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13・コンビニ
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とりあえずナツミやミユキが路上観察あるいは植物採集、もしくはゴミ拾いをしている間、コハルはアキラとセカイの話をする。
アキラがコハルの話し相手になることはそんなに多くない。
けれどたとえば、ミユキが考えるセカイは、どうも嘘、というか想像が混じりすぎている気がする。
アキラが語る、今ここにあるものとないもの、かつてはあったけれども今はないもの、そしてこれからあるかもしれないものについての話は、想像と分析と予測が複雑に混じりあっていた。
アキラは携帯端末のカメラで周囲360度の動画を取っていた。
黒い鳥や白い鳥が空を飛んだり地面に降りたりするのがときどき見える。
青い空のふちには、は引きつづき白い雲が広がっていた。
うーん、とアキラは言った。
アキラは走った時間と距離それに場所、それからみんながどこで何をしたかという細かい記録を残している。
コハルは、えーっと、まず景色を楽しんでるのと、ほかの3人がどういうふうに動いているかとか、わたしも含めてどう考えているかみたいなことを、できれば記録に残しておきたいな、みたいなぐらいには思っている。
つまり旅の途中のみんなの心の記憶みたいな。
*
しばらく進むとコンビニと並んで置かれたガソリンスタンドがあり、何台かの小型トラックにキカイが液体、たぶんガソリンを入れている。
コハルはガソリンスタンドに立ち寄る車などは、覚えている限りでは見たことがなかった。
コハルの行動範囲に、料金表のパネルがこわれていて、バリケードでふさがれているガソリンスタンド、だったようなもの、があるのは知っている。
ヒトに近い形のキカイが、トラックを運転してモノを運んでいるのはそれなりに見かけるけど、トラックの使う燃料は、ひょっとしたらガソリンとは違うものなのかもしれない。
普通のキカイがどうやって、動くための燃料補給もしくは充電してるかというと、ヒトの目につかないところのあちこち電源用のコンセントがある。
たいした大きさではなく、移動距離もすくないキカイは、ときどきヒトが水分を補給するような感じで充電しているのだった。
*
コンビニの店長は、オトナのヒトの顔ぐらいの高さにモニターがついた、対人用のキカイだった。
モニターに映し出された店長はヒトの表情や感情をうまく真似しているキカイによる映像で、それはコハルたちがよく利用してる近くのコンビニの店長と同じ顔だった。
店の中では別のキカイが2台、店の整理や在庫確認をしていて、そちらのほうは足が4本に手が4本で、自由に伸び縮みする胴体があって、ヒトというよりクモみたいな外形だった。
棚に並んでいる食品はたぶん、賞味期限や消費期限で管理しているんだろうけれど、ヒトが食べるようなものはそんなに多くなく、飲み物も種類は多かったけれども本数はすくないように見えた。
コハルたちが自転車旅行の計画を立てる何日か前に、このコンビニにヒト用の商品を運んだんだろうな、とアキラは自分の推測を話した。
こんにちは、とコハルはためしに店長に話しかけてみた。
アキラがコハルの話し相手になることはそんなに多くない。
けれどたとえば、ミユキが考えるセカイは、どうも嘘、というか想像が混じりすぎている気がする。
アキラが語る、今ここにあるものとないもの、かつてはあったけれども今はないもの、そしてこれからあるかもしれないものについての話は、想像と分析と予測が複雑に混じりあっていた。
アキラは携帯端末のカメラで周囲360度の動画を取っていた。
黒い鳥や白い鳥が空を飛んだり地面に降りたりするのがときどき見える。
青い空のふちには、は引きつづき白い雲が広がっていた。
うーん、とアキラは言った。
アキラは走った時間と距離それに場所、それからみんながどこで何をしたかという細かい記録を残している。
コハルは、えーっと、まず景色を楽しんでるのと、ほかの3人がどういうふうに動いているかとか、わたしも含めてどう考えているかみたいなことを、できれば記録に残しておきたいな、みたいなぐらいには思っている。
つまり旅の途中のみんなの心の記憶みたいな。
*
しばらく進むとコンビニと並んで置かれたガソリンスタンドがあり、何台かの小型トラックにキカイが液体、たぶんガソリンを入れている。
コハルはガソリンスタンドに立ち寄る車などは、覚えている限りでは見たことがなかった。
コハルの行動範囲に、料金表のパネルがこわれていて、バリケードでふさがれているガソリンスタンド、だったようなもの、があるのは知っている。
ヒトに近い形のキカイが、トラックを運転してモノを運んでいるのはそれなりに見かけるけど、トラックの使う燃料は、ひょっとしたらガソリンとは違うものなのかもしれない。
普通のキカイがどうやって、動くための燃料補給もしくは充電してるかというと、ヒトの目につかないところのあちこち電源用のコンセントがある。
たいした大きさではなく、移動距離もすくないキカイは、ときどきヒトが水分を補給するような感じで充電しているのだった。
*
コンビニの店長は、オトナのヒトの顔ぐらいの高さにモニターがついた、対人用のキカイだった。
モニターに映し出された店長はヒトの表情や感情をうまく真似しているキカイによる映像で、それはコハルたちがよく利用してる近くのコンビニの店長と同じ顔だった。
店の中では別のキカイが2台、店の整理や在庫確認をしていて、そちらのほうは足が4本に手が4本で、自由に伸び縮みする胴体があって、ヒトというよりクモみたいな外形だった。
棚に並んでいる食品はたぶん、賞味期限や消費期限で管理しているんだろうけれど、ヒトが食べるようなものはそんなに多くなく、飲み物も種類は多かったけれども本数はすくないように見えた。
コハルたちが自転車旅行の計画を立てる何日か前に、このコンビニにヒト用の商品を運んだんだろうな、とアキラは自分の推測を話した。
こんにちは、とコハルはためしに店長に話しかけてみた。
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