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ニ
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「ふぁ…クソねみ…おはようす…」
キーンコーンカーンコーンと日本でもよく聞いたチャイムの音がなり、在校生の授業が始まった事を別棟に居る俺たちに知らせる。
「先輩~!遅いっすよ!!」
「あー…ごめんな~…?ちょっと大きい赤ちゃんがぐずっちゃって……」
「……おおきい…赤ちゃん…?」
あーぁ呆れるわ…朝あ~んなにカッコよかった第3王子がいざ俺が別棟に行くってなった時にやれ『ユウマが居ないと本気が出ない…』だの『離れていても愛しています…』だの…永遠の別れじゃねぇんだからって…
「…っはぁ~……アイツもまだまだガキだな…」
「…?せんぱい?」
「あーごめん、なんでもない…よっしゃベンノ!初めっぞ」
「うす!」
ベンノ・バジーリウス。バジーリウス侯爵家嫡男で次期バジーリウス領当主。
明るい茶色の髪に緑の目がトレードマークで、1個下の16歳。
俺の可愛い可愛い後輩だ。
初めて会った時はそりゃもうビクビクしてて話し合いにすらならなかったけど、今はこうして柴犬のように俺の後ろを着いて回るようになった。
ビクビクしてた理由についてベンノは『巡り人様に俺なんかが触れたら蒸発して最悪死にますよ!??!』と…よく分からんことを言われた。
「ベンノ~、聖魔法の記録書…去年の出してくれ」
「?聖魔法っすか?」
「そー、気になる事あんだよな~」
「…あ、創造魔法の事っすか?」
「正解」
別棟3階古代魔法研究所…今は俺とベンノしか居ない落ちぶれ研究所。
俺とベンノと…ゲルト先輩が憧れて…追い求めた過去の栄光。
_古代魔法、今はない聖魔法や創造魔法…そして、呪いの類いに分類される闇…束縛魔法。
「……俺が…もしかしたら古代魔法を使えるって…」
「…へ?」
「俺の先輩が言ったんだよ、巡り人の俺には使えるかもしれないって。」
「…え、え!?それってスゲェじゃないっすか!!」
「そう…できたらスゲェんだよ。ワクワクするだろ?」
「…っ~!ウッス!!」
卒業式が終わって、進学を希望した俺が別棟に来たばっかの時にゲルト先輩と見た書物、それに歴代の巡り人が書いた文章があった。
もちろん中身は日本語で、ゲルト先輩には読めない…そんな時に丁度巡り人である俺が別棟に来たから、ベンノの時みたいにビクビクしながらも先輩は声をかけてきたんだ。
『…あの!魔法好き??』って声をかけられた時はなんかの変質者かと思ったよ。
そんでその文章の中に、兄ちゃんみたいに旦那ができた男とか、逆に嫁ができた女とか…魔法極めちゃった人とか…まぁ色々あって、そのどれもが愚痴日記のような感じだった。
まぁ、そんな日記をみて古代魔法に興味持っちゃって結局ココに入り浸ってんだから俺も俺だよな。
…でも、その長い長い文書をこの間やっと読み終わって…古代魔法について書かれている部分を切り取って行くと、古代魔法は巡り人とか、その遺伝子がある子供にしか使えない事がわかったんだ。
簡単に言うと、古代魔法は異世界チートだ。
転生者特典として受け継がれるやつ。
「…でも…兄ちゃんと姉ちゃんは魔法使えないんだよな…」
分からないのは…これなんだよ。
「ユウマ先輩の兄貴様と姉御様すか…?でも御三方は魔法が無い世界から来たんすよね?」
「まぁ、そうなんだけどな…でも俺は使えるだろ?しかも割と異様に強いし…」
「そうっすね!俺も入学ん時に見た先輩に憧れたんで!!」
「お…おう…センキュ…」
家族で異世界に来たのは過去の巡り人を見ても俺たちだけだし…
…もしかして…俺…巡り人としての優先順位が高かったのか?
俺を異世界に送るつもりが、兄ちゃんと姉ちゃんも着いてきちゃった…みたいな…?
でも…でもそれだとおかしくないか…?
……巡り人の条件……
その時丁度落ち込んでて…孤独で…身内が居ない……
いや、でも俺には姉ちゃんと兄ちゃん…それにばぁちゃんも居た……
確かに…その時父ちゃんが死んで荒れてたけど…異世界に来た日にはだいぶ落ち着いてた……
「…ん~…分からん」
「無理は禁物っすよ~?先輩の先輩…ゲルト先輩の口癖だったんすよねぇ、無理は禁物!俺も口癖にしよっかな~」
「やめろ~…!お母さんは2人も要らない~!!」
「ふへへ!ゲルト先輩ってユウマ先輩のお母さんだったんすか~?い~な~俺も会ってみたいっす!!」
「ゲルト先輩は平民だからな~…多分お前に会ったらビクビクするぞ」
先輩はいわゆる特待生だな、やっぱりスゲェ人だよ…
「ふ~…とりあえず聖魔法から始めねぇとな!」
「お供するっす!!」
キーンコーンカーンコーンと日本でもよく聞いたチャイムの音がなり、在校生の授業が始まった事を別棟に居る俺たちに知らせる。
「先輩~!遅いっすよ!!」
「あー…ごめんな~…?ちょっと大きい赤ちゃんがぐずっちゃって……」
「……おおきい…赤ちゃん…?」
あーぁ呆れるわ…朝あ~んなにカッコよかった第3王子がいざ俺が別棟に行くってなった時にやれ『ユウマが居ないと本気が出ない…』だの『離れていても愛しています…』だの…永遠の別れじゃねぇんだからって…
「…っはぁ~……アイツもまだまだガキだな…」
「…?せんぱい?」
「あーごめん、なんでもない…よっしゃベンノ!初めっぞ」
「うす!」
ベンノ・バジーリウス。バジーリウス侯爵家嫡男で次期バジーリウス領当主。
明るい茶色の髪に緑の目がトレードマークで、1個下の16歳。
俺の可愛い可愛い後輩だ。
初めて会った時はそりゃもうビクビクしてて話し合いにすらならなかったけど、今はこうして柴犬のように俺の後ろを着いて回るようになった。
ビクビクしてた理由についてベンノは『巡り人様に俺なんかが触れたら蒸発して最悪死にますよ!??!』と…よく分からんことを言われた。
「ベンノ~、聖魔法の記録書…去年の出してくれ」
「?聖魔法っすか?」
「そー、気になる事あんだよな~」
「…あ、創造魔法の事っすか?」
「正解」
別棟3階古代魔法研究所…今は俺とベンノしか居ない落ちぶれ研究所。
俺とベンノと…ゲルト先輩が憧れて…追い求めた過去の栄光。
_古代魔法、今はない聖魔法や創造魔法…そして、呪いの類いに分類される闇…束縛魔法。
「……俺が…もしかしたら古代魔法を使えるって…」
「…へ?」
「俺の先輩が言ったんだよ、巡り人の俺には使えるかもしれないって。」
「…え、え!?それってスゲェじゃないっすか!!」
「そう…できたらスゲェんだよ。ワクワクするだろ?」
「…っ~!ウッス!!」
卒業式が終わって、進学を希望した俺が別棟に来たばっかの時にゲルト先輩と見た書物、それに歴代の巡り人が書いた文章があった。
もちろん中身は日本語で、ゲルト先輩には読めない…そんな時に丁度巡り人である俺が別棟に来たから、ベンノの時みたいにビクビクしながらも先輩は声をかけてきたんだ。
『…あの!魔法好き??』って声をかけられた時はなんかの変質者かと思ったよ。
そんでその文章の中に、兄ちゃんみたいに旦那ができた男とか、逆に嫁ができた女とか…魔法極めちゃった人とか…まぁ色々あって、そのどれもが愚痴日記のような感じだった。
まぁ、そんな日記をみて古代魔法に興味持っちゃって結局ココに入り浸ってんだから俺も俺だよな。
…でも、その長い長い文書をこの間やっと読み終わって…古代魔法について書かれている部分を切り取って行くと、古代魔法は巡り人とか、その遺伝子がある子供にしか使えない事がわかったんだ。
簡単に言うと、古代魔法は異世界チートだ。
転生者特典として受け継がれるやつ。
「…でも…兄ちゃんと姉ちゃんは魔法使えないんだよな…」
分からないのは…これなんだよ。
「ユウマ先輩の兄貴様と姉御様すか…?でも御三方は魔法が無い世界から来たんすよね?」
「まぁ、そうなんだけどな…でも俺は使えるだろ?しかも割と異様に強いし…」
「そうっすね!俺も入学ん時に見た先輩に憧れたんで!!」
「お…おう…センキュ…」
家族で異世界に来たのは過去の巡り人を見ても俺たちだけだし…
…もしかして…俺…巡り人としての優先順位が高かったのか?
俺を異世界に送るつもりが、兄ちゃんと姉ちゃんも着いてきちゃった…みたいな…?
でも…でもそれだとおかしくないか…?
……巡り人の条件……
その時丁度落ち込んでて…孤独で…身内が居ない……
いや、でも俺には姉ちゃんと兄ちゃん…それにばぁちゃんも居た……
確かに…その時父ちゃんが死んで荒れてたけど…異世界に来た日にはだいぶ落ち着いてた……
「…ん~…分からん」
「無理は禁物っすよ~?先輩の先輩…ゲルト先輩の口癖だったんすよねぇ、無理は禁物!俺も口癖にしよっかな~」
「やめろ~…!お母さんは2人も要らない~!!」
「ふへへ!ゲルト先輩ってユウマ先輩のお母さんだったんすか~?い~な~俺も会ってみたいっす!!」
「ゲルト先輩は平民だからな~…多分お前に会ったらビクビクするぞ」
先輩はいわゆる特待生だな、やっぱりスゲェ人だよ…
「ふ~…とりあえず聖魔法から始めねぇとな!」
「お供するっす!!」
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