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第二章:集落誕生?
移住希望者は結構多かったです
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まあ、相手がエルフであれ、年上であれ、シルクさんが信用している人であれば問題はないだろう。
何せ、俺はシルクさんに情報のやり取りを一任したのだから。
「それで、移住者はどれくらいになりそうなんですか?」
「あれれ? 予想外に普通の反応なんだねー?」
「まあ、最初は驚きましたけど、シルクさんが選んだ人ですからね」
俺がそういうと、リーレインさんは何度か瞬きを繰り返した後に、今までで一番の笑みを浮かべながらシルクさんへ視線を向ける。
「シー君、信用されてるんだねー! 羨ましいなー!」
「リーレインさん。その呼び方は止めて欲しいのにゃ」
「どうしてー? 可愛いじゃん、シー君!」
「恥ずかしいのにゃー!」
……いやまあ、確かにモフモフが両手をバタバタさせて照れている姿はかわいいな。
「と、とにかく! まずは移住者についての話をするのにゃ!」
っと、かわいいを見つめているだけの時間ではなかったか。
そこからはリーレインさんとシルクさんから、移住者の情報について報告された。
移住希望者は30人。
そのうち25人がN、5人がRだった。
Nが多いのは当然なのだが、Rが5人もいることには驚いてしまう。
「Rだからと言って、十分な給金を得られる仕事に就けるとは限らないからにゃ」
「うんうん。ちなみに、Rの5人に関しては僕から話を持っていったんだ。もちろん、信用できる人物だから大丈夫だよ!」
ということらしい。
次に、移住者の職業について確認したのだが、最初に口を開いたのはリーレインさんだ。
「Rの5人は全員が冒険者、戦闘職だね。まあ、パーティを組んでいた全員なんだ。七色の光ってパーティだよ」
男性3人、女性2人のパーティ。
男性は重戦士、軽戦士、盗賊。
女性は二重魔法師と拳闘士。
「二重魔法師の方は、水と木の属性持ちだよ」
「水と木か……農業に役立ちそうだな」
「……農業?」
おっと、俺の独り言がリーレインさんに聞こえたみたいだ。
「Nの人たちも聞くかい? 人数も多いから、一応は紙にまとめているけどにゃ」
「それじゃあ、後で紙を確認しておきます」
そちらには家族構成も書かれているようなので、家の建設が追加で必要かも確認できそうだ。
「そうそう、スー君の集落は面白そうだし、僕も移住することにするよー」
「リーレインさんも来るんですか?」
「ダメなのかい?」
「いえ、ダメってことはないんですが……数少ないエルフの生き残りなんですよね? 何か使命とか、そういったことはないんですか?」
俺の質問に、リーレインさんはニコニコしながら口を開く。
「それを勇者である君が言うのかい?」
……ごもっともで。
よく見ると、ルリエもシルクさんもがっかりしたような表情でこちらを見ている。
「僕には特に使命とかないんだよー」
「そ、そうなんですか?」
「うん。エルフ族の再興とか、世界を救うとか、そんなものなーし! 僕は僕だし、自由に生きているんだよねー。スー君と同じだよ」
「……あの、さっきから気になってたんですが……スー君ってのは、俺のこと、ですか?」
「他に誰がいるんだい? ちなみに、ルリエちゃんはルーちゃんだよ?」
……うん、さすがのルリエも呆気に取られている。
この調子だと、リリルはリーちゃんになりそうだな。
「スー君は勇者だけど、王都に向かうとか、人族を救うとか、考えていないんでしょ?」
「まあ、そうですね。俺は辺境でスローライフを夢見てますから」
「スローライフを夢見ているのに、集落を造ろうとしているのかい?」
「えっと、まあ、成り行きで」
「それも、魔族も一緒に暮らす集落でしょ?」
「……はい」
「…………あははははっ! 本当に、スー君って面白いね!」
そ、そこは笑うところなんだろうか?
だがまあ、スローライフを夢見ている者のやることではない……気がする。
「とはいえ、僕としては人族も魔族も関係ないからいいんだけどねー」
「そうなんですか?」
人界にいるから、てっきり人族寄りの人物だと思っていたのだが、そうではないようだ。
「今はシー君が気に入っているからねー。でも、一番のお気に入りが、ついさっき更新されたよー」
リーレインさんの言葉に、俺は何故かドキリとした。
「……そ、その一番のお気に入りって、もしかして」
「もちろん、スー君だよ!」
「で、ですよね~」
……ま、まあ、凄そうな人が移住してくれるのは、ありがたいこと、なのかな?
何せ、俺はシルクさんに情報のやり取りを一任したのだから。
「それで、移住者はどれくらいになりそうなんですか?」
「あれれ? 予想外に普通の反応なんだねー?」
「まあ、最初は驚きましたけど、シルクさんが選んだ人ですからね」
俺がそういうと、リーレインさんは何度か瞬きを繰り返した後に、今までで一番の笑みを浮かべながらシルクさんへ視線を向ける。
「シー君、信用されてるんだねー! 羨ましいなー!」
「リーレインさん。その呼び方は止めて欲しいのにゃ」
「どうしてー? 可愛いじゃん、シー君!」
「恥ずかしいのにゃー!」
……いやまあ、確かにモフモフが両手をバタバタさせて照れている姿はかわいいな。
「と、とにかく! まずは移住者についての話をするのにゃ!」
っと、かわいいを見つめているだけの時間ではなかったか。
そこからはリーレインさんとシルクさんから、移住者の情報について報告された。
移住希望者は30人。
そのうち25人がN、5人がRだった。
Nが多いのは当然なのだが、Rが5人もいることには驚いてしまう。
「Rだからと言って、十分な給金を得られる仕事に就けるとは限らないからにゃ」
「うんうん。ちなみに、Rの5人に関しては僕から話を持っていったんだ。もちろん、信用できる人物だから大丈夫だよ!」
ということらしい。
次に、移住者の職業について確認したのだが、最初に口を開いたのはリーレインさんだ。
「Rの5人は全員が冒険者、戦闘職だね。まあ、パーティを組んでいた全員なんだ。七色の光ってパーティだよ」
男性3人、女性2人のパーティ。
男性は重戦士、軽戦士、盗賊。
女性は二重魔法師と拳闘士。
「二重魔法師の方は、水と木の属性持ちだよ」
「水と木か……農業に役立ちそうだな」
「……農業?」
おっと、俺の独り言がリーレインさんに聞こえたみたいだ。
「Nの人たちも聞くかい? 人数も多いから、一応は紙にまとめているけどにゃ」
「それじゃあ、後で紙を確認しておきます」
そちらには家族構成も書かれているようなので、家の建設が追加で必要かも確認できそうだ。
「そうそう、スー君の集落は面白そうだし、僕も移住することにするよー」
「リーレインさんも来るんですか?」
「ダメなのかい?」
「いえ、ダメってことはないんですが……数少ないエルフの生き残りなんですよね? 何か使命とか、そういったことはないんですか?」
俺の質問に、リーレインさんはニコニコしながら口を開く。
「それを勇者である君が言うのかい?」
……ごもっともで。
よく見ると、ルリエもシルクさんもがっかりしたような表情でこちらを見ている。
「僕には特に使命とかないんだよー」
「そ、そうなんですか?」
「うん。エルフ族の再興とか、世界を救うとか、そんなものなーし! 僕は僕だし、自由に生きているんだよねー。スー君と同じだよ」
「……あの、さっきから気になってたんですが……スー君ってのは、俺のこと、ですか?」
「他に誰がいるんだい? ちなみに、ルリエちゃんはルーちゃんだよ?」
……うん、さすがのルリエも呆気に取られている。
この調子だと、リリルはリーちゃんになりそうだな。
「スー君は勇者だけど、王都に向かうとか、人族を救うとか、考えていないんでしょ?」
「まあ、そうですね。俺は辺境でスローライフを夢見てますから」
「スローライフを夢見ているのに、集落を造ろうとしているのかい?」
「えっと、まあ、成り行きで」
「それも、魔族も一緒に暮らす集落でしょ?」
「……はい」
「…………あははははっ! 本当に、スー君って面白いね!」
そ、そこは笑うところなんだろうか?
だがまあ、スローライフを夢見ている者のやることではない……気がする。
「とはいえ、僕としては人族も魔族も関係ないからいいんだけどねー」
「そうなんですか?」
人界にいるから、てっきり人族寄りの人物だと思っていたのだが、そうではないようだ。
「今はシー君が気に入っているからねー。でも、一番のお気に入りが、ついさっき更新されたよー」
リーレインさんの言葉に、俺は何故かドキリとした。
「……そ、その一番のお気に入りって、もしかして」
「もちろん、スー君だよ!」
「で、ですよね~」
……ま、まあ、凄そうな人が移住してくれるのは、ありがたいこと、なのかな?
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