【完結】伝説の勇者のお嫁さん!気だるげ勇者が選んだのはまさかの俺

福の島

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「…リヴィア~…疲れたぁ…なんもしなくて良いって嘘じゃんね~?……」
「それくらい頑張れよシュン!こちとらお前の荷物持ってんだぞ?!」

基本的に自由な勇者も役割の1つとして王都に結界を貼る仕事がある。
それも教会がある山にいちいち登ってしなくてはならないものだからすっかり俺に懐いた勇者シュン・ハヤミは俺を頼る。

……声掛けなきゃ良かったかなぁ~?

「リヴィア~…なんか面白い話して~…」
「…あ?…面白いったって…普段騎士団の仕事しかしてない奴に面白いもクソもあるかよ…」
「…魔道騎士団?って大変なんだねぇ…」
「その上俺みたいな平民上がりだと色々なぁ~副団長が良い奴で良かったよ…」

国家騎士団には主に貴族が入り貴族が収める事で成り立ってきたから、俺みたいな平民が団長になるに当たってめちゃくちゃ大変だった…貴族はまぁ…弱い奴が多かったから俺が選ばれただけであって…

「…あんまり貴族の事で頭抱えたくないんだよな…もう歳だし…」
「…27がよく言うよねぇ…」
「18がなんか言うなよ…」

小言を挟みつつも着々と歩き教会につく。

「…よし…頼めるか?」
「はぁい…まかせて~…」

一見…と言わずやる気のないシュンでも結界を貼るのは歴代最高と言える程。
思わず笑ってしまうほど綺麗な結界を貼るのだ。

「…よーし終わり~…お弁当食べよ~…」
「今日はお前が教えてくれたおにぎりってやつにしたぞ」
「まじ?日本食嬉しすぎ…」

何故か毎度の事お弁当を俺に作らせるシュンにおにぎりを渡し俺も食べる。

「お…鮭だ…やった~俺おにぎりの具で1番好き。」
「お前のよく分からん説明から頑張って探したんだぞ?感謝して食えよ?」
「うわぁーい…ありがと~」

もそもそと食べていると食べるのがめちゃくちゃに早いシュンが草の上に寝そべる。
もはやいつもの事なので俺としては慣れた。

「は~…眠…お城のフカフカベットも良いけど…たまにはこうやって寝たいよね…」
「…シュンは、元の世界が恋しいか?」
「んー…どっちにしてもあんまり楽しい人生じゃなかったと思うし…リヴィアに会えたからこっちに来て良かったかも…」
「……そーかよ」

シュンはたまにこんな調子で俺に感謝を伝えてくる。
だいたいこの男は基本的に俺優先なのだ。
どこかの令嬢の誘いに行くなら俺の団の見学に来るし、俺との飯の約束があったら王家の誘いですら断ってしまう。

俺としてはなんとも言えない気持ちの方が大きいが、懐かれて悪い気はしないのでこのままでも良いかなとは思ってたりする。
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