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第四章 月曜日は普通じゃない(裏)
4-6話 あなたはいつも正しい道を選ぶ人で、だから私たちはあなたを選んだんです
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おれは家の近くにある神社のご神木の小さい神様・真那木沙振(まなきさぶれ)さんに、神の目(ゴッズ・アイ)と封印された力と霊具をさずかった。
もともとは、ご神木に雷が当たったときに飛び散った6つのかけら(それのせいでおれの妹は6人いることになった)を集めて封印するためのものだけど、今のところ使いみちがあるのはゴッズ・アイだけなのだ。
これは左目に装着されていて、おれの見るものが真那木さんの見るものと連動される。そして、心の声でお互い連絡ができる。さらに、高度情報収集機能を使えばどんなものでも分析が可能なのだが、これはバッテリー(に相当するもの)の消耗が激しいのと、脳に過剰な刺激を与えるので、あまりしばしば使わないでくださいと言われていた。なんでそれを時尾先輩の出してくれた液体の分析に使わなかったのかは話の都合です。というのは嘘で、旧校舎を出たところあたりで省エネルギー・モードになっていたので、ぐらいに思っていて。
真那木さんが24時間監視可能状態にあるからと言っても、ずっとおれたちを監視しているわけではない。通常はテレビの予約と同じで、録画しておいて、話に関係がありそうなところ以外は早送りで見ている。
真那木さんは今日は、生徒会室での場面と茶室での場面は、リアルタイムで見ていた、とのことである。
考えてみたら、雷を落とした謎の存在、つまりおれたち自身の真の敵を見つけ、その目的を探り、場合によっては戦って叩き潰さないと、本当の問題解決にはならないんだよな。次にはおれの妹はいなかったことになったり、おれがいなかったことになったり、ということにもなりかねない。
闘茶という目的のために、やりすぎてしまっている(毒耐性が強くなりすぎている)時尾摩殊(ときおまこと)先輩について、おれは真那木さんの意見を聞いてみた。
(それは…あなたが正しいと思ったことをやってみてください。あなたはいつも正しい道を選ぶ人で、だから私たちはあなたを選んだんです)と、真那木さんは言った。
(ちょっと聞くといい話みたいだけど、それ、あんまり深く考えていないレベルの、アメリカ製劇場長編アニメの登場人物のセリフですよね?)
(そっ、そんなことないもん! じゃなくて、そんなことはありません!)
どうもキャラの性格づけに混乱をきたしているようである。
おれは、真那木さんの意見と自分の考えをみんなに伝えた。
「お互い殺しあうような、中二病みたいな戦いというのは、放っておけば飽きる、と真那木さんは言った。つまり、放っておいても時尾先輩は戦うのに飽きるし、飽きるころまで先輩が愛飲している液体を飲み続けてもたいした問題はないらしい。まあ濃い味系ラーメンを週に一度食べるぐらい…あっ、これは真那木さんが言ってるんで、おれが言ってるわけじゃないからね。ただ、この「お茶で闘う」というのの背後にある、闇の闘茶会には黒幕がいるらしいので、今すぐではなくていいから、その正体をつきとめて欲しい、とのこと。で、時尾先輩の解毒処理は、それをしたらひょっとしたらいいものが手に入るかも、とヒントをもらったので、やってみることにする」
「待ってました!」と、狐神様の田部良紅羅架(たぶらくらか)さんは携帯端末で連絡を取りはじめた。
「そのための機械はレンタルでぇ、お値段はこんくらい。さあどうする?」と言われて、おれが端末の画面を見たら、そこには目の玉が飛び出るくらいの数字が並んでいた。
「う…ぐ…が…はっ、い、いいですとも、一生かかってもどんなことをしても払います!」
「わはははは、それが聞きたかった。本当はねぇ、こんくらい!」
田部良さんは最初に見せた数字の千分の一ぐらいの金額を見せてくれた。それぐらいなら、高校生の今のおれには無理だけど、社会人で収入があるようになればなんとか払える。
しかしここで、あの天才外科医が出てくる名作漫画のセリフの物真似やらせるなよ。
もともとは、ご神木に雷が当たったときに飛び散った6つのかけら(それのせいでおれの妹は6人いることになった)を集めて封印するためのものだけど、今のところ使いみちがあるのはゴッズ・アイだけなのだ。
これは左目に装着されていて、おれの見るものが真那木さんの見るものと連動される。そして、心の声でお互い連絡ができる。さらに、高度情報収集機能を使えばどんなものでも分析が可能なのだが、これはバッテリー(に相当するもの)の消耗が激しいのと、脳に過剰な刺激を与えるので、あまりしばしば使わないでくださいと言われていた。なんでそれを時尾先輩の出してくれた液体の分析に使わなかったのかは話の都合です。というのは嘘で、旧校舎を出たところあたりで省エネルギー・モードになっていたので、ぐらいに思っていて。
真那木さんが24時間監視可能状態にあるからと言っても、ずっとおれたちを監視しているわけではない。通常はテレビの予約と同じで、録画しておいて、話に関係がありそうなところ以外は早送りで見ている。
真那木さんは今日は、生徒会室での場面と茶室での場面は、リアルタイムで見ていた、とのことである。
考えてみたら、雷を落とした謎の存在、つまりおれたち自身の真の敵を見つけ、その目的を探り、場合によっては戦って叩き潰さないと、本当の問題解決にはならないんだよな。次にはおれの妹はいなかったことになったり、おれがいなかったことになったり、ということにもなりかねない。
闘茶という目的のために、やりすぎてしまっている(毒耐性が強くなりすぎている)時尾摩殊(ときおまこと)先輩について、おれは真那木さんの意見を聞いてみた。
(それは…あなたが正しいと思ったことをやってみてください。あなたはいつも正しい道を選ぶ人で、だから私たちはあなたを選んだんです)と、真那木さんは言った。
(ちょっと聞くといい話みたいだけど、それ、あんまり深く考えていないレベルの、アメリカ製劇場長編アニメの登場人物のセリフですよね?)
(そっ、そんなことないもん! じゃなくて、そんなことはありません!)
どうもキャラの性格づけに混乱をきたしているようである。
おれは、真那木さんの意見と自分の考えをみんなに伝えた。
「お互い殺しあうような、中二病みたいな戦いというのは、放っておけば飽きる、と真那木さんは言った。つまり、放っておいても時尾先輩は戦うのに飽きるし、飽きるころまで先輩が愛飲している液体を飲み続けてもたいした問題はないらしい。まあ濃い味系ラーメンを週に一度食べるぐらい…あっ、これは真那木さんが言ってるんで、おれが言ってるわけじゃないからね。ただ、この「お茶で闘う」というのの背後にある、闇の闘茶会には黒幕がいるらしいので、今すぐではなくていいから、その正体をつきとめて欲しい、とのこと。で、時尾先輩の解毒処理は、それをしたらひょっとしたらいいものが手に入るかも、とヒントをもらったので、やってみることにする」
「待ってました!」と、狐神様の田部良紅羅架(たぶらくらか)さんは携帯端末で連絡を取りはじめた。
「そのための機械はレンタルでぇ、お値段はこんくらい。さあどうする?」と言われて、おれが端末の画面を見たら、そこには目の玉が飛び出るくらいの数字が並んでいた。
「う…ぐ…が…はっ、い、いいですとも、一生かかってもどんなことをしても払います!」
「わはははは、それが聞きたかった。本当はねぇ、こんくらい!」
田部良さんは最初に見せた数字の千分の一ぐらいの金額を見せてくれた。それぐらいなら、高校生の今のおれには無理だけど、社会人で収入があるようになればなんとか払える。
しかしここで、あの天才外科医が出てくる名作漫画のセリフの物真似やらせるなよ。
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