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メン限的な見たい人だけギャグなし話
特別第十五回(第八十二.五回)『久々ぶっちゃけトーク』
しおりを挟む「本当に嫌いな奴のこと言っていい?」
「久々ですねー」
「なんかさー。もうほんと、そういう奴なんだな……で、終わらせればいいのよ。もうほっとけって。何言ったってしょうがないよって。わかるよ。私が何をしたところで、その人にはなーんにも響かないだろうし、過ぎた正義感だろうし、無視できない私も私なんだ。でも、そいつは、今この瞬間も、反省することもなく、むしろ自分を正当化して、延々と冗長し続けていくわけじゃん? それが本当に腹が立ってしょうがない。私が悪徳ってものが本当に嫌いなのはね、こういう理屈なんだ。反省というものを知らない」
「うん。まー、わかりますけど。パイセンにはどうしようも……あー、だから、その復讐のためにも、自分の考えを届け続けてるわけですか?」
「それもあるよ。やらなきゃ可能性は産まれないからね。しんどくても、やり続けることで、もしかしたら一人でも、なんか最近の人たちの考え方おかしくない? って思ってくれたらいいなっていうのも思うし」
「……うーーん。まぁね。最近はもうずっと、本編ではずっとギャグやってましたからね。ときどきショートで鬱憤晴らしてたみたいですけど、こんな日も必要ですか」
「それについては、私自身どっちの属性もあるの。の子さんも似たようなこと言ってたことがあってね! めっちゃ嬉しかったんだけど、人間さ、物語のキャラじゃないから、私とか僕とか俺とか、自分って言っても、色んな自分がいるものじゃない。堕ちてるときは堕ちてる雰囲気が出るし、元気なときは元気な自分だし」
「あー……それは、たしかに」
「暗い話がキチゲ解放になることもあれば、ぶっ飛んだコメディで自分でも笑いながらやってるのがキチゲ解放になることもあるってわけ。今は、正直すんげぇ陰惨な話がいい。もう血みどろの感じの、スプラッタホラー的なグチョグチョの感じのがいいかも」
「片鱗かしらね。ちょうど本編でもパイセンとあのちゃん、ミンチですしね。私がしたんだけど」
「あれは、私の中で陰惨のうちに入らない。陰惨っていうのは本当に少しでもギャグを込めたらダメ。雰囲気からなんだよ。リアリティコントロールってのにも似てるかも。この話ではこのラインが常識的ですよ、みたいな線を引いてて、本編のほうでホラー感を出した覚えは一切ない」
「ふんふん」
「それで……なんの話だっけ?」
「知らん」
「そうそう。だから、ぶっちゃけて言っちゃえば、◯ねよって思う。この世の悪人全て」
「いきなりぶっ飛びますね」
「善人が悪人に吸い上げられるとか、痛い目に遭わされるとか、本当に本当に、それが他人のことであっても、我慢ならないの。胸糞悪い話とかフィクションでも大嫌いだからね。あの、例えると、リメイク版しか知らないんだけど、わかりやすいと思うのは、どろろ! どろろのあの子の話っつって、わかる人ならわかると思うけれど。かなり序盤でね、ショッキングな展開があるじゃん。どろろリメイク版、監督が好きでさ、楽しんで観てたんだけど、一回あれで視聴やめたくらい、胸糞が本当に嫌い」
「あー。監督、誰でしたっけ?」
「古橋さん。昔のるろ剣とかユニコーンとかSPY×FAMILYとか」
「めちゃくちゃ大御所じゃねえか」
「そうだよ。あの人の監督作でハズレないって思ってるから、私。それはさておき、酷いニュースとか観るとリアルでも頭に血が昇ってくる感じ」
「まぁ感情で生きてますよね。良くも悪くも。原動力というか」
「で、根性ひん曲がってんなーって思っちゃって。また」
「……うーん。だから何も情報を取得するなって。その人に関して。もうフォローも外してるし、流れてもこないでしょ? 何があったんです?」
「私が辞める直前にさ、メン限の内容に関して苦言っていうか要望っていうか、かなり具体的にいうと、限定的なVODでしか観られない映画の同時視聴やって、私の使ってるVODだとその映画観られなくてね。本当に寂しかったの」
「ふむ」
「みんなは観れて、コメントして、ってやってる横で、自分は蚊帳の外なわけじゃん。コメントしてなくても普通に配信観てたりする人もいるわけだし、むしろ総数から計算すると、コメントする人の率のが相当少なかったりするし……まぁ、さておき」
ミカはヤクルト1000を飲みつつ、一息入れて続けた。
「自分だけじゃなくて他の人でも同じ想いしたら悪評にもつながるし、それは良くなくね? って思って、気を遣いつつ、今度は他のVODでも観られる奴にしませんか? 的な発言をしたわけだ」
「はいはい」
「でも、ま、その後すぐ私辞めちゃったんだけどさ。そんで、最近ちらっと観たら、またメン限同時視聴やってて。……で、その選んだ映画ってのが、ほぼアマプラしか選択肢ないやつ」
「う、わぁ……」
「最低じゃない? 普通に、最低じゃない? この人。配信者とか云々、男女とか云々、以前に、人間として、ガチで最低だと思わない?」
「うーん……それは……」
「私、たしかに辞めたけどさ、忠告として別におかしなことは言ってなくない? そもそもその人、私がいた頃から、お絵描き配信とかやってたわけ。いやいや、描けない人のことも考えろよってなるでしょ、そんなん。しかも、普通の配信ならいざ知らず、それをメン限でやるの、その人」
「あー……まぁ。お絵描き苦手な人は、ほんとうに苦手ですからね。CLANNADの朋也と渚もそうだったように、出来ない人からすると、トラウマレベルだったりしますし……」
「お金払ってまで観にくるメンバーシップってファンサービスの場で、疎外感覚えさせるって……普通のサービス業だったら、上司から呼び出されて裏でフルボッコでしょ。で、一年目とかならまだしも、その人、自分でもよく言ってんだけど、もう何年もやってて、ベテランなわけ。それでその配慮のなさ、ヤバくない?」
「……たしかに、ムカつくかもしれません。けど、例えば同時視聴とかなら、それこそPV兼ねてるところもあるかもしれませんし。それこそアマプラならAmazonさんとなんらかの契約とか。お絵描き……は、うーん……ま、正直絵師に媚び売ってるようにしか見えないですけど」
「私が配信者だったらそんなの絶対やらない。し、周りでやってて自分がベテランなら、こうした方がいいよって注意するレベル。何ならリスナーがVOD何使ってるかアンケートとった上で、これならハブいないなって映画をチョイスするし、お絵描き配信なんて絶対しないわ。描けない人の気持ちがわかるから」
「うん……てか、それがテンプレじゃないって時点で、まぁ……確かにすごい業界ですよ、ね……個人事業主なのは知ってますけど、無法地帯なのかな……ある程度舵取る大人の人いたほうがいい気がしますけど……」
「なんかね、その人、あんまり人の感情の機微とかわからないから文句があるならはっきり言って! みたいなことを配信で言ってたことあるんだけど、いや、じゃあ、あんたは分かろうとする努力してんですか? ってめちゃくちゃ思うベストスリーに入るんだよね、この言い訳」
「あー……わからないなら、それこそ努力できる箇所というか、伸び代! って思って、よしこれから気をつけようとか努力する方向に進めますからね、人は……」
「そう。そういうのを他者に求めるってさ、結局コイツ、成長する気ねーだけじゃんって。自分は何もしたくねーだけじゃんって。何様のつもりなの? ってならない?」
「……これはさしもの私も……バランスとれないかもなー……なんか、いくら考えても、パイセンに対して、反論の余地がない」
「この人、声にだいぶ自信があるみたいだけど。これ、またしてもウメさんの受け売りで申し訳ないんだけど、本当にそうだと思うから、最近改めたのが。生まれつきの能力を当てにしてる人は伸びない。成長してないの、だって、それで誤魔化せてきちゃったんだもん」
「あー……」
「例えば顔とか勉強できたとかでもいいよ。生まれつきね、器用で、何となくやれちゃったとか。そういう人って、その生まれつきの部分で、他のこと誤魔化せたりしちゃうんだよ。まさにこの人、それ。声がいいからって、ずっと、そうやって、誤魔化してさ、嫌なことには目を塞いで、見て見ぬ振りをしてわがままに生きてきたし、これからもそうすんだろうなーって。その差が、まー、出ちゃってんだろうなって。でも、この人は反省しないんだよ。いつまでも誤魔化せると思ってるから。でも、そういうのって必ず衰退するじゃん。だから、努力して日々変わっていくのが大切で、当たり前なんだけど……」
「かなーり言い方、悪いですよ、パイセン。それは憎しみがこもって、陰湿というか……やめましょう。パイセンまで醜くなってしまう……つか、醜い」
「最初に言ったじゃん、かなり明確に。私は悪党がいたら退治したい派なんだよ。で、反省しないやつはさ、今この瞬間も、のさばっていっていくんだろうなぁって、その仕組みと土壌が、」
「まぁ。都合よく退治できたら、そりゃ住み良い地球になるでしょうけど……」
「すんげぇムカつく。ムカつかない?」
「いいですか。救えない人と同様に、そういう人もいます。それが人間で、しょうがないじゃないですか」
「そういう人もいるのはわかる。しょうがなくなくない? そいつらが反省すればいいだけのことなんだから」
「まさしくそれが出来ない人だって、人なんです。人の一面なんです」
「それがムカつくの! 私は許せない! そんな人が同じ社会でのうのうと笑って、これからもそいつらはそいつらの中でさ、周りを嘲笑って自分たちは賢ぶって、生きていくのだろうってことが、絶対に絶対に、絶対にいやだ! 一緒の社会で生きていきたくないの! 同じ空気を吸いたくない!」
「んなこと言ったって、その人たちは幸せになっちゃいけないとでもいうんですか?」
「そうだ! 幸せになりたければ反省しろ。自分の胸に手当てて、深く詫びろ! そんで、改めて生きればいいし、それをみんなやってんだろうがっ! なんでそういう人はそれをしねえんだよっ! 見過ごされてんだよっ! って話だろうが!」
「……だから、周りもこの人はそういう人なんだな……って諦めて、しょうがないって! 相手にしなくなるんですよ! それに、一定数、それで誤魔化せる人がいる限り……誤魔化して生きられる人は、ずっと反省なんかしませんよ。まさしく、バカは死ななきゃ治らないってことです、それが」
「それがムカつくのー!」
「あー、それでルサンチマンも嫌いなんですね、パイセン。そういう奴らの太鼓持ちになるし」
「そうだ。だから私は、これからも、一層強く、その気持ちを込めて作品に起こして、訴え続けんだよ、このクソみたいな社会にぶつけてやんだ!」
「……早くその日が——来たら来たで、ヒトラーとかみたいになりそうで、それも怖いな……平和になれ。平和が一番なのに……」
「そいつらが反省すれば一日で平和になるだろうが」
「はぁ……」
マギは今も憤慨するミカの前で深く深くため息をこぼしなごら、カメラのスイッチを切るのだった。
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