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「…リオネル、悪いが俺はスペジに戻る気はない…」
「…そんな…っと言いたい所ですが…ルーカス様は運命を…ユウト様に出会わられたんですもんね…」
「…俺よく分かってないんだけど…他に王に慣れそうなやつはいねぇのか?…」
「…リオネル、セザリオは今どうしてる?…」

セザリオ…?また知らない名前だ…

「…現在セザリオ様は東の宮に幽閉されています…」
「…実の子にまでそんな仕打ちか…」
「セザリオって…?」
「現王の息子だ、俺と同じ人型に近い獣人で、元々病弱とか言われていたが…まぁ本当かは俺も知らない。」

獣人の中にも色々あるんだな…リオネルさんも人間に近い見た目をしてるし…獣に近い方が珍しいってのもあるのか?…

「…俺はなるべくユウトを政治に巻き込ませたくない。」
「それは俺もどーかん、弟ちゃんにお貴族様社会は似合わないよ、だいたいスペジの現王は雑魚だし、内政もゴミだから返り討ちに合う可能性はゼロだよ?だからって突然帰ってきた第1王子に平民は混乱する、時と手段を選ばないと~スペジの高位貴族が現王と同じ考えなら色々めんどーだしね。」

そうだ…そういえばルアリドの親って貴族だっけ?
その割には苗字知らないけど…コイツ頭良かったし…なんなんだ?…

「貴方…割とちゃんとしてるんですね…」
「え~そう?じゃあ軽薄って言葉取り消してくれる?」
「…いえ…それは…」
「ひど…割と一途で純情なのに…俺ショックだわ…」
「そういう話では!」

おいおい…話がズレてきたぞ…リオネルさんは売られた喧嘩買うタイプだな…

「…俺はユウトが第1だ…ユウトを幸せにする為に生きたい、その他はどうだっていい。好きにしてくれ。」
「…ルーカス様…」
「おいおい、それじゃまるでプロポーズじゃねぇか。」
「…俺はそのつもりだ。」
「…は…?」

んだよそれ…ルーカスが俺にプロポーズって…ルーカスは俺が好きなのか…?
じゃあ今までくっついてたのも愛情表現…?

「…あ~…とりあえず夜になるし、リオネルちゃんの宿は取ってあげるから2人も宿に帰りな?」
「…ちゃん!?…私ちゃんという歳では…!!」
「…い!行くぞ!ルーカス!!」
「…あぁ」

元々仕事にいる方が多かったから俺に家はない、たまにジャンさんの家で寝泊まりするくらい。だから今日もちゃんと取ったギルド併設の宿へ向かう。
あ~…めちゃくちゃ近いのになんとも言えない空気感…
手とか繋いでるのに…俺今世最大で手汗やばいかも…

「ユウト…俺はユウトに…俺と同じ感情で好きになって貰えなくても…もうユウトを離せない…俺はお前が好きだ。」
「…ル…ルーカス?…」
「いつか必ずユウトに好きだと言わせてやる…そしたらまた俺からプロポーズをしよう…その時は俺の手を取ってくれ。」
「…んだよ…それ…」

日本で恋人はいなかったし、好きとかいう感情もよく分からないような人間にプロポーズは早すぎるだろ…そんな…そんな事…急に…難し過ぎるだろ…。
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