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1巻
1-3
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「よかった、無事だったのね!」
「ごめんなさい、お母さん!」
どうやらあの二人はティナさんの両親のようだ。
……互いのことを想い合う。これが本当の、家族の姿なんだろうな。
「あの人たちが助けてくれたの」
「え?」
ティナさんがそう口にして入り口の所に立っていた俺たちを指さすと、両親は驚いたように視線を向けた。
俺は気持ちを切り替え、ルッツさんと共に三人のもとに向かった。
「初めまして。俺はリドル・ブリードと申します」
「私は流れの商人でルッツと申します」
「ルッツさんに、リドル……ブ、ブリード!?」
「もしかして、この地の領主様のご子息様でしょうか!?」
父親が驚きの声を上げ、母親が確認を取る。
「え? 領主様の、ご子息様?」
まさか領主の息子だとは思っていなかっただろうティナさんは、困惑した顔で俺と両親の間で視線を彷徨わせていた。
俺は頬を掻きながら答える。
「えっと、少し前まではそうでした」
「……ど、どういうことでしょうか?」
「俺はブリード家を追放されたんです。そして、この未開地の領主として任命されました」
……うん、そうだよね。いきなり子供から領主になりました、だなんて言われても、ぽかーんとしちゃうよね。気持ちは分かるよ、うんうん。
「驚くのも無理はないと思います。ですが……いきなりやってきて申し訳ないのですが、どこか落ち着いて話ができる場所はあるでしょうか? 実はもうくたくたでして」
苦笑しながらそう口にすると、ティナさんが両親の方を向いて口を開く。
「お願い、お父さん! 私を助けてくれた人なの! デスベアーを倒してくれたんだよ!」
「なっ! ……わ、分かりました。では、私たちの屋敷へお越しください」
「ありがとうございます!」
どうやら村の人から見ても、デスベアーは強い魔獣なのかもしれない。
両親からは疑いの眼差しを向けられながら、俺たちはティナさんたちについていく。
村の中に入ると、村人たちからも視線を集めており、居心地はどこかよくない。
注がれている視線がなんというか、ブリード家にいたころに感じていた視線と同じなのだ。
正直これは、歓迎されていないんだろうと思えてならない。
「お待たせいたしました。こちらになります」
ティナさんたちの屋敷も、他の建物と変わらず木造のものだ。
ブリード家があったような大きな街ではあまり見ないが、俺はこういった木造の建物の方が、温かみがあってホッとするんだよな。
なんていうか、日本の田舎に帰ってきたような、そんな感覚を覚えるんだよね。
「おじゃまいたします」
ティナさんたちが屋敷に入ると、続いて俺がレオとルナを抱き上げて入り、最後にルッツさんが入っていく。
玄関のすぐ目の前がリビングになっており、ティナさんと母親が椅子を引いてくれたので、俺とルッツさんがそちらに腰掛ける。
「まずは、娘のティナを助けていただき、誠にありがとうございます」
「いえ、当然のことをしただけですから」
俺がそう答えると、父親はどうにも納得しがたい表情を浮かべている。
「……私は村長をしております、ナイルと申します」
「ナイルの妻で、ルミナです」
なんと、ティナさんの父親は、この村の村長だったのか。
「それで、領主様のご子息……ではありませんでしたね。新領主様が、この村になんのご用でしょうか?」
村長としては、いきなり新領主が現れたら警戒するだろう。
もしも新領主が横暴な人間であれば、何を言われるか分からないのだから当然だ。
「……隠すことでもないのではっきり言いますが、俺はブリード家を追放された身です。なので、ナイルさんが警戒するのも分かります」
「いえ、その、警戒などでは……」
「気にしないでください。俺がナイルさんの立場だったら、同じように警戒すると思いますから」
苦笑しながらそう伝えると、ナイルさんは申し訳なさそうに軽く頭を下げる。
「俺がこの地に来た理由ですが、単純に、追放される時に父にここの領地を授かったからです。まあ、他に行く場所がなかったというのもありますけどね」
「……あの、領主様?」
するとここでルミナさんが声を掛けてきた。
「お二人共、俺のことはリドルでいいですよ」
「それは……いいえ、分かりました。リドルさんは、本当にブリード家を追放されたのですか?」
「はい。俺が授かったスキルが小型オンリーテイムだったから、追放されてしまいました」
ここでナイルさんたちからも蔑みの目を向けられたなら……俺は、どうしたらいいんだろう。
この地で領主としてやっていけるのだろうか。
しかしルミナさんだけでなく、ナイルさんとティナさんも驚いたように目を見開いている。
「……え? それが理由って、どういうことでしょうか?」
「そうだよな。スキルが理由だと言われても、私たちにはよく分かりません」
「それにレオとルナ、とっても強かったんだよ! 二匹がデスベアーを倒したんだからね!」
「……え?」
三人の反応に、正直なところ、俺も驚いている。
小型オンリーテイムと聞いても、彼らは俺が追放された理由にピンときていないようだ。
……もしかして、辺境のこの村には他人のスキルを尊重するという、昔の考え方が残っているのかもしれない。
そうなると今の一般的な考え方を伝えなければ、俺が追放された理由について納得してもらえないだろう。
「えっと、実は近年のブリード領地では……といいますか、全国的にスキルの強弱でその人を見定めるような風潮ができていまして、それで俺は切り捨てられたんです。小型しかテイムできないテイマーは役立たずだと言われて」
「ですが、スキルは神から与えられたものであり、どんなスキルでも尊重して生活をするのが我々の務めなのでは?」
「……その考え方が、今もなお残っていてくれていることに、俺は感激しています」
少なくとも、俺がこの地でやっていける可能性は出てきたということだ。
「ですが……」
だが、そう思ったのも束の間、ナイルさんが真剣な面持ちでこちらを見つめ、改めて口を開く。
「私たちは、あなたをすぐに新領主だと認めるわけにはまいりません」
まっすぐに見つめられながら、はっきりとそう言われてしまった。
「そんな、お父さん!?」
ナイルさんの意見に反論しようとしたのは、ティナさんだった。
しかしナイルさんは首を横に振り、自身の意見をまっすぐに伝えてくる。
「ブリード家はこの地を未開地と認定し、私たちへの支援を一切行ってくれませんでした。あなたもそうだとは言い切れませんが、すぐにブリード家の人間を信用しろというのは、虫がよすぎるのではないですか?」
父さんがここを未開地と決め、支援もしていなかったというのは初耳だ。
でも父さんは自身の利益のことしか考えない人だし、きっとナイルさんの言っていることは正しいのだろう。
それならこの主張は、至極当然なものだと俺も思う。
すると、ナイルさんははっきりした口調で続ける。
「リドル様には申し訳ありませんが、私たちは私たちの力で生きていきたいと考えております。領主など必要ありません」
「仰ることは分かります。でも待ってください!」
ナイルさんの主張を尊重したい気持ちもあるが、このまま引き下がってしまっては、この地に来た意味がなくなってしまう。
最初からマイナスの印象を抱かれているのであればこそ、できることを全力で取り組みたい。
「数日で構いません、俺をこの村に泊めていただけませんか? その間は領主としてではなく、移住してきた一人の村人として接してください」
「……領主としてではなく、一人の村人として、ですか?」
「はい。俺は領主としての意識で行動します。だけど、皆さんは俺のことを領主だと思わなくて構いません」
「……ど、どういうことでしょうか?」
困惑気味のナイルさんとルミナさんへ、俺は自分の考えを告げていく。
「俺は領主として、この村が今以上の生活をできるようにと考えているので、皆さんに認めてもらえるよう行動します。もちろん、何かをやりたいと思ったら必ずナイルさんに相談します」
「まあ、勝手にやられるよりはありがたいですが……あなたに何ができるのでしょう?」
「お父さん!」
ナイルさんの厳しい意見にティナさんが声を荒らげるが、俺は右手を上げて彼女を制した。
「いいんです、ティナさん。ナイルさんの意見は当たり前のものですから」
「で、でも……」
この子は本当に優しい女の子なんだな。
見ず知らずの俺のために、両親に大声を上げてくれているんだから。
「ナイルさんの信頼を得られなければ、すぐにこの村を出ていきます。数日で構いません、どうかお願いします!」
そう口にした俺は頭を下げ、そのままの勢いでおでこをテーブルにぶつけてしまう。
だが、顔を上げるつもりはない。ここで断られてしまえば、ここまで来たことが無意味になってしまうからだ。
「お父さん……」
「…………分かりました、リドル様」
「あ、ありがとうございます!!」
ナイルさんから許可が得られたことで一度顔を上げ、お礼を口にしてもう一度頭を下げる。
すると、ルミナさんとナイルさんは慌てて告げる。
「か、顔を上げてください!」
「そうですよ! 認めないとは言いましたが、あなたは領主様なのでしょう!」
「頭を下げることで少しでも信頼を得られるなら、俺の頭くらい何度だって下げられます! 本当にありがとうございます!!」
これは俺の、本心からの言葉だ。
ブリード家だから頭を下げない? 利益にならないから支援をしない? そんな意味のないプライドが、多くのところで失敗をもたらすのだ。
「……はぁ。まだ認めてはおりません。ですが、領主様が簡単に頭を下げてしまっては、その地の価値を下げることになってしまいますよ」
ため息交じりにナイルさんがそう言ってくれた。
……うん、確かにその通りだ。
「ですが、私たちの信頼は多少、得られましたよ」
「……え?」
「そうですね、あなた」
叱責されたかと思ったが、それだけではなかったようだ。
……はは。俺の頭も、少しは役に立ってくれたんだな。
俺が顔を上げると、ナイルさんが小さく微笑む。
「滞在中は、こちらの屋敷で寝泊まりしてください。リドル様も、ルッツ様も」
「い、いいんですか?」
「私もよろしいので?」
「もちろんです。ですがまあ、豪勢なおもてなしなどはできませんが」
そう口にしたナイルさんは苦笑した。
するとルッツさんが軽く周囲を眺めて尋ねる。
「……もしや、食糧事情が苦しいのでしょうか?」
「はは、仰る通りです。森の中には豊富にあるのでしょうが、強力な魔獣も多く、私たちだけではなかなか採取できないのです」
「この子にも森には入るなとあれほど言っていたのですが……ティナを助けていただき、本当にありがとうございました」
頭を掻きながらそう口にしたナイルさんのあとに、ルミナさんが改めてティナさんを助けたことへのお礼を伝えてくれた。
するとルッツさんは納得したように頷き、ナイルさんを見つめた。
「よろしければ、こちらへ向かう道中で確保していた食糧をいくつかお譲りいたしましょうか?」
「嬉しいご提案ですが、それは結構です」
「おや? どうしてですか?」
自身の提案がすぐに断られ、ルッツさんは疑問を口にした。
「私たちだけが譲ってもらうわけにはまいりません。でもルッツさんが他の村人に渡そうとしても、上手くいかないでしょうから」
「……信頼を得られていない私が提案しても、断られてしまう、ということですね?」
「その通りです」
村長だからといって、自分たちだけが贅沢をするわけにはいかないとナイルさんは考えているのだろう。
……本当なら父さんと違って、こういう人が領主になるべきなんだろうな。
そんなことを考えながら、俺は口を開く。
「そうなると、最初に改善するべきは食糧事情ですね。でも森での採取は危険だから、村の中で生産できるとよし、といった感じですか」
「まあ、その通りではあるのですが……それは正直、厳しいかと。森以外の土地のほとんどは乾燥していまして、作物を育てようにも発芽すらしないんです」
「そうなんですね」
ルミナさんの説明を受けて、俺は思案する。
俺にこの土地の土をどうこうすることは、正直難しい。
となるとテイマーらしく、魔獣の力を借りるべきなのだろうが、レオとルナにも土の改善なんてできないだろう。
つまり新たな従魔を見つけるしかない。そしてこの辺りで魔獣がいるところといえば、森しかないだろう。
しかし、近くにあるのは魔の森だ。通常よりも強い個体の魔獣が生息している場所である。
レオとルナが強いということは分かったが、森を探索するということは、二匹を危険に晒すことになってしまう。
「……ガルアッ!」
「どうしたんだ、レオ?」
すると突然、レオがいつもと違い力強く鳴いた。
「シャアアッ!」
「ル、ルナも?」
……あぁ、そうか。二匹には、俺の不安が伝わっちゃったんだな。さすがは俺の従魔たちだ。
お前たちがそう言うなら、俺も信じないと主として恥ずかしいよな。
「……一度、森に入りたいと思います」
決意を固めた俺は、ナイルさんたちへ告げた。
「も、森に入るだって!?」
「危険ですよ、リドルさん!?」
俺の言葉に驚いたのは、ナイルさんとルミナさんだった。
「不安がないと言ったら嘘になります。ですが俺は、大丈夫だと言ってくれているレオとルナを信じていますから」
レオとルナは俺に対して「いけるよ!」「大丈夫!」と言ってくれていた。
ならば俺も、二匹の想いに応えなければならない。
「大丈夫だよ! お父さん、お母さん! レオとルナ、とっても強いんだもん!」
そこへティナさんが、自分のことのように胸を張りながら言い返す。
「村にご迷惑は掛けませんので、許していただけませんか?」
俺は先ほど口にした通り、ナイルさんからの許可を得るべく尋ねた。
「……森の奥には、さらに強い魔獣がいるかもしれませんよ?」
「大丈夫です。俺はこの子たち、レオとルナを信じていますから」
俺はそう口にしながら、膝の上で行儀よく座っていたレオとルナの頭を軽く撫でた。
「……分かりました。ですが、本当に気をつけてくださいね? 酷いとお思いになるかもしれませんが、私たちでは魔の森の魔獣に太刀打ちできず、何かあっても助けにいけませんので」
申し訳なさそうにそう口にしたナイルさんに対して、俺は力強く首を横に振る。
「お気になさらず。これは、俺が勝手にしていることですから」
笑顔でそう返すと、ナイルさんも諦めたのか小さくため息を吐いた。
「それでは、今日は休んだ方がいいでしょう。ティナ。お二人を客間にご案内してあげなさい」
「はーい!」
最後にナイルさんがそう口にすると、ティナさんが元気よく返事して立ち上がった。
「こっちだよ! リドルさん、ルッツさん!」
「ありがとうございます、ティナさん」
俺がお礼を口にすると、ティナさんの動きがピタリと止まる。
「……ど、どうしたんですか?」
「……なんか話し方が、大人みたいだなって思って」
「あー……確かにそうかも」
俺がそう口にすると、先を歩いていたティナさんが振り返り、こちらに近づいてきた。
「もっと普通に話してほしいの!」
「普通にって……」
これが普通なんだけど……いや、違うか。
俺は領主だが、ティナさんから見た俺は歳の近い子供でしかないのかもしれない。
「……分かったよ、ティナさん」
「ぶー! 同い年くらいなのに、ティナさんだなんて呼ばれたくない!」
「えっと、それじゃあ……ティナ?」
「うん! えへへ、こっちだよ!」
さん付けではなくなったことが嬉しかったのか、ティナは笑顔で前を向き、そのまま客間へ案内するため歩き出す。
「全く、あの子は……」
そこへナイルさんの申し訳なさそうな呟きが聞こえてきた。
俺はすぐに振り返ると、人差し指を自分の口の前に持っていき、「何も言わないで」とジェスチャーで示した。
「……ありがとうございます」
ナイルさんからのそんな言葉を耳にした俺は、笑みを返してからティナについて歩き出した。
「ここだよ!」
リビングから廊下に出て、右に曲がった突き当たりが客間だった。
六畳くらいあり、大人と子供が寝泊まりするには十分な広さだ。
「ありがとう、ティナ」
「何か困ったことがあったら言ってね!」
俺がお礼を伝えると、ティナは嬉しそうに答えてくれた。
そして、リビングへ戻ろうとしたところ、すぐに振り返って口を開く。
「明日は気をつけてね、リドル!」
それだけを口にして、ティナは今度こそリビングへ戻っていった。
「なるほど。青春ですかねぇ?」
「青春? 今のがですか?」
何やら微笑みながらそう口にしていたルッツさんに、俺は首を傾げながら声を掛けた。
「えぇ、そうですとも。これがいい出会いになればいいですね、リドル様」
「何を言っているんですか? 既にいい出会いになっているじゃないですか」
俺はそう口にしながら、荷物の中から布を取り出してレオとルナの足の汚れを拭き取っていく。
そして、客間の端に畳んでおかれていた布団を敷き始めた。
「俺は先に休みますね。今日は疲れましたし、明日に備えて休んでおかないと」
気づけば日は既に姿を隠しており、窓の外は暗闇に包まれている。
お腹は空いていたものの、すぐに準備できるものではないし、今は食欲よりも睡眠欲の方が強かった。
「分かりました。私はもう少し起きていますので、先にお休みになっていてください」
ルッツさんはそう口にすると、部屋を照らしていた蝋燭を消してくれた。
「ありがとうございます。それでは、お休みなさい、ルッツさん」
「キャウァァ……」
「ニィィ……」
俺がお休みの挨拶を済ませると、レオは布団の中に、ルナは布団の上に乗っかってきた。
「ふふ。レオとルナも眠そうですね。それではお休みなさい、リドル様、レオ、ルナ」
こうして目を閉じた俺は、思いのほか疲れていたのだろう。
レオの温もりとルナの重さを感じながら、あっという間に深い眠りに落ちていったのだった。
◆◇◆◇第三章:食糧改善◇◆◇◆
翌朝、俺は朝食をいただいてから、再び森にやってきた。
とはいえ、今回は最初に来た時より奥へと進んでいた。
そこで地面の土を触ってみる。
「……村の中の地面よりも粘り気があるな」
ここに来る前にナイルさんの屋敷周辺の土を触ってみたが、サラサラとして乾燥していた。
農業については詳しくないものの、乾燥した土地では作物が育ちにくいというのは、なんとなく分かる。
乾燥した土地でも育つ作物があれば話は別だが、そうでなければ土の改善から始めなければならないだろう。
「土の改善に役立ちそうな小型魔獣……とりあえず、奥に進みながら探してみよう。レオ、ルナ」
「ガウ!」
「ミー!」
昨日のナイルさんたちとの話し合いの最中、二匹はとてもおとなしくしてくれていた。
だからだろうか、森に入ってからは俺の足元に留まることなく、あちらこちらを楽しそうに駆け回っている。
元気なのは何よりだが、いきなり魔獣が飛び出してくるなんてこともあるかもしれないので、気をつけてもらいたいところではあるけど。
「うーん、俺は魔獣の気配とかさっぱり分からないんだよな。なあ、レオ、ルナ。近くに魔獣の気配とかあるのか?」
走り回っていたレオとルナに声を掛けると、二匹は顔を見合わせたあと、同時に首を傾げる。
「ごめんなさい、お母さん!」
どうやらあの二人はティナさんの両親のようだ。
……互いのことを想い合う。これが本当の、家族の姿なんだろうな。
「あの人たちが助けてくれたの」
「え?」
ティナさんがそう口にして入り口の所に立っていた俺たちを指さすと、両親は驚いたように視線を向けた。
俺は気持ちを切り替え、ルッツさんと共に三人のもとに向かった。
「初めまして。俺はリドル・ブリードと申します」
「私は流れの商人でルッツと申します」
「ルッツさんに、リドル……ブ、ブリード!?」
「もしかして、この地の領主様のご子息様でしょうか!?」
父親が驚きの声を上げ、母親が確認を取る。
「え? 領主様の、ご子息様?」
まさか領主の息子だとは思っていなかっただろうティナさんは、困惑した顔で俺と両親の間で視線を彷徨わせていた。
俺は頬を掻きながら答える。
「えっと、少し前まではそうでした」
「……ど、どういうことでしょうか?」
「俺はブリード家を追放されたんです。そして、この未開地の領主として任命されました」
……うん、そうだよね。いきなり子供から領主になりました、だなんて言われても、ぽかーんとしちゃうよね。気持ちは分かるよ、うんうん。
「驚くのも無理はないと思います。ですが……いきなりやってきて申し訳ないのですが、どこか落ち着いて話ができる場所はあるでしょうか? 実はもうくたくたでして」
苦笑しながらそう口にすると、ティナさんが両親の方を向いて口を開く。
「お願い、お父さん! 私を助けてくれた人なの! デスベアーを倒してくれたんだよ!」
「なっ! ……わ、分かりました。では、私たちの屋敷へお越しください」
「ありがとうございます!」
どうやら村の人から見ても、デスベアーは強い魔獣なのかもしれない。
両親からは疑いの眼差しを向けられながら、俺たちはティナさんたちについていく。
村の中に入ると、村人たちからも視線を集めており、居心地はどこかよくない。
注がれている視線がなんというか、ブリード家にいたころに感じていた視線と同じなのだ。
正直これは、歓迎されていないんだろうと思えてならない。
「お待たせいたしました。こちらになります」
ティナさんたちの屋敷も、他の建物と変わらず木造のものだ。
ブリード家があったような大きな街ではあまり見ないが、俺はこういった木造の建物の方が、温かみがあってホッとするんだよな。
なんていうか、日本の田舎に帰ってきたような、そんな感覚を覚えるんだよね。
「おじゃまいたします」
ティナさんたちが屋敷に入ると、続いて俺がレオとルナを抱き上げて入り、最後にルッツさんが入っていく。
玄関のすぐ目の前がリビングになっており、ティナさんと母親が椅子を引いてくれたので、俺とルッツさんがそちらに腰掛ける。
「まずは、娘のティナを助けていただき、誠にありがとうございます」
「いえ、当然のことをしただけですから」
俺がそう答えると、父親はどうにも納得しがたい表情を浮かべている。
「……私は村長をしております、ナイルと申します」
「ナイルの妻で、ルミナです」
なんと、ティナさんの父親は、この村の村長だったのか。
「それで、領主様のご子息……ではありませんでしたね。新領主様が、この村になんのご用でしょうか?」
村長としては、いきなり新領主が現れたら警戒するだろう。
もしも新領主が横暴な人間であれば、何を言われるか分からないのだから当然だ。
「……隠すことでもないのではっきり言いますが、俺はブリード家を追放された身です。なので、ナイルさんが警戒するのも分かります」
「いえ、その、警戒などでは……」
「気にしないでください。俺がナイルさんの立場だったら、同じように警戒すると思いますから」
苦笑しながらそう伝えると、ナイルさんは申し訳なさそうに軽く頭を下げる。
「俺がこの地に来た理由ですが、単純に、追放される時に父にここの領地を授かったからです。まあ、他に行く場所がなかったというのもありますけどね」
「……あの、領主様?」
するとここでルミナさんが声を掛けてきた。
「お二人共、俺のことはリドルでいいですよ」
「それは……いいえ、分かりました。リドルさんは、本当にブリード家を追放されたのですか?」
「はい。俺が授かったスキルが小型オンリーテイムだったから、追放されてしまいました」
ここでナイルさんたちからも蔑みの目を向けられたなら……俺は、どうしたらいいんだろう。
この地で領主としてやっていけるのだろうか。
しかしルミナさんだけでなく、ナイルさんとティナさんも驚いたように目を見開いている。
「……え? それが理由って、どういうことでしょうか?」
「そうだよな。スキルが理由だと言われても、私たちにはよく分かりません」
「それにレオとルナ、とっても強かったんだよ! 二匹がデスベアーを倒したんだからね!」
「……え?」
三人の反応に、正直なところ、俺も驚いている。
小型オンリーテイムと聞いても、彼らは俺が追放された理由にピンときていないようだ。
……もしかして、辺境のこの村には他人のスキルを尊重するという、昔の考え方が残っているのかもしれない。
そうなると今の一般的な考え方を伝えなければ、俺が追放された理由について納得してもらえないだろう。
「えっと、実は近年のブリード領地では……といいますか、全国的にスキルの強弱でその人を見定めるような風潮ができていまして、それで俺は切り捨てられたんです。小型しかテイムできないテイマーは役立たずだと言われて」
「ですが、スキルは神から与えられたものであり、どんなスキルでも尊重して生活をするのが我々の務めなのでは?」
「……その考え方が、今もなお残っていてくれていることに、俺は感激しています」
少なくとも、俺がこの地でやっていける可能性は出てきたということだ。
「ですが……」
だが、そう思ったのも束の間、ナイルさんが真剣な面持ちでこちらを見つめ、改めて口を開く。
「私たちは、あなたをすぐに新領主だと認めるわけにはまいりません」
まっすぐに見つめられながら、はっきりとそう言われてしまった。
「そんな、お父さん!?」
ナイルさんの意見に反論しようとしたのは、ティナさんだった。
しかしナイルさんは首を横に振り、自身の意見をまっすぐに伝えてくる。
「ブリード家はこの地を未開地と認定し、私たちへの支援を一切行ってくれませんでした。あなたもそうだとは言い切れませんが、すぐにブリード家の人間を信用しろというのは、虫がよすぎるのではないですか?」
父さんがここを未開地と決め、支援もしていなかったというのは初耳だ。
でも父さんは自身の利益のことしか考えない人だし、きっとナイルさんの言っていることは正しいのだろう。
それならこの主張は、至極当然なものだと俺も思う。
すると、ナイルさんははっきりした口調で続ける。
「リドル様には申し訳ありませんが、私たちは私たちの力で生きていきたいと考えております。領主など必要ありません」
「仰ることは分かります。でも待ってください!」
ナイルさんの主張を尊重したい気持ちもあるが、このまま引き下がってしまっては、この地に来た意味がなくなってしまう。
最初からマイナスの印象を抱かれているのであればこそ、できることを全力で取り組みたい。
「数日で構いません、俺をこの村に泊めていただけませんか? その間は領主としてではなく、移住してきた一人の村人として接してください」
「……領主としてではなく、一人の村人として、ですか?」
「はい。俺は領主としての意識で行動します。だけど、皆さんは俺のことを領主だと思わなくて構いません」
「……ど、どういうことでしょうか?」
困惑気味のナイルさんとルミナさんへ、俺は自分の考えを告げていく。
「俺は領主として、この村が今以上の生活をできるようにと考えているので、皆さんに認めてもらえるよう行動します。もちろん、何かをやりたいと思ったら必ずナイルさんに相談します」
「まあ、勝手にやられるよりはありがたいですが……あなたに何ができるのでしょう?」
「お父さん!」
ナイルさんの厳しい意見にティナさんが声を荒らげるが、俺は右手を上げて彼女を制した。
「いいんです、ティナさん。ナイルさんの意見は当たり前のものですから」
「で、でも……」
この子は本当に優しい女の子なんだな。
見ず知らずの俺のために、両親に大声を上げてくれているんだから。
「ナイルさんの信頼を得られなければ、すぐにこの村を出ていきます。数日で構いません、どうかお願いします!」
そう口にした俺は頭を下げ、そのままの勢いでおでこをテーブルにぶつけてしまう。
だが、顔を上げるつもりはない。ここで断られてしまえば、ここまで来たことが無意味になってしまうからだ。
「お父さん……」
「…………分かりました、リドル様」
「あ、ありがとうございます!!」
ナイルさんから許可が得られたことで一度顔を上げ、お礼を口にしてもう一度頭を下げる。
すると、ルミナさんとナイルさんは慌てて告げる。
「か、顔を上げてください!」
「そうですよ! 認めないとは言いましたが、あなたは領主様なのでしょう!」
「頭を下げることで少しでも信頼を得られるなら、俺の頭くらい何度だって下げられます! 本当にありがとうございます!!」
これは俺の、本心からの言葉だ。
ブリード家だから頭を下げない? 利益にならないから支援をしない? そんな意味のないプライドが、多くのところで失敗をもたらすのだ。
「……はぁ。まだ認めてはおりません。ですが、領主様が簡単に頭を下げてしまっては、その地の価値を下げることになってしまいますよ」
ため息交じりにナイルさんがそう言ってくれた。
……うん、確かにその通りだ。
「ですが、私たちの信頼は多少、得られましたよ」
「……え?」
「そうですね、あなた」
叱責されたかと思ったが、それだけではなかったようだ。
……はは。俺の頭も、少しは役に立ってくれたんだな。
俺が顔を上げると、ナイルさんが小さく微笑む。
「滞在中は、こちらの屋敷で寝泊まりしてください。リドル様も、ルッツ様も」
「い、いいんですか?」
「私もよろしいので?」
「もちろんです。ですがまあ、豪勢なおもてなしなどはできませんが」
そう口にしたナイルさんは苦笑した。
するとルッツさんが軽く周囲を眺めて尋ねる。
「……もしや、食糧事情が苦しいのでしょうか?」
「はは、仰る通りです。森の中には豊富にあるのでしょうが、強力な魔獣も多く、私たちだけではなかなか採取できないのです」
「この子にも森には入るなとあれほど言っていたのですが……ティナを助けていただき、本当にありがとうございました」
頭を掻きながらそう口にしたナイルさんのあとに、ルミナさんが改めてティナさんを助けたことへのお礼を伝えてくれた。
するとルッツさんは納得したように頷き、ナイルさんを見つめた。
「よろしければ、こちらへ向かう道中で確保していた食糧をいくつかお譲りいたしましょうか?」
「嬉しいご提案ですが、それは結構です」
「おや? どうしてですか?」
自身の提案がすぐに断られ、ルッツさんは疑問を口にした。
「私たちだけが譲ってもらうわけにはまいりません。でもルッツさんが他の村人に渡そうとしても、上手くいかないでしょうから」
「……信頼を得られていない私が提案しても、断られてしまう、ということですね?」
「その通りです」
村長だからといって、自分たちだけが贅沢をするわけにはいかないとナイルさんは考えているのだろう。
……本当なら父さんと違って、こういう人が領主になるべきなんだろうな。
そんなことを考えながら、俺は口を開く。
「そうなると、最初に改善するべきは食糧事情ですね。でも森での採取は危険だから、村の中で生産できるとよし、といった感じですか」
「まあ、その通りではあるのですが……それは正直、厳しいかと。森以外の土地のほとんどは乾燥していまして、作物を育てようにも発芽すらしないんです」
「そうなんですね」
ルミナさんの説明を受けて、俺は思案する。
俺にこの土地の土をどうこうすることは、正直難しい。
となるとテイマーらしく、魔獣の力を借りるべきなのだろうが、レオとルナにも土の改善なんてできないだろう。
つまり新たな従魔を見つけるしかない。そしてこの辺りで魔獣がいるところといえば、森しかないだろう。
しかし、近くにあるのは魔の森だ。通常よりも強い個体の魔獣が生息している場所である。
レオとルナが強いということは分かったが、森を探索するということは、二匹を危険に晒すことになってしまう。
「……ガルアッ!」
「どうしたんだ、レオ?」
すると突然、レオがいつもと違い力強く鳴いた。
「シャアアッ!」
「ル、ルナも?」
……あぁ、そうか。二匹には、俺の不安が伝わっちゃったんだな。さすがは俺の従魔たちだ。
お前たちがそう言うなら、俺も信じないと主として恥ずかしいよな。
「……一度、森に入りたいと思います」
決意を固めた俺は、ナイルさんたちへ告げた。
「も、森に入るだって!?」
「危険ですよ、リドルさん!?」
俺の言葉に驚いたのは、ナイルさんとルミナさんだった。
「不安がないと言ったら嘘になります。ですが俺は、大丈夫だと言ってくれているレオとルナを信じていますから」
レオとルナは俺に対して「いけるよ!」「大丈夫!」と言ってくれていた。
ならば俺も、二匹の想いに応えなければならない。
「大丈夫だよ! お父さん、お母さん! レオとルナ、とっても強いんだもん!」
そこへティナさんが、自分のことのように胸を張りながら言い返す。
「村にご迷惑は掛けませんので、許していただけませんか?」
俺は先ほど口にした通り、ナイルさんからの許可を得るべく尋ねた。
「……森の奥には、さらに強い魔獣がいるかもしれませんよ?」
「大丈夫です。俺はこの子たち、レオとルナを信じていますから」
俺はそう口にしながら、膝の上で行儀よく座っていたレオとルナの頭を軽く撫でた。
「……分かりました。ですが、本当に気をつけてくださいね? 酷いとお思いになるかもしれませんが、私たちでは魔の森の魔獣に太刀打ちできず、何かあっても助けにいけませんので」
申し訳なさそうにそう口にしたナイルさんに対して、俺は力強く首を横に振る。
「お気になさらず。これは、俺が勝手にしていることですから」
笑顔でそう返すと、ナイルさんも諦めたのか小さくため息を吐いた。
「それでは、今日は休んだ方がいいでしょう。ティナ。お二人を客間にご案内してあげなさい」
「はーい!」
最後にナイルさんがそう口にすると、ティナさんが元気よく返事して立ち上がった。
「こっちだよ! リドルさん、ルッツさん!」
「ありがとうございます、ティナさん」
俺がお礼を口にすると、ティナさんの動きがピタリと止まる。
「……ど、どうしたんですか?」
「……なんか話し方が、大人みたいだなって思って」
「あー……確かにそうかも」
俺がそう口にすると、先を歩いていたティナさんが振り返り、こちらに近づいてきた。
「もっと普通に話してほしいの!」
「普通にって……」
これが普通なんだけど……いや、違うか。
俺は領主だが、ティナさんから見た俺は歳の近い子供でしかないのかもしれない。
「……分かったよ、ティナさん」
「ぶー! 同い年くらいなのに、ティナさんだなんて呼ばれたくない!」
「えっと、それじゃあ……ティナ?」
「うん! えへへ、こっちだよ!」
さん付けではなくなったことが嬉しかったのか、ティナは笑顔で前を向き、そのまま客間へ案内するため歩き出す。
「全く、あの子は……」
そこへナイルさんの申し訳なさそうな呟きが聞こえてきた。
俺はすぐに振り返ると、人差し指を自分の口の前に持っていき、「何も言わないで」とジェスチャーで示した。
「……ありがとうございます」
ナイルさんからのそんな言葉を耳にした俺は、笑みを返してからティナについて歩き出した。
「ここだよ!」
リビングから廊下に出て、右に曲がった突き当たりが客間だった。
六畳くらいあり、大人と子供が寝泊まりするには十分な広さだ。
「ありがとう、ティナ」
「何か困ったことがあったら言ってね!」
俺がお礼を伝えると、ティナは嬉しそうに答えてくれた。
そして、リビングへ戻ろうとしたところ、すぐに振り返って口を開く。
「明日は気をつけてね、リドル!」
それだけを口にして、ティナは今度こそリビングへ戻っていった。
「なるほど。青春ですかねぇ?」
「青春? 今のがですか?」
何やら微笑みながらそう口にしていたルッツさんに、俺は首を傾げながら声を掛けた。
「えぇ、そうですとも。これがいい出会いになればいいですね、リドル様」
「何を言っているんですか? 既にいい出会いになっているじゃないですか」
俺はそう口にしながら、荷物の中から布を取り出してレオとルナの足の汚れを拭き取っていく。
そして、客間の端に畳んでおかれていた布団を敷き始めた。
「俺は先に休みますね。今日は疲れましたし、明日に備えて休んでおかないと」
気づけば日は既に姿を隠しており、窓の外は暗闇に包まれている。
お腹は空いていたものの、すぐに準備できるものではないし、今は食欲よりも睡眠欲の方が強かった。
「分かりました。私はもう少し起きていますので、先にお休みになっていてください」
ルッツさんはそう口にすると、部屋を照らしていた蝋燭を消してくれた。
「ありがとうございます。それでは、お休みなさい、ルッツさん」
「キャウァァ……」
「ニィィ……」
俺がお休みの挨拶を済ませると、レオは布団の中に、ルナは布団の上に乗っかってきた。
「ふふ。レオとルナも眠そうですね。それではお休みなさい、リドル様、レオ、ルナ」
こうして目を閉じた俺は、思いのほか疲れていたのだろう。
レオの温もりとルナの重さを感じながら、あっという間に深い眠りに落ちていったのだった。
◆◇◆◇第三章:食糧改善◇◆◇◆
翌朝、俺は朝食をいただいてから、再び森にやってきた。
とはいえ、今回は最初に来た時より奥へと進んでいた。
そこで地面の土を触ってみる。
「……村の中の地面よりも粘り気があるな」
ここに来る前にナイルさんの屋敷周辺の土を触ってみたが、サラサラとして乾燥していた。
農業については詳しくないものの、乾燥した土地では作物が育ちにくいというのは、なんとなく分かる。
乾燥した土地でも育つ作物があれば話は別だが、そうでなければ土の改善から始めなければならないだろう。
「土の改善に役立ちそうな小型魔獣……とりあえず、奥に進みながら探してみよう。レオ、ルナ」
「ガウ!」
「ミー!」
昨日のナイルさんたちとの話し合いの最中、二匹はとてもおとなしくしてくれていた。
だからだろうか、森に入ってからは俺の足元に留まることなく、あちらこちらを楽しそうに駆け回っている。
元気なのは何よりだが、いきなり魔獣が飛び出してくるなんてこともあるかもしれないので、気をつけてもらいたいところではあるけど。
「うーん、俺は魔獣の気配とかさっぱり分からないんだよな。なあ、レオ、ルナ。近くに魔獣の気配とかあるのか?」
走り回っていたレオとルナに声を掛けると、二匹は顔を見合わせたあと、同時に首を傾げる。
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