上 下
7 / 9

東の国で…

しおりを挟む
「団長!第二から緊急要請です!」
「第二…?なら南の森か…よし俺が行く。ブラットお前も来るか?」
「はいッ!」

卒業後俺たちは無事に東の国、クライヴに引っ越した。
俺は21歳の時こうして魔法騎士団、最年少団長として一躍時の人になったり…セシルも同じく21で魔法局の上層に手を付けたり…

まぁ忙しい日も多かったけど、今が楽しいからよし。

今はセシルの叔母様の家にお世話になってて、俺の金が溜まったらドカンと家を買うつもり。

「…うえっ…」
「あれ…ブラットお前移動魔法酔いするタイプだったっけ?」
「いえ…多分私と団長の相性が最悪なだけで…うっぷ…」
「あ~…なんかごめんね?」

団長としての責任とか、まだまだこんな怠慢な俺には務まらない所をやってくれるのがこの男、副団長ブラット。

金髪金目、傍から見たら王子様系の良い奴、いっつもなにかに怯えててずーっと青い炎ポカポカさせてる奴だけど、まぁ良い奴。

「ニック!よく来たな!!」
「うわ…暑苦しっ…んで、何?」

俺の肩を暑苦しく組んでくるのが、第二騎士団の団長ベン、今回俺を呼んだ奴だ。

「いやぁ飛龍が出てよォ?第二には遠距離向きの奴がいねぇからお前らに依頼したってワケ!!」
「軽く言うな、俺は残業したくない。」
「愛するセシルに会いたいもんなぁ~」
「お前がセシルの名前を口に出すな。」

っチッ…!飛龍ごときで呼びやがって…後でしっかり請求しよう…

「ブラット、お前右から行け、俺は左から行く。黒糖!」
『なんだ?あるじ。』
「ブラットの援護頼めるか?」
『りょうかいした。』

ちなみに黒糖は変化の魔獣だった。
猫の姿が1番過ごしやすいらしく、普段は猫だけど、龍にもドラゴンにもミミズにもなれるらしい。魔力が好物だったのもそれが理由なんだそう。

まぁ、俺からしたらただの従魔…もといペットなんだけどね。

そうこう考えてると、飛龍を引き付けていたブラットが俺に合図をよこした。

「団長!!」
「はぁーい」

ドカンドカン!!

飛龍には充分過ぎるほどの炎魔法をくれてやる。
元々俺の魔法は全部独学だ、だから一人でやる方がやりやすい。

「……う…げほッ…ゲホっ!団長~…抑え目でって言いましたよね私!!」
「慣れろブラット、俺の部下だろ宿命だ宿命。」
「歳は上なんですよ…労ってください…!」

んな事言われたってこれが通常運転なんだ困る。

「っぁー…帰るか。」
「…うぅ…はぃ…」

まぁ…そんなこんなで俺は東での生活に慣れて…満足していた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚され生活してるのだが、仕事のたびに元カレと会うのツラい

だいず
BL
平凡な生活を送っていた主人公、宇久田冬晴は、ある日異世界に召喚される。「転移者」となった冬晴の仕事は、魔女の予言を授かることだった。慣れない生活に戸惑う冬晴だったが、そんな冬晴を支える人物が現れる。グレンノルト・シルヴェスター、国の騎士団で団長を務める彼は、何も知らない冬晴に、世界のこと、国のこと、様々なことを教えてくれた。そんなグレンノルトに冬晴は次第に惹かれていき___ 1度は愛し合った2人が過去のしがらみを断ち切り、再び結ばれるまでの話。 ※設定上2人が仲良くなるまで時間がかかります…でもちゃんとハッピーエンドです!

偽物の番は溺愛に怯える

にわとりこ
BL
『ごめんね、君は偽物だったんだ』 最悪な記憶を最後に自らの命を絶ったはずのシェリクスは、全く同じ姿かたち境遇で生まれ変わりを遂げる。 まだ自分を《本物》だと思っている愛する人を前にシェリクスは───?

嫌われ悪役令息に転生したけど手遅れでした。

ゆゆり
BL
俺、成海 流唯 (なるみ るい)は今流行りの異世界転生をするも転生先の悪役令息はもう断罪された後。せめて断罪中とかじゃない⁉︎  騎士団長×悪役令息 処女作で作者が学生なこともあり、投稿頻度が乏しいです。誤字脱字など等がたくさんあると思いますが、あたたかいめで見てくださればなと思います!物語はそんなに長くする予定ではないです。

いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな? そして今日も何故かオレの服が脱げそうです? そんなある日、義弟の親友と出会って…。

魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。

柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。 そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。 すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。 「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」 そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。 魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。 甘々ハピエン。

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます

瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。 そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。 そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています

八神紫音
BL
 魔道士はひ弱そうだからいらない。  そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。  そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、  ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。

悪役令息に転生したので、断罪後の生活のために研究を頑張ったら、旦那様に溺愛されました

犬派だんぜん
BL
【完結】  私は、7歳の時に前世の理系女子として生きた記憶を取り戻した。その時気付いたのだ。ここが姉が好きだったBLゲーム『きみこい』の舞台で、自分が主人公をいじめたと断罪される悪役令息だということに。  話の内容を知らないので、断罪を回避する方法が分からない。ならば、断罪後に平穏な生活が送れるように、追放された時に誰か領地にこっそり住まわせてくれるように、得意分野で領に貢献しよう。  そしてストーリーの通り、卒業パーティーで王子から「婚約を破棄する!」と宣言された。さあ、ここからが勝負だ。  元理系が理屈っぽく頑張ります。ハッピーエンドです。(※全26話。視点が入れ代わります)  他サイトにも掲載。

処理中です...