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オレノオキニイリ
誰が行こうか
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前のめりになっている廻に体をのけ反らせながら、二杉は次の質問を口にする。
「それならば、誰を同行させるかを決めてくれ」
「誰って……えっ、私一人じゃないんですか?」
「お前はアホか」
「ア、アホとはなんですか!」
「フ、フタスギ様!」
「あー、すまん。反射的に言葉が出てしまった」
「それって本音ってことですよね!」
両手をパタパタさせながら怒りを露にする廻なのだが、見た目が子供なのでその迫力は全く感じられない。
「護衛が必要だということだ」
「話を流しましたね!」
「これでは話が進まんだろうが!」
「むむむっ! ……仕方ないですね、水に流しましょう」
「はぁ。それで、護衛が必要ってのは経営者がどこかに向かう時には必ず必要となるんだ」
「必ずって、なんでですか?」
「なんでって、それが普通だからだろう」
廻にはこの世界の普通が分からない。二杉も同じ世界、それも日本から転生したはずなのにどうしてこれが普通だと言い切れるのだろうか。
「別に危ない都市に行くわけじゃないんですから、護衛が必ず必要とはならないんじゃないですか?」
「まあ、俺が今さら三葉にちょっかいを出す必要もないのは事実だが、経営者にもし何かあれば経営している都市が崩壊するんだ。だからこそ万全の準備を──」
「ストーップ!」
突然飛び出してきた物騒な言葉に、廻は話を遮り割って入った。
「えっ、何よそれ、初耳なんですけど! 経営者に何かあればって、死んだらってことですか?」
「はっきり言えばそうなる」
「そうなったらなんで都市が崩壊するんですか!」
廻はそこまで深く考えていなかった。
友達の家に行く、単純にその程度にしか思っていなかった。
それにも関わらず、まさか都市が崩壊するなどという突拍子のない言葉に驚くことしかできないでいる。
「経営者とダンジョンは一心同体みたいなものらしい。だからガチャができるのも経営者しかいないし、ダンジョンに関わることができるのも経営者だけだ」
「だからって、そんな……それじゃあ、その都市に暮らす人達は……あっ、だからニャルバンは最初の頃に辞めさせることもできないって言ってたのか」
「経営者が経営を放棄してもその都市は崩壊するんだ。どのような結果であれ、俺達はこの世界でダンジョン経営を続けなければならないし、ちょっとしたことで死ぬことも許されない。だから護衛は必須なんだ、安全な都市に行くとしてもな」
二杉の言葉に、廻はただ呆然とすることしかできなかった。
「……分かった、誰か連れていきます」
「一番適任なのはアルバス・フェローなんだろうが、彼は換金所の管理人なんだろう?」
「うぅぅ、そうなんです。私とアルバスさんが抜けたら、換金所に人がいなくなるんです」
「ふ、普通はミツバ様が受付に立つことなんてないんですが」
呆れ声を漏らすジーンだったが、廻と二杉は気にする様子を見せずに話を進めていく。
「冒険者ならロンドという奴がいただろう」
「でも、ロンド君は宿屋で働いてもいるし、ニーナさんにも相談しなきゃ」
「だったら他に冒険者はいないのか!」
「あぅぅ、他にはカナタ君、トーリ君、アリサちゃんの三人ですけど、みんな新人冒険者ですよ?」
「それを言うならロンド君も新人ですよね?」
ジーンの指摘は的確なのだが、ここでも二人は無視して話を進める。
「この際、新人でも構わん。というか新人しかいないだろう!」
「で、ですけど、何かあった時にみんなを危険にさらしちゃうじゃないですか!」
「……あの、みんな冒険者ですよね?」
「──連れていくのは小僧とアークスでいいんじゃないか?」
ジーンの呟きに続いて、入口の方から声が聞こえてきた。
「ア、アルバスさん!」
「小僧? それにアークスだと?」
驚きの声は廻、疑問の声は二杉だ。
護衛の名目で話をしていたわけだから鍛冶師であるアークスの名前が出てくるのは不思議でならず、また小僧がロンドだと気づいていない。
「アークスは元々オレノオキニイリにいた鍛冶師だからな。案内役としてはぴったりだろう」
「案内役ならこちらから出す。心配だというならジーンを案内役にしても構わない」
「フ、フタスギ様!」
「当の本人が驚いているんだがな」
「……だが、アークスでは護衛にならない」
「そっちの警備が厳重なら問題はないだろう。小僧の実力も伸びてきているからな、友好ダンジョン都市の護衛なら任せられる」
「すまん、小僧というのは誰のことだ?」
「えっと、ロンド君のことです」
小僧がロンドだと分かると、二杉は納得顔を浮かべている。
しかし、アルバスの提案に待ったを掛けたのは廻だった。
「でも、それだと宿屋はどうなるんですか? それにアークスさんが抜けたら鍛冶屋が開けられないですよ!」
問題はロンドだけではなく、アークスの鍛冶屋にもあった。
現状ジーエフから出せる人材は冒険者のみ。他の人材は一人でも抜けてしまえばお店が開けられなくなるくらいに人手不足の状態なのだ。
「そんなもん、『店主外出中により閉店』の貼紙一つで済むことだろう」
「済みませんよ! 冒険者の武器整備はどうするんですか!」
「そんなもん自分自身でやらせろ。二日三日くらいならなんとかなる。宿屋なら朱髪小僧とかに任せられるだろう。なんだったらジレラ夫妻だっているんだしよ」
「それは! ……まあ、そうですねぇ」
「私は誰かが手伝ってくれるなら構いませんよ」
アルバスとニーナの言葉に廻はしばらく考えを巡らせる。
宿屋に関してはカナタ達やジレラ夫妻が手伝ってくれればなんとかなるだろう。実際に手伝ってもらったことも過去にあったのだ。
しかし、鍛冶屋に関しては心配な部分が多い。二日三日ならなんとかなると言っているものの、それで評判が下がる可能性もあるかもしれない。
「……本当に、鍛冶屋を閉めても大丈夫なんですか?」
「問題ない。それにお前は代わりの奴が来るまでは年中無休でアークスを働かせるつもりなのか?」
「まさか! そんなブラックな運営をしようとは思いませんよ!」
「ブラックかどうかはしらんが、違うなら休暇を与えるつもりで連れて行ったらどうだ? 一応、元いた都市なんだからな」
休暇だと言われると、それもいいのではないかと思ってしまう。
それに廻も年中無休で働かせるつもりはなく、元々休みが欲しいと言われれば与えるつもりでもいたのだ。
もしアークスが望むなら、それでもいいかと思い始めていた。
「オレノオキニイリにはアークスの師匠もいる。もし挨拶をしたいなら、アークスを連れて行くのもありだろう」
「アークスさんの、お師匠様ですか」
「警備のことなら安心しろ。ジーンやエルーカ以外にも冒険者は雇っている。それにな……」
そこまで口にした後、しばらく黙り込んでしまった二杉。
心配そうな視線を向けている廻に気づいたのか、少し恥ずかしそうにして再び口を開いた。
「……俺はアークスが移住するのを認めなかった。そのせいであいつは誰にも何も言わずに飛び出した可能性がある。もし行きたいと言うなら、アークスが行くのも悪くはないと思っただけだ」
自分の行いを悔いているのだと廻は安心していた。
友好ダンジョン都市を結んだ時に信頼していたつもりだったのだが、心のどこかでは都市に行ってみないと分からないと思っていたのかもしれない。
だが、今の言葉を受けて廻は二杉のことを完全に信頼することができた。
「……分かりました。ロンド君とアークスさんに声を掛けてみます」
立ち上がった廻は二人に断りを入れて移動しようとしたのだが、ふと立ち止まるとアルバスに声を掛ける。
「ところで、どうしてアルバスさんはここに来たんですか?」
「昼飯だよ昼飯」
時間はお昼を過ぎる少し前である。いつものアルバスならお昼を回ってからお昼と食べるのだが今日は少し早い。
「……ありがとうございます」
「いきなり何を言ってやがる、さっさと行きやがれ」
「はい!」
頭を掻いているアルバスに元気よく返事をした廻は、今度こそ本当に宿屋を後にした。
「それならば、誰を同行させるかを決めてくれ」
「誰って……えっ、私一人じゃないんですか?」
「お前はアホか」
「ア、アホとはなんですか!」
「フ、フタスギ様!」
「あー、すまん。反射的に言葉が出てしまった」
「それって本音ってことですよね!」
両手をパタパタさせながら怒りを露にする廻なのだが、見た目が子供なのでその迫力は全く感じられない。
「護衛が必要だということだ」
「話を流しましたね!」
「これでは話が進まんだろうが!」
「むむむっ! ……仕方ないですね、水に流しましょう」
「はぁ。それで、護衛が必要ってのは経営者がどこかに向かう時には必ず必要となるんだ」
「必ずって、なんでですか?」
「なんでって、それが普通だからだろう」
廻にはこの世界の普通が分からない。二杉も同じ世界、それも日本から転生したはずなのにどうしてこれが普通だと言い切れるのだろうか。
「別に危ない都市に行くわけじゃないんですから、護衛が必ず必要とはならないんじゃないですか?」
「まあ、俺が今さら三葉にちょっかいを出す必要もないのは事実だが、経営者にもし何かあれば経営している都市が崩壊するんだ。だからこそ万全の準備を──」
「ストーップ!」
突然飛び出してきた物騒な言葉に、廻は話を遮り割って入った。
「えっ、何よそれ、初耳なんですけど! 経営者に何かあればって、死んだらってことですか?」
「はっきり言えばそうなる」
「そうなったらなんで都市が崩壊するんですか!」
廻はそこまで深く考えていなかった。
友達の家に行く、単純にその程度にしか思っていなかった。
それにも関わらず、まさか都市が崩壊するなどという突拍子のない言葉に驚くことしかできないでいる。
「経営者とダンジョンは一心同体みたいなものらしい。だからガチャができるのも経営者しかいないし、ダンジョンに関わることができるのも経営者だけだ」
「だからって、そんな……それじゃあ、その都市に暮らす人達は……あっ、だからニャルバンは最初の頃に辞めさせることもできないって言ってたのか」
「経営者が経営を放棄してもその都市は崩壊するんだ。どのような結果であれ、俺達はこの世界でダンジョン経営を続けなければならないし、ちょっとしたことで死ぬことも許されない。だから護衛は必須なんだ、安全な都市に行くとしてもな」
二杉の言葉に、廻はただ呆然とすることしかできなかった。
「……分かった、誰か連れていきます」
「一番適任なのはアルバス・フェローなんだろうが、彼は換金所の管理人なんだろう?」
「うぅぅ、そうなんです。私とアルバスさんが抜けたら、換金所に人がいなくなるんです」
「ふ、普通はミツバ様が受付に立つことなんてないんですが」
呆れ声を漏らすジーンだったが、廻と二杉は気にする様子を見せずに話を進めていく。
「冒険者ならロンドという奴がいただろう」
「でも、ロンド君は宿屋で働いてもいるし、ニーナさんにも相談しなきゃ」
「だったら他に冒険者はいないのか!」
「あぅぅ、他にはカナタ君、トーリ君、アリサちゃんの三人ですけど、みんな新人冒険者ですよ?」
「それを言うならロンド君も新人ですよね?」
ジーンの指摘は的確なのだが、ここでも二人は無視して話を進める。
「この際、新人でも構わん。というか新人しかいないだろう!」
「で、ですけど、何かあった時にみんなを危険にさらしちゃうじゃないですか!」
「……あの、みんな冒険者ですよね?」
「──連れていくのは小僧とアークスでいいんじゃないか?」
ジーンの呟きに続いて、入口の方から声が聞こえてきた。
「ア、アルバスさん!」
「小僧? それにアークスだと?」
驚きの声は廻、疑問の声は二杉だ。
護衛の名目で話をしていたわけだから鍛冶師であるアークスの名前が出てくるのは不思議でならず、また小僧がロンドだと気づいていない。
「アークスは元々オレノオキニイリにいた鍛冶師だからな。案内役としてはぴったりだろう」
「案内役ならこちらから出す。心配だというならジーンを案内役にしても構わない」
「フ、フタスギ様!」
「当の本人が驚いているんだがな」
「……だが、アークスでは護衛にならない」
「そっちの警備が厳重なら問題はないだろう。小僧の実力も伸びてきているからな、友好ダンジョン都市の護衛なら任せられる」
「すまん、小僧というのは誰のことだ?」
「えっと、ロンド君のことです」
小僧がロンドだと分かると、二杉は納得顔を浮かべている。
しかし、アルバスの提案に待ったを掛けたのは廻だった。
「でも、それだと宿屋はどうなるんですか? それにアークスさんが抜けたら鍛冶屋が開けられないですよ!」
問題はロンドだけではなく、アークスの鍛冶屋にもあった。
現状ジーエフから出せる人材は冒険者のみ。他の人材は一人でも抜けてしまえばお店が開けられなくなるくらいに人手不足の状態なのだ。
「そんなもん、『店主外出中により閉店』の貼紙一つで済むことだろう」
「済みませんよ! 冒険者の武器整備はどうするんですか!」
「そんなもん自分自身でやらせろ。二日三日くらいならなんとかなる。宿屋なら朱髪小僧とかに任せられるだろう。なんだったらジレラ夫妻だっているんだしよ」
「それは! ……まあ、そうですねぇ」
「私は誰かが手伝ってくれるなら構いませんよ」
アルバスとニーナの言葉に廻はしばらく考えを巡らせる。
宿屋に関してはカナタ達やジレラ夫妻が手伝ってくれればなんとかなるだろう。実際に手伝ってもらったことも過去にあったのだ。
しかし、鍛冶屋に関しては心配な部分が多い。二日三日ならなんとかなると言っているものの、それで評判が下がる可能性もあるかもしれない。
「……本当に、鍛冶屋を閉めても大丈夫なんですか?」
「問題ない。それにお前は代わりの奴が来るまでは年中無休でアークスを働かせるつもりなのか?」
「まさか! そんなブラックな運営をしようとは思いませんよ!」
「ブラックかどうかはしらんが、違うなら休暇を与えるつもりで連れて行ったらどうだ? 一応、元いた都市なんだからな」
休暇だと言われると、それもいいのではないかと思ってしまう。
それに廻も年中無休で働かせるつもりはなく、元々休みが欲しいと言われれば与えるつもりでもいたのだ。
もしアークスが望むなら、それでもいいかと思い始めていた。
「オレノオキニイリにはアークスの師匠もいる。もし挨拶をしたいなら、アークスを連れて行くのもありだろう」
「アークスさんの、お師匠様ですか」
「警備のことなら安心しろ。ジーンやエルーカ以外にも冒険者は雇っている。それにな……」
そこまで口にした後、しばらく黙り込んでしまった二杉。
心配そうな視線を向けている廻に気づいたのか、少し恥ずかしそうにして再び口を開いた。
「……俺はアークスが移住するのを認めなかった。そのせいであいつは誰にも何も言わずに飛び出した可能性がある。もし行きたいと言うなら、アークスが行くのも悪くはないと思っただけだ」
自分の行いを悔いているのだと廻は安心していた。
友好ダンジョン都市を結んだ時に信頼していたつもりだったのだが、心のどこかでは都市に行ってみないと分からないと思っていたのかもしれない。
だが、今の言葉を受けて廻は二杉のことを完全に信頼することができた。
「……分かりました。ロンド君とアークスさんに声を掛けてみます」
立ち上がった廻は二人に断りを入れて移動しようとしたのだが、ふと立ち止まるとアルバスに声を掛ける。
「ところで、どうしてアルバスさんはここに来たんですか?」
「昼飯だよ昼飯」
時間はお昼を過ぎる少し前である。いつものアルバスならお昼を回ってからお昼と食べるのだが今日は少し早い。
「……ありがとうございます」
「いきなり何を言ってやがる、さっさと行きやがれ」
「はい!」
頭を掻いているアルバスに元気よく返事をした廻は、今度こそ本当に宿屋を後にした。
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