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「リクリエイツ!これ生徒会室に運んでくれないか?」
「…生徒会室…ですか?」
「すまない!これから会議なんだ!」
「はぁ…分かりました…」
今日最後の授業が終わりさよなら~と帰ろうとした時、このクラスを担任しているジュード先生が俺にお使いを頼んできた。
生徒会室はちょっと嫌なんだよなぁ…フランシス様が生徒会長だから遭遇率高いって言うか…
エミリも帰っちゃったしなぁ…
「…行くか…」
そう心に決めた俺は岩よりも重い腰を無理やり上げて生徒会室にぼちぼちと向かったのだった。
渡された持っていく資料は学園祭用の資料だろうか、今9月あたりだからそういえば学園祭まではあと1ヶ月ちょいだったな、そりゃ生徒会は忙しくなるよ…
「失礼します」
軽く挨拶をして生徒会室の重い扉を開けると中に居たのはあのバカ第2王子ではなく屍のようになった1・2年の生徒会役員と黙々と資料を確認するギルバートさんだった。
「…リクリエイツ様?…おれ…ついに死んだのかなぁ…」
「おいおいやめろよ…俺を見る度に死んだとか思うな…君は…1年のキースだな?」
「ひぇ!おれのことわかるんすか!?」
うわよく知った反応された…俺の事なんだと思ってるんだ…だいたいキースはよくできた奴だから噂でよく聞くし知ってる。
「…フランシス様は居ないのか?」
「……フランシス様ならミリー令嬢連れてどこか行きましたっす…」
「はぁ!?何やってんだあのバカ第2王子…このクソ忙しい時期に…」
「リクリエイツ様?!不敬っすよ!!」
「あ?良いの良いの!事実だし本人いないし…君らも言うといいよ今だけだぞ~言えるのは」
俺の言葉を聞いてキースより屍のようになって机に突っ伏してた役員のご令嬢が「クソ王子~」だの「人の心が無い~」だの呟いたのをきっかけに、それぞれが不満を口に出していく。
「あはは!!やるじゃん!その意気だよ!俺も手伝ってやる!貸せ貸せ!」
その光景があまりにも面白くて俺は1年の子から書類を受け取ると一つ一つ丁寧に仕事をして行った。
書類仕事はできる方だしリクリエイツの時の記憶がめちゃくちゃ役に立ってる。
「…ギルバートさん、一昨年の学園祭資料ってどこにあるか分かりますか?」
「…リクリエイツ様…俺に敬語は不要ですし、さんもいりません。資料は3番目の棚右から4番目です。」
「そう?ギルバートありがと、俺もリクリエイツで良いよ」
3番と大きく書かれた棚を見て右から4番目にある学園祭と書かれた資料を取り出す、ちなみに机がないから俺は今会長の机で仕事をしていた、立派な机なのに使わないのはあれだからな~
「…リクリエイツ様…貴方はなぜそこまで手伝うんだ?本来なら貴方がやらなくてもいい仕事でしょう?」
「ギルバート…こんなにくたびれた後輩とギルバートを見て手伝わない方がおかしいだろ…?皆ずっとあんまり寝てないんだろ?目の下のクマが酷い」
キース含め1・2年ズが涙を流しながら喜んでくれるのをなだめつつ、ギルバートの反応を伺っていると、俺が言った言葉でしばらく黙りこくっていたギルバートが俺を真っ直ぐに見て「ありがとう」と言ったので俺はちょっぴり報われた気がした。
「…生徒会室…ですか?」
「すまない!これから会議なんだ!」
「はぁ…分かりました…」
今日最後の授業が終わりさよなら~と帰ろうとした時、このクラスを担任しているジュード先生が俺にお使いを頼んできた。
生徒会室はちょっと嫌なんだよなぁ…フランシス様が生徒会長だから遭遇率高いって言うか…
エミリも帰っちゃったしなぁ…
「…行くか…」
そう心に決めた俺は岩よりも重い腰を無理やり上げて生徒会室にぼちぼちと向かったのだった。
渡された持っていく資料は学園祭用の資料だろうか、今9月あたりだからそういえば学園祭まではあと1ヶ月ちょいだったな、そりゃ生徒会は忙しくなるよ…
「失礼します」
軽く挨拶をして生徒会室の重い扉を開けると中に居たのはあのバカ第2王子ではなく屍のようになった1・2年の生徒会役員と黙々と資料を確認するギルバートさんだった。
「…リクリエイツ様?…おれ…ついに死んだのかなぁ…」
「おいおいやめろよ…俺を見る度に死んだとか思うな…君は…1年のキースだな?」
「ひぇ!おれのことわかるんすか!?」
うわよく知った反応された…俺の事なんだと思ってるんだ…だいたいキースはよくできた奴だから噂でよく聞くし知ってる。
「…フランシス様は居ないのか?」
「……フランシス様ならミリー令嬢連れてどこか行きましたっす…」
「はぁ!?何やってんだあのバカ第2王子…このクソ忙しい時期に…」
「リクリエイツ様?!不敬っすよ!!」
「あ?良いの良いの!事実だし本人いないし…君らも言うといいよ今だけだぞ~言えるのは」
俺の言葉を聞いてキースより屍のようになって机に突っ伏してた役員のご令嬢が「クソ王子~」だの「人の心が無い~」だの呟いたのをきっかけに、それぞれが不満を口に出していく。
「あはは!!やるじゃん!その意気だよ!俺も手伝ってやる!貸せ貸せ!」
その光景があまりにも面白くて俺は1年の子から書類を受け取ると一つ一つ丁寧に仕事をして行った。
書類仕事はできる方だしリクリエイツの時の記憶がめちゃくちゃ役に立ってる。
「…ギルバートさん、一昨年の学園祭資料ってどこにあるか分かりますか?」
「…リクリエイツ様…俺に敬語は不要ですし、さんもいりません。資料は3番目の棚右から4番目です。」
「そう?ギルバートありがと、俺もリクリエイツで良いよ」
3番と大きく書かれた棚を見て右から4番目にある学園祭と書かれた資料を取り出す、ちなみに机がないから俺は今会長の机で仕事をしていた、立派な机なのに使わないのはあれだからな~
「…リクリエイツ様…貴方はなぜそこまで手伝うんだ?本来なら貴方がやらなくてもいい仕事でしょう?」
「ギルバート…こんなにくたびれた後輩とギルバートを見て手伝わない方がおかしいだろ…?皆ずっとあんまり寝てないんだろ?目の下のクマが酷い」
キース含め1・2年ズが涙を流しながら喜んでくれるのをなだめつつ、ギルバートの反応を伺っていると、俺が言った言葉でしばらく黙りこくっていたギルバートが俺を真っ直ぐに見て「ありがとう」と言ったので俺はちょっぴり報われた気がした。
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