ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎

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第201話:トーヤ、再び報告を受ける

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「お疲れ様です、トーヤさん」
「遅いじゃねぇか」

 店内ではリタとヴァッシュが待っており、すぐに声を掛けてくれた。

「お待たせいたしました。リタさん、ヴァッシュさん」
「これでもすぐに来てくれたんだ」
「遅いは言い過ぎだよ、ヴァッシュ!」

 トーヤが頭を下げながら口を開くと、ダインとミリカが庇うように言ってくれた。

「お料理は注文済みなので、そろそろ運んできてくれると思います」
「休憩時間も少ないだろうし、さっさと報告もしちまおうぜ」

 リタが笑顔でそう教えてくれると、ヴァッシュはトーヤを気遣い報告を始めようと口にした。
 なんだかんだでトーヤのことを考えてくれているヴァッシュを見て、瞬光の面々は顔を見合わせ、思わず微笑んでしまう。

「……んだよ」
「いや、なんでもない」
「うふふ」
「それじゃあ! ドプライ撃滅報告会! 開催しましょうか!」

 ジト目を向けるヴァッシュを見て、ダインは苦笑し、リタは変わらず微笑む。
 最後にミリカが爆弾発言を口にしたため、トーヤは目を丸くしてしまう。

「……ドプライ撃滅報告会?」

 何事かと思いつつも、トーヤはダインに勧められた席に腰掛ける。

「ジェンナ様から報告はあっただろう?」
「えっと、はい。午前中に報告を受けました。何やら、魔導具開発局が大変なことになっているだろうことも」
「その始まりを、俺たちは見届けてきたんだ」
「……そうなのですか?」

 まさかの答えにトーヤは驚き、ダインたちは大きく頷いた。

「まあ、自業自得なわけだからな。どのような結果だとしても、驚くなよ?」
「……は、はい」

 こうしてダインからの報告が始まった。
 ドプライを叩き潰したのは、ラディスだった。
 とはいえ、ラディスも自らの考えで策を講じたわけではなく、ジェンナの指示を受けて行動を起こしていた。
 だが、ジェンナの指示がなければラディスも自身の策を講じていたことだろう。
 それほどに、ジェンナもラディスもドプライの行動には怒り狂っていた。

「どうしてそこまで怒っていたのでしょうか? 最悪の場合、ポーション作成を止めればいいだけの話ですよね?」
「そのポーションが大きな利益を生むものだと、二人とも分かっていたんだろうな」
「それほどにポーションというのは、売れるものなのですか?」

 困惑気味のトーヤに対してダインが説明をしてくれたものの、どうにもピンと来ていない。

「ポーションというよりは、最高品質のポーションが利益を生むんですよ」

 そこへリタが説明に加わった。

「ポーションは冒険者にとって、命を守る道具の一つですからね。最高品質のポーションがあれば、下級ポーションであっても重宝されるんですよ」
「命を守る道具ですか」
「そうです。それに、冒険者だけではありません。街の外に行くことが多い人であれば、誰でもポーションを持ち歩くはずです」
「そうなのですか?」

 驚きの声を上げたトーヤに、リタは大きく頷いた。

「それだけ、ポーションというものは重要な道具なのですよ」
「それの最高品質を作り出しちゃったんだもの! 本当にトーヤはすごいよね!」

 リタに続いたミリカが嬉しそうにそう口にした。

「ありがとうございます、ミリカさん」
「俺たちも愛用させてもらっているよ。まだ使う機会は訪れていないがな」
「そ、その方がいいですよ。怪我はしない方がいいに決まっていますからね」

 ダインの言葉にトーヤは本気で心配の声を上げた。

「もちろん、その通りだ」
「おい。そろそろ料理が運ばれてくるぞ」

 話が一区切りついたタイミングで、ヴァッシュがそう教えてくれた。
 彼の地獄耳が、廊下を近づいてくる定員の足音を聞いたのだ。

「続きは食事をしながらにしよう」
「ドプライ、最後は見届けられなかったけど、面白かったわよ!」
「笑ってはいけないのかもしれませんが、思わず……うふふ」
「ぶっ殺しとけば終わりなんだがな。ちっ」

 ダイン、ミリカ、リタと続き、最後にヴァッシュが怖い発言を口にする。
 その言葉を聞いたトーヤは苦笑いを浮かべることしかできず、その後しばらくは運ばれてきた南国料理を堪能し始めた。
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