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第51話:VS色欲のレイディ②
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「人間の割にはなかなか強いみたいですが、私には及びませんわ!」
「そう思うならさっさと倒してみたらどうだい? まあ、簡単にやられるつもりはないけどね!」
制空権を取られないよう、マギスは飛ばせないことを意識して攻撃を仕掛けている。
一方でレイディは真正面からマギスを叩き潰そうと考え、地に足を付けて戦っていた。
「飛んだらどうだい? まあ、飛ばせるつもりはないけどね!」
「人間を相手に、飛ぶなんてことはしませんわ! 今までもそう、そしてこれからもねえっ!」
けたたましい音を響かせている剣戟に大地が、大気が、衝撃波によって震えている。
エミリーの方ではなくマギスを追ってきた魔獣は、衝撃波を浴びて昏倒するだけでなく、その身を震わせて息絶える個体まで現れるほどだ。
衝撃波の中心地となっているマギスとレイディも魔獣と同じで晒されているはずなのだが、二人は構うことなく剣を、爪を振るい攻防を繰り返している。
「これじゃあ切りがないね。少しだけ本気を出させてもらうよ――フルブースト」
「そんな強がりを――!?」
マギスがフルブーストを発動した直後から、レイディは徐々に押され始める。
言葉も少なくなり、表情に余裕がなくなっていく。
「お、面白い魔法を使うじゃないのよ!」
「ただの身体強化魔法だけど?」
「くっ! いいわ、それなら私も本気を出してあげるわ! ブレイク・アイ!」
「初めて聞く魔法だね。いったいどんな効果が……あぁ、なるほど、そういうことか」
攻勢に出ていたマギスはレイディの魔法を受けてしまった。
とはいえ、たいていの魔法には対処できるだろうと高を括っていたものの、実際に生じた現象に驚かされてしまう。
「……視界を奪われたか」
「うふふ、おーほほほほっ! これであなたは終わりですわ! 私がゆっくりと、苦しませながら殺してあげますわ!」
「そうか。なら――やってみてごらんよ!」
「なあっ!! ど、どうして!?」
勝利を確信した高笑いから一転、視界を奪われているはずのマギスから攻勢に出てきたことで、レイディは驚愕の声をあげた。
「視界を奪ったくらいで、僕の攻撃を止めることができると思っていたのかい?」
「ふ、ふざけないでちょうだい! こんな偶然、何度も続くはずが――ぐはっ!?」
距離を取って体勢を立て直そうとしたレイディだったが、変わらず間合いを詰めて攻撃を仕掛けてきたマギスの剣が届いてしまった。
苦悶の声が漏れ、レイディは表情を歪めながら跳び上がる。
「そのまま飛ぼうってことかな? それをやらせるわけには――!?」
視界を奪われたままさらなる追撃を仕掛けようとしたマギスだったが、レイディとの間に強大な気配が突如として現れたことで、その足を止めてしまう。
即座に翼を羽ばたかせて飛び上がったレイディは、一息ついてからニヤリと笑った。
「……ふふ、今度こそ、私の勝利だわ! 先ほどまでの有象無象とはわけが違う、この地の主を召喚したのですからね!」
『『『……グルルルルゥゥ』』』
「まったく。本当に君は、やり難い相手だなぁ」
マギスとレイディの間に彼女が召喚した魔獣、それは――この地の縄張りを任せていたケルベロスだった。
「そう思うならさっさと倒してみたらどうだい? まあ、簡単にやられるつもりはないけどね!」
制空権を取られないよう、マギスは飛ばせないことを意識して攻撃を仕掛けている。
一方でレイディは真正面からマギスを叩き潰そうと考え、地に足を付けて戦っていた。
「飛んだらどうだい? まあ、飛ばせるつもりはないけどね!」
「人間を相手に、飛ぶなんてことはしませんわ! 今までもそう、そしてこれからもねえっ!」
けたたましい音を響かせている剣戟に大地が、大気が、衝撃波によって震えている。
エミリーの方ではなくマギスを追ってきた魔獣は、衝撃波を浴びて昏倒するだけでなく、その身を震わせて息絶える個体まで現れるほどだ。
衝撃波の中心地となっているマギスとレイディも魔獣と同じで晒されているはずなのだが、二人は構うことなく剣を、爪を振るい攻防を繰り返している。
「これじゃあ切りがないね。少しだけ本気を出させてもらうよ――フルブースト」
「そんな強がりを――!?」
マギスがフルブーストを発動した直後から、レイディは徐々に押され始める。
言葉も少なくなり、表情に余裕がなくなっていく。
「お、面白い魔法を使うじゃないのよ!」
「ただの身体強化魔法だけど?」
「くっ! いいわ、それなら私も本気を出してあげるわ! ブレイク・アイ!」
「初めて聞く魔法だね。いったいどんな効果が……あぁ、なるほど、そういうことか」
攻勢に出ていたマギスはレイディの魔法を受けてしまった。
とはいえ、たいていの魔法には対処できるだろうと高を括っていたものの、実際に生じた現象に驚かされてしまう。
「……視界を奪われたか」
「うふふ、おーほほほほっ! これであなたは終わりですわ! 私がゆっくりと、苦しませながら殺してあげますわ!」
「そうか。なら――やってみてごらんよ!」
「なあっ!! ど、どうして!?」
勝利を確信した高笑いから一転、視界を奪われているはずのマギスから攻勢に出てきたことで、レイディは驚愕の声をあげた。
「視界を奪ったくらいで、僕の攻撃を止めることができると思っていたのかい?」
「ふ、ふざけないでちょうだい! こんな偶然、何度も続くはずが――ぐはっ!?」
距離を取って体勢を立て直そうとしたレイディだったが、変わらず間合いを詰めて攻撃を仕掛けてきたマギスの剣が届いてしまった。
苦悶の声が漏れ、レイディは表情を歪めながら跳び上がる。
「そのまま飛ぼうってことかな? それをやらせるわけには――!?」
視界を奪われたままさらなる追撃を仕掛けようとしたマギスだったが、レイディとの間に強大な気配が突如として現れたことで、その足を止めてしまう。
即座に翼を羽ばたかせて飛び上がったレイディは、一息ついてからニヤリと笑った。
「……ふふ、今度こそ、私の勝利だわ! 先ほどまでの有象無象とはわけが違う、この地の主を召喚したのですからね!」
『『『……グルルルルゥゥ』』』
「まったく。本当に君は、やり難い相手だなぁ」
マギスとレイディの間に彼女が召喚した魔獣、それは――この地の縄張りを任せていたケルベロスだった。
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