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24・キュウシン
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せっかくだから、更新する前に、あんたがどのくらい強いのか実力見せてみてよ、
と、ナツミは言った。
そもそも最初からそんなしょぼいというか、まぁ弱そうな格好じゃおかしいでしょう、と、ミユキも言った。
本気出していいんです、かぁ、と、ドラコは頭をかきながら言った。
復活したドラコの肉体は金色の鱗で輝き、全長はコハルの見立てでは3メートルくらいだろうか。
ぼくたちは、今のヒトとは異なって、キカイのチカラをそのまま、体内で使えるようにしてある、のです。
ナノマシンの応用だな、と、アキラはうなずいた。
戦闘用のキカイ龍なんて、破壊力がものすごい、ですよ。
ぼくはおもに情報収集のために動いていた、ので、本気出せるのはそんなに長くない、のです。
ドラコは数秒ぐらいで、もとの大きさにもどって、どこか、しょぼん、としていた。
手に持っていた、コハルたちの遊び球に似ていた玉に表示されていた、充電を示すゲージは、70%ぐらいのところから50%ぐらいのところまで減っていた。
*
更新は数時間かかると思うから、センセイのところでやってもらおう、と、アキラは連絡をとった。
明日の朝ぐらいまでかかる、だろうけど、それが済んだらもとの、ぼくたちの世界に帰り、ます。
え、センセイ、センセイって……このおかたはキュウシン、じゃないですか、まだ残っていたとは、と、ドラコは驚いたようだった。
キュウシン、って、ココロを救うほうの、じゃなくて、いにしえの神、です。
ぼくが記憶している限りでは、ヒトの数が増えるにしたがって、違う次元にどんどん移転していった、この世界の旧支配者、ですね。
そうかあ、残っていたんじゃなくて、戻ってきた、のかな。
ところで、どうやればあなたは元の世界に帰れるのかな、と、コハルは聞いた。
センセイがいる丘の向こうに、ぼくの昔の記憶だと、宇宙に行ける、使い捨てのロケットを発射している場所があるので、そこまでたどり着けば、です。
ふーん、会ったばかりでお別れするのは残念だけど、またこっちの世界に来るということはあるのかな。
そうですね、もうヒトとリュウの戦争は終わってるみたいなので、ヒトの数がもうすこし増えたら、今度はお互いの戦争とは関係がない形でお会いできると思います
*
外の雨はもうすっかりやんでいて、雲のかけらも残っておらず、十分に休憩もとった4人、それにドラコ姫は、もう旅を続けられそうだ、と判断した。
自転車屋にナツミとアキラは自分たちの自転車を取りにいったので、コハルたちはしばらくソファに座って、あたたかい飲み物を飲みながら戻りを待つことにした。
たしかミユキはハハとチチの記憶とかあるんだっけ、とコハルは聞いた。
いやみんなあるじゃないですか、しょせんはにせの記憶なんですけどね、と、ミユキは業務的に言い、たとえば家族でウミに遊びに行ったとか、と、どこまで本当なのかさっぱりわからないけど、コハルにもたしかに、それと似たようなことを覚えていた。
ドラコは、玉を抱えたままソファの片隅で丸くなって眠っていた。
眠るというより、充電なのかな。
その姿は、ドラゴンというよりネコ、あるいは幼児のように、コハルには見えた。
と、ナツミは言った。
そもそも最初からそんなしょぼいというか、まぁ弱そうな格好じゃおかしいでしょう、と、ミユキも言った。
本気出していいんです、かぁ、と、ドラコは頭をかきながら言った。
復活したドラコの肉体は金色の鱗で輝き、全長はコハルの見立てでは3メートルくらいだろうか。
ぼくたちは、今のヒトとは異なって、キカイのチカラをそのまま、体内で使えるようにしてある、のです。
ナノマシンの応用だな、と、アキラはうなずいた。
戦闘用のキカイ龍なんて、破壊力がものすごい、ですよ。
ぼくはおもに情報収集のために動いていた、ので、本気出せるのはそんなに長くない、のです。
ドラコは数秒ぐらいで、もとの大きさにもどって、どこか、しょぼん、としていた。
手に持っていた、コハルたちの遊び球に似ていた玉に表示されていた、充電を示すゲージは、70%ぐらいのところから50%ぐらいのところまで減っていた。
*
更新は数時間かかると思うから、センセイのところでやってもらおう、と、アキラは連絡をとった。
明日の朝ぐらいまでかかる、だろうけど、それが済んだらもとの、ぼくたちの世界に帰り、ます。
え、センセイ、センセイって……このおかたはキュウシン、じゃないですか、まだ残っていたとは、と、ドラコは驚いたようだった。
キュウシン、って、ココロを救うほうの、じゃなくて、いにしえの神、です。
ぼくが記憶している限りでは、ヒトの数が増えるにしたがって、違う次元にどんどん移転していった、この世界の旧支配者、ですね。
そうかあ、残っていたんじゃなくて、戻ってきた、のかな。
ところで、どうやればあなたは元の世界に帰れるのかな、と、コハルは聞いた。
センセイがいる丘の向こうに、ぼくの昔の記憶だと、宇宙に行ける、使い捨てのロケットを発射している場所があるので、そこまでたどり着けば、です。
ふーん、会ったばかりでお別れするのは残念だけど、またこっちの世界に来るということはあるのかな。
そうですね、もうヒトとリュウの戦争は終わってるみたいなので、ヒトの数がもうすこし増えたら、今度はお互いの戦争とは関係がない形でお会いできると思います
*
外の雨はもうすっかりやんでいて、雲のかけらも残っておらず、十分に休憩もとった4人、それにドラコ姫は、もう旅を続けられそうだ、と判断した。
自転車屋にナツミとアキラは自分たちの自転車を取りにいったので、コハルたちはしばらくソファに座って、あたたかい飲み物を飲みながら戻りを待つことにした。
たしかミユキはハハとチチの記憶とかあるんだっけ、とコハルは聞いた。
いやみんなあるじゃないですか、しょせんはにせの記憶なんですけどね、と、ミユキは業務的に言い、たとえば家族でウミに遊びに行ったとか、と、どこまで本当なのかさっぱりわからないけど、コハルにもたしかに、それと似たようなことを覚えていた。
ドラコは、玉を抱えたままソファの片隅で丸くなって眠っていた。
眠るというより、充電なのかな。
その姿は、ドラゴンというよりネコ、あるいは幼児のように、コハルには見えた。
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