわけ。


もちろん魔王くんが使っていないもうひとつの能力も何なのか分かっている。
元々僕の能力なんだからね。



驚いたり考えたりと忙しい魔王くんより一足先にもうひとつの能力を使う。


《閻魔:冥界門》発動!


どうやらちゃんと発動出来たようで、地面の土が勝手にこねられていき、だんだん人の形をとる。
同じようなものが二つ。
その二つは完全に土の人形になった。


するとその出来上がった土人形にどこからともなく白い塊が飛んできて、土人形に入り込む。


結論から言うとあの白いヤツは僕が呼び寄せた魂。
土人形に魂をプレゼント?って感じ。
魂が入った土人形はまたその姿をどんどん変えていき…


最終的に獣人と天使の姿になった。
僕が作り上げたその二つの姿を見て獣王と天使女王は驚く。


なんと言ったってそこに立っているのはもう死んだはずの先代の王だからね。


もう《閻魔》のもうひとつの能力はわかると思う。
そう、死者を蘇らせる能力。
僕はこれをほぼ制限なしで使うことが出来る。
同時に3体までというルールさえ守れば、あの世から何人でも生き返らせれるんだ。


魔王くんのは「自分が殺したものだけ」という厳しい条件がつく代わりに、「何体でも同時生成可能」にしてある。
ただ1回生き返らせた魂がもう一度あの世に戻ったら、その魂はもう使えないんだけどね。


そんなことされたら死んでも癒されないどころか逆にブラック企業バリに働かされるやん。
というか何度も生き返らせれたら普通に僕より強くなってしまう可能性まであるのでそこはちゃんと設定しておいた。



「父様か!?」


「お母さんっ!」


獣王と天使女王が叫ぶ。
残念だがこの土人形は魂の入れどころとしての役割しか持たないので、喋ることは出来ない。
ただ戦闘などで音が聞こえないのは困るので音は聞こえるようにしてある。
だから先代の王たちに声は届いているだろう。


この土人形ができるのは、スキルを使用すること、生きていた時と同じレベルの思考ができることくらい。
戦闘において必要じゃなかったり、優先度が低いものは取り除いてある。
もし死者を完全に生き返らせれたとして、その生き返った者が反抗したりしてきたら厄介だからね。


スキルしか使えないので近接戦闘はほとんど無理。
だから生き返らせる価値のある人物もスキルが強い人物に限られるんだ~。


言い換えればこの二人の王はそれだけ強いってこと。



頑張って戦ってもらおうかな。
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