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メン限的な見たい人だけギャグなし話

特別第九回『感じ方・終。語るに落ちるミカ』

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「……もう嫌だけど、本当に嫌で仕方がないんだけど、きっと見つかったら突っ込まれると思うし、改めて訂正とお詫びと色々のために……」
(今日は頑張るねえ……)
「しょうがない。責任があるから。でもこれで本当に終わりにする」
 ミカは再三iPhoneのカメラを入れて話し始めた。
「改めて調べると、ちゃぶ台をひっくり返すような話で申し訳ないんですが、最近では男性脳女性脳の違いはあんまないってされてるのと、新たにEQという言葉で論じまする……不勉強は私だったというオチ……」
「……ぐぅ」
 言わずもがな、マギはもうすやすやだった。
「著名な人の論文とか見ても、脳に違いはなくて個人差が大きいってのが主流な意見なのかな。でもさー、そうは言っても納得できなくねぇ? 男と女の感じ方が同じだったらさー、どうしてこうまでこじれんの? ってなるじゃんね」
(もう専門的すぎて一メンヘラビッチ地縛霊の私にゃどうにもできんよ……)
「そうだけどさー。個人差によるもの? あれじゃね、血液型と同じようなもん?」
(あーBはワガママとか、Oは真面目系クズとか言うけどくだらないよね)
「私さ、あれちょっと説明できるんじゃないかって。それこそ個人差! 同じ血液型だったらやっぱ親類がそうなるわけじゃん?」
(うん。同じ奴からしか産まれないからね)
「だったら、血液そのものに性格を分ける機能はなくても、そりゃ似たような奴にならない? って思ってて」
(まぁ……確かにね。血そのものに原因がなくても、似た条件下で育ってればそういう人になるからね)
「うん。そしたら、脳ってのも個人差が大きいとすると、女同士、男同士で基本はつるむことになるわけじゃん。そこのやりとりや習慣から違ってくると……」
(とりあえずミカは同じだとは認められないわけだ……男女は違うと思う派なんだ)
「そりゃそうよ。違うでしょ。むしろ、どこ見て同じだと思うの? レベルだと思ってたよ。だからもう、軽くカルチャーショックで、うー、受け入れるしかないのかぁっ……」
(実際なんかアンケートとか取れたらいいのにね)
「それ。私に力があったら、何千人でも聞いてみて、統計取ってみたい。男女、同じだと思う? 違うと思う? これ観てる人ももし答える気があれば、何でもどうぞ。持論を論じてってください。だって、認め難いもの」
(真実とはそういうものだと誰かが言ってた気もする)
「それもそうなんだけど……ステレオタイプで、ウソをばらまくとか書いてあってさ……うん。間違ってたらごめんなさい。でも、経験則としてさ、腑に落ちるんだもん……」
(でも考えてみると、違うとしたら、だよ。ミカの近くにもいなかった? 子供の頃から女っぽい男の子、男っぽい女の子。それぞれ)
「……いた」
(その説明がつかなくない?)
「そこまで違うとは思ってないよ。感じる部分、感じ方、気持ちの入りやすい角度みたいな。そういう違いはあって、だから例え子供の頃に家庭環境だったりの個人差はあって最初は性別を間違えちゃってても、大人になる頃にはそれが修正されていくものだと思ってたの。たまに修正を上回る強い気持ちで抗った人が、二丁目の人たちや百合の精神の宿し、形成されると思ってたの」
(脳が本当に違うとしたら、気持ちで抗えなくね?)
「ぐああああっ……同じだからこそスイッチできるというわけか……やられた……参りました。雑な判断で雑な駄話して申し訳ございませんでした」
(で、EQってのは?)
「……心の知的指数を表すんだって。でも私ごときアホクソゴキジェットプロメンヘラの妄言でこれ以上嘘をばら撒くわけにはいかないからもう二度と喋らないことにするよ。これが私の最後の言葉だ。さようなら」
 マギがミカの腹に拳を入れた。
「逃げんな」
「……あっ、マギ。起きてたの? だって、私アホだったもん……あんな訳知り顔でべらべら喋っといて、有識者が観たら『ぷぷー、だ、だだだ、だんせいのう? え? 今時、だ、だだだ、だんせいのうっていった? コイツ……ぷ、ぷぷぷぇwww 典型的ステレオタイプのクソゴキジェットプロ 秒殺+まちぶせ老害予備軍二等兵さんよー、おーい若年性痴呆にはまだ早いですよーwww いやもう遅いか? お前のはホンマもんの痴呆じゃwww ぷげらぷげら。女性脳と男性脳に分けて(キリッ)……だっておwwwぷぎゃーはっはっはっ一同大爆笑(バンッバンッ!)』って思われてたんだよ? もうあかん。話し手として終わりや……ステレオタイプのクソメンヘラだから。もう何も喋らないほうがいいんや……荷物まとめて田舎帰ります……」
「煽られすぎだろ……フルコンボ決められてんじゃねえか。確かにそんなに煽られて、何も返せないくらいのヘマやらかしたら田舎帰りたくもなるけれども! それでも逃げんな」
「うぅ……じゃああとで回すタイプのなでなでして」
「回すタイプのって何でしたっけ?」
「ほら、シャンプーするときにさ、指の腹使ってぐるぐるやって絡ませるやつ」
「あー。ダメですよ、あれやるとハゲるらしいですよ。ただでさえステレオタイプの学のないクソメンヘラなのに、さらにハゲたパイセンの世話なんてしたくありません」
「トドメ刺された……終わった。マントルまで掘り進めてくるわ……」
「いいからはよEQの説明しろや。調べて、今度こそ間違いがないように!」
 ミカはしぶしぶ話し出した。
「……はいはい。心の知的指数のことです。それ以上のことは私は専門家でも、また勉強してるわけでもないので詳しく語れません。wiki見ましょう」
「軽く検索かけたら出てきたー。EQが低い人の特徴。1.自分の意見を曲げない。あはは、パイセンみたい」
「…………」
「2.他人のミスを許容できない。あはは、元推し反転してここでボロクソ言ってたパイセンみたい」
「…………」
「3.他人の気持ちに共感しにくい、あっ……」
「…………」
「4.不平不満を言いやすい。5.チームプレイが苦手。……6.感情をすぐ表に出す……(すぅー)……あ、パイセン……こ、これ……」
「……ふぶぅぅっ!」
 咽び泣き始めるミカを今更気遣ってマギは言った。
「ち、違いますよ、あれ。これはほら、あー、メンヘラ! そうそう、メンヘラの特徴的な、みたいな……あー、あー……ご、ごめんね?」
 マギがカメラを切った。





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