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恋人を守るにはこれが最善

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「に…ニック…少し離れてくれ…勉強ができないだろう……?」
「つれないな…セシルは…まぁそんな所が可愛いんだけど…」

隣に座るセシルの耳にチュッチュとキスをしながら勉強をする。
あ、ちなみに今は授業中だ。

ならちゃんと授業しろって?そんなん知るか、俺たちのラブラブさを見せ付けてんの。

「…うぁ…ニック!どこに手をいれ…!」
「…可愛い…可愛すぎる…」

俺には見えてる。満更でもなさそうにセシルからぽわぽわ浮かび上がる桃色の光が!

「猫みてぇ…可愛い……」
「それしか言えないのか君は…!」

これ以上やると怒られちゃうのでパッと手を離す。
これももう最早ルーティーンみたいな感じになってきた。

本当は学園なんかにセシルを通わせたくなかったんだけど、セシルも俺もまだ1年、卒業までは居たいって言うセシルの意見を採用して俺たちはここに居る。

大丈夫なのかと聞いた時の顔は多分死んでも忘れられねぇ、ニヤッと頬を上げて「ニックが守ってくれるのだろう?」は無理だったわ…そんな事言われちゃ全力で守るよ。

「そろそろ帰ろ…?もう昼時だろ…」
「流石にまだ駄目だ!午後からは魔法実技があるだろう?」
「…えぇ…そんなん俺ら満点に決まってんだし…」
「なぁニック、僕は君の格好良い所が見てみたいな?」

ヴッ…ったくも~!…分かってる…完全に俺の事分かってる…

「うぃす、りょーかい…」

可愛い可愛いセシルには勝てないな…




姫男来襲事件があってからというもの、俺はセシルにベッタリくっついてる訳。
そんな俺狙いなのかはたまたセシル狙いなのか、たまに姫男と2人の王子は俺たちの前に現れる。

セシルはもう吹っ切れているのかご自慢のフハハハ!で追い返してるし、俺も俺でセシルに不利がないよう動いている。

それと同時に周りのセシルに対する感情に変化があったけど、セシルは許しても俺は許さいないし、挙句俺にばっかアピってくる奴には地獄を見せたよ。

そんで今は…

「黒糖~!俺の最愛連れて遊びに来てやったぞ~」
「こくとう…?それはこの子の名前かい?」

初めて俺の聖域にセシルを呼んだ。

「そう黒糖、美味そうだろ?フルネームは黒糖まんじゅう。」
「黒糖まんじゅう…ってニック…君って人は…食べ物は食べ物でももっとあっただろう…?」
「いやぁ…コイツ会った時から黒糖顔してたから。」
「ンゴロ…ンニャン!」

スリスリとセシルの足に擦り寄る黒糖、いやぁ…癒し×癒しって天国なんだな。

「うわぁ…!君は随分人懐っこいね!」
「多分腹減ってんだよ、ほぉら黒糖~魔力だぞ~…」
「オァン…!」
「猫って魔力を食べるのか…!」

セシルがとんでもない勘違いをしようとしているけど、これはこれで可愛いからスルーして黒糖に餌…魔力をやる。

「黒糖…僕は君が少し羨ましいよ。」
「…セシル?」
「だって君は…もっとずっと前からこうやってニックに撫でて貰っていたのだろう…?幸せ者だね」
「……セシル…!」
「うわぁっ!ニックっ!いきなり飛びつかないでくれ!」

うわぁお100点!デレセシル可愛すぎる…
何物にも代えがたい!!

「…なぁセシル…卒業したら違う国に行かね…?そんで色んな色を、俺ら2人で見ようよ。」
「…ニック…君…!フハハハ!それはプロポーズかい?」
「…そうかも、セシル、俺はセシルが居れば良い。」

セシルが居れば地獄だって天国だよ。

「…東の国…東の国はどうだろう、僕の叔母様が住んでいるんだ。」
「東の国…それって…」
「魔法大国クライヴ、僕らにピッタリじゃないか!」
「…セシル!やっぱりセシルが優勝!!」
「フハハハ!じゃあ賞金は君だね?」

ほぉらやっぱり、セシルの方が1枚上手だ。
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