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中学生編

目覚め①

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ある早朝、ドクドクと早る鼓動と肌寒い夜風でケイタは目が覚めた。なんだこの夢は…

冷たい空気を感じながら深い呼吸を一回終え、目を閉じようとしたとき、下半身の違和感に気づく…


~1日前~

「おはよー」
振り返ると幼馴染のシュンタが眠そうにしてこちらに向かって歩いてくる。

「おはよ、今日から2年生始まりなのに眠たそうだね」

「今日は危なかった、起きるのギリギリだったわー」

「今日はというよりいつもじゃない?」

「まぁまぁ、そんなことよりクラスどうなっているか見に行こうぜ」

「そうだね」

二人は早歩きでクラス割が張り出されている掲示板へと向かった

「あ、あったよ」

「ここか、俺は1組から探すからケイタは最後の5組から見てよ」

「おっけー」
一年生のときはシュンタとクラスが違ったので、今度こそ一緒になってくれと心で願いつつ張り紙の名前を目で追った

「おっ、俺は2組かー」

「そうなんだ、自分は…」

「お、ケイタもあったぜ!、俺と一緒の2組だ」

「そうなんだ」
内心はすごく嬉しかったのだが、いつもと変わらぬトーンで返事をした

「クラス一緒になったの久しぶりじゃん!、最後一緒だったのが小学4年生だから3年ぶりだ」

「あー確かに、よく覚えてるね」

「中に入って席見てみようぜ」

「うん」

クラスの中に入るとすでにほとんど席が埋まっていて、自分たちはだいぶ遅くに着いたようだった

「あー、席はちょっと離れてるね」

「まあ、それは仕方ないね」
少し寂しかったが、澄ましたように返事をした
「また休み時間に」
そう言い、自分たちの席へと向かった

座席表では廊下側一番端の列、後ろから2番目の席だったのだが、自分が座るはずの席には机にうつ伏せになっている女の子が座っていた。
「あの…」
声をかけてみたが、返事はない
肩を少し叩くようにしてもう一度、声をかけてみる

「あの…」
するとハッと起きたその子は

「何?」
寝起きで少し機嫌が悪そうに見えた

「あの…こ、ここ自分の席かなーと思うんだけど…」
女の子と普段あまり話さない上に機嫌が悪そうなその子の返事に少し動揺した。

「え!」
少し驚いた彼女は黒板に貼っている座席表を慌てて見に行った。
駆け足で戻ってきたその子は

「ごめんなさい、間違えてました」

寝癖で前髪がボサボサになり顔もよく見えない状態でそう言い、自分の一つ後ろの席に着くやいなや、うつ伏せで寝始めた。

(忙しい人だな)
そう思いながら席に一旦着き、教室を見渡してみると、席に座っている人は少なく、以前から顔馴染みだった人達同士で立ち話しているようだ。

荷物の整理をしているとしばらくしてチャイムの音が鳴る

キーン コーン カーン コーン

チャイムの音が鳴り止むと同時に教室のドアが開き、人影が軽快に歩いてくる

教団にたった女性は口を開く

「おはようございます」

はっきりと単調なトーンでそう挨拶した
クラスの何名かがそれに応えるように返事をした
「おはようございます」

「今日から2組を担当します、西川美咲と言います。よろしくお願いします。」

西川先生のことはよく知らない。一年生のときは自分と別のクラスの担任で、パッとしない、どこか不思議で冷たい雰囲気を感じる人だった。
(この人が担任か……)

自己紹介も程々に、前の席から順番に行事予定やその他の必要なプリントが生徒に配られ、自分にも回ってきた。
一枚取り、最後の一枚を後ろの席に回そうと振り返ろうとしたとき一瞬頭に過ぎる
(あの子、まだ寝てるんじゃないかな、また起こしたら機嫌が悪くなるんじゃないかな)と

だがそんなことを考えていても渡さないわけにはいかない
意を決して振り返るとその予想は大きく外れた。

先ほどまでの眠そうな彼女はおらず、髪は整えられ、大きね瞳でこちらを見ている。
少し口角の上がった笑みを見せ、

「ありがとう」

そう言って彼女はプリントを受け取った。

“ドンッ”
一瞬にして心臓の鼓動が高鳴り頭の中を何かがものすごいスピードで駆け抜けては往復していく。
数秒、訳のわからないもやもや悩ませれた後、思ったことは

(可愛いい…)

言葉にするなら、それしか思い浮かばなかった。








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