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第18話:力持ち
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森に入ってから、三時間が経過した。
その間、俺は森の中を歩き続けており、レオとルナは一匹ずつ、自由に森の中を駆け回っている。
どうやら自分たちが俺を守らなければ! という思いが強くなったのか、必ず一匹は俺の傍にいるようになっていた。
……なんてこった。子供だと思っていたレオとルナが、気づけば自分たちで考えられるほど成長していたなんてね。
嬉しい限りだよ……うん、二匹の成長に関してはね!
「どうしよう! 小型魔獣が、ぜんっぜん見つからない!」
「ミー?」
俺が頭を抱えながら声をあげると、足元にいたルナがこちらを見上げながら首を傾げた。
「やっぱり、グースとゴンコの時は、運が良かったんだなぁ」
グースとゴンコの時のように、今回もすんなり見つかってくれないかなと、心のどこかで期待してしまっていた。
だが、現実ではそんなこともなく、俺はただ森の中を歩き続けているだけになっている。
「そもそも、魔の森だと小型魔獣の縄張りって、結構少なかったりするのか?」
小型魔獣だから弱いとは思わない。実際にレオとルナは、自分たちより何倍も大きい魔獣を倒してしまっているんだからな。
だけど、それはレオとルナだからということも考えられる。
世間一般的に見れば、やはり大型魔獣の方が力もあり、強いというのが普通とされているのだ。
「そろそろお昼の時間だし、戻らないとナイルさんたちを心配させるよなぁ」
村から森に入り、結構奥まで足を進めてきている。
まっすぐ戻るだけならそれほど時間は掛からないだろうけど、ここまで来たらギリギリまで探しておきたい、という気持ちもある。
しばらくその場で考えた結果、俺は――
「……よし、もう少し奥まで行ってみるか!」
「ミーミー!」
俺の決断にルナが嬉しそうに鳴いた。
まだまだ走り足りないのか、続けて足元でぐるぐると回り始めた。
「ガウ! ガウガウ!」
「うおっ! ……どうしたんだ、レオ?」
すると突然、前方からレオが戻ってきて、俺に飛びついてきた。
レオを受け止めながら聞いてみると、すぐに腕の中でバタバタと暴れ出す。
「とっとと! マジでどうしたんだ、レオ?」
「ガウ! ガウガウー!」
「えっ! 何か見つけたって!」
「ガウー!」
「分かった! いこう、ルナ!」
「ミーミー!」
レオが何かを見つけたと言ったので、俺は急いで飛び出してきた方向へと走っていく。
いったい何を見つけたのかは分からなかったが、レオもルナも俺が探しているものを理解しているはずだ。
つまり、小型魔獣の痕跡である可能性が高い!
「ガウ! ガウガウ!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……こ、これは!」
「ミー?」
俺の手のひらよりも小さい足跡が、地面に残されていた。
だが、それだけではない。
その足跡が、とても深く、しっかりと残されていたのだ。
「これはきっと、小柄でありながらも、重量級の魔獣の足跡に違いない! ということは、力持ちの魔獣かもしれないぞ、レオ!」
「ガウー! ガウガウ?」
「あぁ、偉いよ! さすがはレオだ!」
「ガウガウ~!」
この場に案内してくれたレオを抱き上げ、そのまま撫でまわしていく。
するとレオもまんざらではないのか、とても嬉しそうな声で鳴いていた。
「ミー……ミミー! ミッミミー!!」
「あっ! ちょっと、ルナ!」
すると今度はルナがいきなり駆け出してしまった。
駆け出す前に羨ましそうな鳴き声を漏らしていたので、もしかするとレオに嫉妬してしまったのだろうか。
「追い掛けよう、レオ!」
「ガウガウ!」
俺は慌ててレオを地面に下ろすと、一緒になってルナを追い掛けていく。
ルナの向かった先には、レオが見つけてくれた足跡が続いている。
もしかするとルナは、足跡の主を見つけようとしてくれているのかもしれない。
「これは、ルナのことも、褒めてやらないと、いけないな!」
足跡の主を見つけてくれたらもちろん褒めてあげるに決まっている。
むしろ、褒めることで撫でまわしてもいいなら、それは俺得でもあるのだ。
だけど、ルナ? ちょっとだけでいいから、お願い!
「そ、速度を少し、落としてくれ~!」
すでに疲労困憊の俺は、へとへとになりながら先頭を突っ走っていくルナを追い掛け続けた。
その間、俺は森の中を歩き続けており、レオとルナは一匹ずつ、自由に森の中を駆け回っている。
どうやら自分たちが俺を守らなければ! という思いが強くなったのか、必ず一匹は俺の傍にいるようになっていた。
……なんてこった。子供だと思っていたレオとルナが、気づけば自分たちで考えられるほど成長していたなんてね。
嬉しい限りだよ……うん、二匹の成長に関してはね!
「どうしよう! 小型魔獣が、ぜんっぜん見つからない!」
「ミー?」
俺が頭を抱えながら声をあげると、足元にいたルナがこちらを見上げながら首を傾げた。
「やっぱり、グースとゴンコの時は、運が良かったんだなぁ」
グースとゴンコの時のように、今回もすんなり見つかってくれないかなと、心のどこかで期待してしまっていた。
だが、現実ではそんなこともなく、俺はただ森の中を歩き続けているだけになっている。
「そもそも、魔の森だと小型魔獣の縄張りって、結構少なかったりするのか?」
小型魔獣だから弱いとは思わない。実際にレオとルナは、自分たちより何倍も大きい魔獣を倒してしまっているんだからな。
だけど、それはレオとルナだからということも考えられる。
世間一般的に見れば、やはり大型魔獣の方が力もあり、強いというのが普通とされているのだ。
「そろそろお昼の時間だし、戻らないとナイルさんたちを心配させるよなぁ」
村から森に入り、結構奥まで足を進めてきている。
まっすぐ戻るだけならそれほど時間は掛からないだろうけど、ここまで来たらギリギリまで探しておきたい、という気持ちもある。
しばらくその場で考えた結果、俺は――
「……よし、もう少し奥まで行ってみるか!」
「ミーミー!」
俺の決断にルナが嬉しそうに鳴いた。
まだまだ走り足りないのか、続けて足元でぐるぐると回り始めた。
「ガウ! ガウガウ!」
「うおっ! ……どうしたんだ、レオ?」
すると突然、前方からレオが戻ってきて、俺に飛びついてきた。
レオを受け止めながら聞いてみると、すぐに腕の中でバタバタと暴れ出す。
「とっとと! マジでどうしたんだ、レオ?」
「ガウ! ガウガウー!」
「えっ! 何か見つけたって!」
「ガウー!」
「分かった! いこう、ルナ!」
「ミーミー!」
レオが何かを見つけたと言ったので、俺は急いで飛び出してきた方向へと走っていく。
いったい何を見つけたのかは分からなかったが、レオもルナも俺が探しているものを理解しているはずだ。
つまり、小型魔獣の痕跡である可能性が高い!
「ガウ! ガウガウ!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……こ、これは!」
「ミー?」
俺の手のひらよりも小さい足跡が、地面に残されていた。
だが、それだけではない。
その足跡が、とても深く、しっかりと残されていたのだ。
「これはきっと、小柄でありながらも、重量級の魔獣の足跡に違いない! ということは、力持ちの魔獣かもしれないぞ、レオ!」
「ガウー! ガウガウ?」
「あぁ、偉いよ! さすがはレオだ!」
「ガウガウ~!」
この場に案内してくれたレオを抱き上げ、そのまま撫でまわしていく。
するとレオもまんざらではないのか、とても嬉しそうな声で鳴いていた。
「ミー……ミミー! ミッミミー!!」
「あっ! ちょっと、ルナ!」
すると今度はルナがいきなり駆け出してしまった。
駆け出す前に羨ましそうな鳴き声を漏らしていたので、もしかするとレオに嫉妬してしまったのだろうか。
「追い掛けよう、レオ!」
「ガウガウ!」
俺は慌ててレオを地面に下ろすと、一緒になってルナを追い掛けていく。
ルナの向かった先には、レオが見つけてくれた足跡が続いている。
もしかするとルナは、足跡の主を見つけようとしてくれているのかもしれない。
「これは、ルナのことも、褒めてやらないと、いけないな!」
足跡の主を見つけてくれたらもちろん褒めてあげるに決まっている。
むしろ、褒めることで撫でまわしてもいいなら、それは俺得でもあるのだ。
だけど、ルナ? ちょっとだけでいいから、お願い!
「そ、速度を少し、落としてくれ~!」
すでに疲労困憊の俺は、へとへとになりながら先頭を突っ走っていくルナを追い掛け続けた。
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