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第1章:異世界転生
本格的なレベル上げ②
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でか豚を八匹討伐したことでレベルが11に上がった。
スキルポイントの増加は1ポイント増えており7ポイント、合計が13ポイントになっていた。
「だけど、やっぱりもう一回はレベルアップが必要だな」
「それなら、強そうな奴のところに向かいましょう。まだ離れてはいないみたいだし」
リリアーナがそういうなら間違いないだろう。
俺は無言で頷くと、その場を離れて強そうな奴の方へと向かう。
相手が動物なのか、それとも魔族なのか。まし魔族ならリリアーナが教えてくれそうだし、魔族ではないかも。
そうなると、まだ見ぬでか動物の可能性もあるか。
……素材として使える動物ならいいなぁ。
移動してから五分ほどが経ち、先行していたリリアーナからストップが掛かった。
「……奥の茂み、見えるかしら?」
「……見える。だけど、あれは……でかい熊?」
いや、熊は元々がでかいんだけど、動物園で見たことのある熊よりも二回りくらいでかい熊が目の前で地面を掘っている。
「……あれは何をしているんだ?」
「……おそらく、地中に埋まっている食料を掘り起こそうとしているんだろう」
「……匂いで見つけたとか?」
「……だろうな。それよりも、今がチャンスだと思うんだが」
「……確かにそうだな。より安全を期すために、瞬歩を使って一気に仕留めるか」
強そうな奴の見た目がでか熊である。……絶対に強いだろうこれ。
ならばこちらも出し惜しみをせずにいくしかない。
一撃に集中するためにでか熊の動きをじーっと見据える。
ただ地面を掘っているだけなのだが、時折首を左右に振るところが見えており、周囲を警戒している姿も見える。
ならば…………ここだ!
「瞬歩!」
『——!』
俺が飛び出した途端に顔を上げて振り返る。
好都合だと俺は顔を上げたその首めがけてナイフを振り抜いた。
――ザンッ!
僅かに手ごたえが残ったものの、問題なく首を落とすことに成功する。
あまりに一瞬の出来事にでか熊は立ったまま絶命しており、ゆっくりと後ろに倒れていった。
「……このナイフの正体、早く知りたいなぁ」
手元に残るナイフを眺めながら鑑定をしてみるが……うーん、やっぱり分からないか。
鑑定スキルのレベルがどれだけ上がれば分かるようになるのか、俺にとっては一つの楽しみにもなっている。
「アマカワは本当に凄いな」
「俺というよりは、このナイフが凄いんだよ」
「……全く、お前は謙虚なんだな」
「本当のことだからな。しかし……でか熊一匹ではレベルはまだ上がらないか」
先ほどレベル11に上がったばかりだし、そこから12に上がるには必要な経験値が多く必要だろう。
あとどれくらいで12に上がるのかが分かれば嬉しいんだけど、そこまで都合よくはいかないみたいだ。
「リリアーナ、他に群れやでか熊がいる場所って分かる?」
「そうだなぁ……小さな群れになるが、二ヶ所ある。熊がいるところはなさそうだな」
「そうか。それなら、その小さな群れに向かおうかな」
「ちょっと待て、熊の爪や牙は良い素材になる。エルフの森で成長した物ならなおさらだ」
冒険者としての知識を活かしてお金になりそうな素材を教えてくれた。
まだ空間収納は習得できていないが、爪や牙程度なら鞄に入れることができるので、俺は素材を剥ぎ取り鞄へと突っ込んだ。
「もしかして、でか兎やでか豚にもあったりした?」
「いや、兎や豚は食料としての価値しかほとんどないわね。鞄に生肉を入れるわけにはいかないし、問題はないわよ。蛇に関しては一番価値のある皮を剥いでたから、てっきり知っていると思っていたわよ」
……蛇革とか、わに革とか、高級ってイメージを持っていただけです。
「そのあたりもご教授いただけると助かります」
「任せろ。それに、アマカワとならパーティを組んで冒険者活動をするのも悪くはなさそうだしね」
「ほ、本当か!」
おぉ、おおっ! まさか森の中でパーティ候補と出会うことができるとは!
それもエルフ……超かわいいエルフですよ! これは俺の人生すでに勝ち組になるのではないだろうか!
「本当よ。もちろん、アマカワが良ければだけど」
「良いに決まってるじゃないか! むしろ、俺からお願いしたいくらいだよ!」
「そ、そう、良かった」
嬉しそうに笑っている姿も、かわいいなぁ。
これは、リリアーナの役に立つためにも必ず空間収納を習得するのだ!
「よーし、やる気がさらに湧いてきたし、急いで群れに向かおう!」
「そうね、行きましょう!」
そして俺たちは群れに向かった。
一ヶ所目はでか兎が四匹、二ヶ所目はでか豚が二匹とでか蛇が一匹だった。
瞬歩は使っていたものの、この三種類の動物なら問題になることもなく、二ヶ所目にいた最後のでか蛇を仕留めてステータスを確認する。
「……レベル、12だー!」
これで空間収納を習得することができる!
スキルポイントは20となり、俺はその場で15ポイントを使って空間収納を習得した。
スキルポイントの増加は1ポイント増えており7ポイント、合計が13ポイントになっていた。
「だけど、やっぱりもう一回はレベルアップが必要だな」
「それなら、強そうな奴のところに向かいましょう。まだ離れてはいないみたいだし」
リリアーナがそういうなら間違いないだろう。
俺は無言で頷くと、その場を離れて強そうな奴の方へと向かう。
相手が動物なのか、それとも魔族なのか。まし魔族ならリリアーナが教えてくれそうだし、魔族ではないかも。
そうなると、まだ見ぬでか動物の可能性もあるか。
……素材として使える動物ならいいなぁ。
移動してから五分ほどが経ち、先行していたリリアーナからストップが掛かった。
「……奥の茂み、見えるかしら?」
「……見える。だけど、あれは……でかい熊?」
いや、熊は元々がでかいんだけど、動物園で見たことのある熊よりも二回りくらいでかい熊が目の前で地面を掘っている。
「……あれは何をしているんだ?」
「……おそらく、地中に埋まっている食料を掘り起こそうとしているんだろう」
「……匂いで見つけたとか?」
「……だろうな。それよりも、今がチャンスだと思うんだが」
「……確かにそうだな。より安全を期すために、瞬歩を使って一気に仕留めるか」
強そうな奴の見た目がでか熊である。……絶対に強いだろうこれ。
ならばこちらも出し惜しみをせずにいくしかない。
一撃に集中するためにでか熊の動きをじーっと見据える。
ただ地面を掘っているだけなのだが、時折首を左右に振るところが見えており、周囲を警戒している姿も見える。
ならば…………ここだ!
「瞬歩!」
『——!』
俺が飛び出した途端に顔を上げて振り返る。
好都合だと俺は顔を上げたその首めがけてナイフを振り抜いた。
――ザンッ!
僅かに手ごたえが残ったものの、問題なく首を落とすことに成功する。
あまりに一瞬の出来事にでか熊は立ったまま絶命しており、ゆっくりと後ろに倒れていった。
「……このナイフの正体、早く知りたいなぁ」
手元に残るナイフを眺めながら鑑定をしてみるが……うーん、やっぱり分からないか。
鑑定スキルのレベルがどれだけ上がれば分かるようになるのか、俺にとっては一つの楽しみにもなっている。
「アマカワは本当に凄いな」
「俺というよりは、このナイフが凄いんだよ」
「……全く、お前は謙虚なんだな」
「本当のことだからな。しかし……でか熊一匹ではレベルはまだ上がらないか」
先ほどレベル11に上がったばかりだし、そこから12に上がるには必要な経験値が多く必要だろう。
あとどれくらいで12に上がるのかが分かれば嬉しいんだけど、そこまで都合よくはいかないみたいだ。
「リリアーナ、他に群れやでか熊がいる場所って分かる?」
「そうだなぁ……小さな群れになるが、二ヶ所ある。熊がいるところはなさそうだな」
「そうか。それなら、その小さな群れに向かおうかな」
「ちょっと待て、熊の爪や牙は良い素材になる。エルフの森で成長した物ならなおさらだ」
冒険者としての知識を活かしてお金になりそうな素材を教えてくれた。
まだ空間収納は習得できていないが、爪や牙程度なら鞄に入れることができるので、俺は素材を剥ぎ取り鞄へと突っ込んだ。
「もしかして、でか兎やでか豚にもあったりした?」
「いや、兎や豚は食料としての価値しかほとんどないわね。鞄に生肉を入れるわけにはいかないし、問題はないわよ。蛇に関しては一番価値のある皮を剥いでたから、てっきり知っていると思っていたわよ」
……蛇革とか、わに革とか、高級ってイメージを持っていただけです。
「そのあたりもご教授いただけると助かります」
「任せろ。それに、アマカワとならパーティを組んで冒険者活動をするのも悪くはなさそうだしね」
「ほ、本当か!」
おぉ、おおっ! まさか森の中でパーティ候補と出会うことができるとは!
それもエルフ……超かわいいエルフですよ! これは俺の人生すでに勝ち組になるのではないだろうか!
「本当よ。もちろん、アマカワが良ければだけど」
「良いに決まってるじゃないか! むしろ、俺からお願いしたいくらいだよ!」
「そ、そう、良かった」
嬉しそうに笑っている姿も、かわいいなぁ。
これは、リリアーナの役に立つためにも必ず空間収納を習得するのだ!
「よーし、やる気がさらに湧いてきたし、急いで群れに向かおう!」
「そうね、行きましょう!」
そして俺たちは群れに向かった。
一ヶ所目はでか兎が四匹、二ヶ所目はでか豚が二匹とでか蛇が一匹だった。
瞬歩は使っていたものの、この三種類の動物なら問題になることもなく、二ヶ所目にいた最後のでか蛇を仕留めてステータスを確認する。
「……レベル、12だー!」
これで空間収納を習得することができる!
スキルポイントは20となり、俺はその場で15ポイントを使って空間収納を習得した。
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