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第二章:新たなる力、メガネ付き
第1話:プロローグ
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「――いらっしゃいませー!」
「――ありがとうございましたー!」
道具屋に響き渡るのは、気持ちの良い元気な女性の声だった。
それも一人ではなく、二人の女性の声。
「ほほほ。そろそろ休憩にしましょうか、アスカさん、ナツキさん」
「「はい!」」
日本からマグノリア王国へ勇者召喚された夏希、そして巻き込まれてしまった明日香は、城下に店を構えているジジの道具屋で働いている。
明日香と夏希は一時期、敵対関係にあったものの今では同郷の友として生活を送っていた。
「お客さん、最近は多くなりましたね」
「そうなんですか?」
「ほほほ。きっと、可愛い女性店員が増えたからでしょうなぁ」
「またまたー。ジジさん、おだてても何も出ないですよ?」
明日香はそう返していたが、実際に道具屋へ通う客は増えており、理由もまさにその通りだった。
明日香だけが働いている時も少しずつ増えていたが、そこに若い夏希が増えた事でより一層に客足が多くなっていた。
――コンコン。
奥のリビングで休憩をしていると、裏口のドアがノックされた。
「あ、私が出ます!」
立ち上がった明日香がドアを開けると、そこには美しい銀髪が切れ長の瞳を僅かに隠している美しい男性が立っていた。
「おかえりなさい、イーライ」
「おかえりはおかしいだろう、アスカ」
腰に下げた剣を外しながら道具屋に入ったイーライは、そのまま壁に立て掛けると空いている椅子に腰掛ける。
そこに慣れた様子で明日香が料理を運んでくると、何食わぬ顔で食事を始めた。
「美味いです、ジジさん」
「ほほほ、ありがとう」
「しかし、本当にいいんですか? 俺まで毎日のようにご馳走になってしまって」
イーライは騎士を辞めた後、冒険者になっていた。
明日香には最後の選択にしろと言っていたイーライだが、彼の場合はそもそもの戦闘技術が他の新人冒険者と比べて比較にならない程に仕上がっている。
変に別の仕事に就くよりも、自分の経験を活かせる職業として冒険者を選んでいた。
「ほほほ。たまに手伝いをしてもらっておりますから、これくらいはのう」
「だけど……」
「もう、イーライ。毎回のやり取りだよ、これ」
「私も思いました。イーライさんって、律義なんですね」
「うぐっ! ……はぁ。まあ、俺にとってはありがたいからいいんだけどな」
「ほほほ。それでいいのですよ」
イーライは本業を冒険者、副業的に道具屋を手伝っている。とはいえ、彼がやっている事は重い荷物を運ぶ事と道具屋の護衛程度だ。
その他で言えば、明日香と夏希に色目を使う相手に睨みを利かせる事、だろうか。
「食事が終わったら、イーライも一緒に午後もよろしくお願いしますね」
明日香の異世界生活は、新しい同僚と共に楽しいものになろうとしていた。
「――ありがとうございましたー!」
道具屋に響き渡るのは、気持ちの良い元気な女性の声だった。
それも一人ではなく、二人の女性の声。
「ほほほ。そろそろ休憩にしましょうか、アスカさん、ナツキさん」
「「はい!」」
日本からマグノリア王国へ勇者召喚された夏希、そして巻き込まれてしまった明日香は、城下に店を構えているジジの道具屋で働いている。
明日香と夏希は一時期、敵対関係にあったものの今では同郷の友として生活を送っていた。
「お客さん、最近は多くなりましたね」
「そうなんですか?」
「ほほほ。きっと、可愛い女性店員が増えたからでしょうなぁ」
「またまたー。ジジさん、おだてても何も出ないですよ?」
明日香はそう返していたが、実際に道具屋へ通う客は増えており、理由もまさにその通りだった。
明日香だけが働いている時も少しずつ増えていたが、そこに若い夏希が増えた事でより一層に客足が多くなっていた。
――コンコン。
奥のリビングで休憩をしていると、裏口のドアがノックされた。
「あ、私が出ます!」
立ち上がった明日香がドアを開けると、そこには美しい銀髪が切れ長の瞳を僅かに隠している美しい男性が立っていた。
「おかえりなさい、イーライ」
「おかえりはおかしいだろう、アスカ」
腰に下げた剣を外しながら道具屋に入ったイーライは、そのまま壁に立て掛けると空いている椅子に腰掛ける。
そこに慣れた様子で明日香が料理を運んでくると、何食わぬ顔で食事を始めた。
「美味いです、ジジさん」
「ほほほ、ありがとう」
「しかし、本当にいいんですか? 俺まで毎日のようにご馳走になってしまって」
イーライは騎士を辞めた後、冒険者になっていた。
明日香には最後の選択にしろと言っていたイーライだが、彼の場合はそもそもの戦闘技術が他の新人冒険者と比べて比較にならない程に仕上がっている。
変に別の仕事に就くよりも、自分の経験を活かせる職業として冒険者を選んでいた。
「ほほほ。たまに手伝いをしてもらっておりますから、これくらいはのう」
「だけど……」
「もう、イーライ。毎回のやり取りだよ、これ」
「私も思いました。イーライさんって、律義なんですね」
「うぐっ! ……はぁ。まあ、俺にとってはありがたいからいいんだけどな」
「ほほほ。それでいいのですよ」
イーライは本業を冒険者、副業的に道具屋を手伝っている。とはいえ、彼がやっている事は重い荷物を運ぶ事と道具屋の護衛程度だ。
その他で言えば、明日香と夏希に色目を使う相手に睨みを利かせる事、だろうか。
「食事が終わったら、イーライも一緒に午後もよろしくお願いしますね」
明日香の異世界生活は、新しい同僚と共に楽しいものになろうとしていた。
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