24 / 95
第四章 月曜日は普通じゃない(裏)
4-3話 茶道部って、なんかこう、ゆるい人たちが集まって、ゆるい話をするイメージがあるじゃん
しおりを挟む
生徒会副会長の樋裏聖(ひうらせい)先輩は「倒せるかな、君たちに茶道部部長を」と言っただけで、「倒してこい」とは言っていないんだけど、そもそもどうやって、何の勝負で戦うというのか。
「おお、闘茶勝負だね! やってやろうじゃないの。うちは全国大会の常連校だよ」
茶道部の全国大会というのは、流派ごとの交流会みたいなものです。
じゃあ準備するから、外の雪景色でも見ていて、と、時尾摩殊(ときおまこと)先輩は、出入り口の脇のところにある小部屋にもらった薬草をしまって(ちょっと覗いてみたら、半乾燥状態のハーブが積み上げられていて、十分に乾燥したと思われるものは数十個のガラス瓶に入れて保存してあった)、別のところから座布団と折りたたみ式の和机を出してきた。
しょうがないので、乾燥芋とかポテトチップを食べて、お湯を飲んでおれたちは待った。
時尾先輩は、ハーブ庫からいろいろなハーブを出したり、冷蔵庫からいろいろな色の液体を出したり、それらを混ぜてフラスコで温めたりして、うきうきと謎のお茶を作っていた。
「茶道部って、なんかこう、ゆるい人たちが集まって、ゆるい話をするイメージがあるじゃん」
そうなのか。
「でもそれだったらただのお茶同好会でよくね? あたしは戦いたいんだよ! 熱き血と情熱を、部活に捧げたいんだよ!」
おれは早く帰って妹のためにロールキャベツを作りたいです。
雪はだんだん小降りになって来て、数分待っているうちに、暖かそうではあるが茶道部が出しそうにはどう見ても思えない飲み物(仮)が出てきた。4種類、8つのティーカップ、と言いたいところだがどちらかというとビーカーの容器が並んだ。
青、焦げ茶色、下から黒・オレンジ色・白の3色に分かれたもの、それに濃紺だ。
「これはねぇ、みんなからなんとなく感じる、これだ、って感じの色にしてみたんだよ。きれいでしょ。あっ、この濃紺の奴はねえ、こうやってレモンの汁をかけるとピンク色になるんだよ。マロウブルー」
ちょっと感心した。
「でもって、このお茶を飲んで死んだほうが負け」
「おお、闘茶勝負だね! やってやろうじゃないの。うちは全国大会の常連校だよ」
茶道部の全国大会というのは、流派ごとの交流会みたいなものです。
じゃあ準備するから、外の雪景色でも見ていて、と、時尾摩殊(ときおまこと)先輩は、出入り口の脇のところにある小部屋にもらった薬草をしまって(ちょっと覗いてみたら、半乾燥状態のハーブが積み上げられていて、十分に乾燥したと思われるものは数十個のガラス瓶に入れて保存してあった)、別のところから座布団と折りたたみ式の和机を出してきた。
しょうがないので、乾燥芋とかポテトチップを食べて、お湯を飲んでおれたちは待った。
時尾先輩は、ハーブ庫からいろいろなハーブを出したり、冷蔵庫からいろいろな色の液体を出したり、それらを混ぜてフラスコで温めたりして、うきうきと謎のお茶を作っていた。
「茶道部って、なんかこう、ゆるい人たちが集まって、ゆるい話をするイメージがあるじゃん」
そうなのか。
「でもそれだったらただのお茶同好会でよくね? あたしは戦いたいんだよ! 熱き血と情熱を、部活に捧げたいんだよ!」
おれは早く帰って妹のためにロールキャベツを作りたいです。
雪はだんだん小降りになって来て、数分待っているうちに、暖かそうではあるが茶道部が出しそうにはどう見ても思えない飲み物(仮)が出てきた。4種類、8つのティーカップ、と言いたいところだがどちらかというとビーカーの容器が並んだ。
青、焦げ茶色、下から黒・オレンジ色・白の3色に分かれたもの、それに濃紺だ。
「これはねぇ、みんなからなんとなく感じる、これだ、って感じの色にしてみたんだよ。きれいでしょ。あっ、この濃紺の奴はねえ、こうやってレモンの汁をかけるとピンク色になるんだよ。マロウブルー」
ちょっと感心した。
「でもって、このお茶を飲んで死んだほうが負け」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

日本入れ替えグルメ旅・られた肥後褐牛死体一頭食べ尽し
蓮實長治
ミステリー
「あれ? この死体の様子、遺族が言ってた事と食い違いが有りますよ?」
変死体の検死を行なっていた監察医は不審な点に気付くが……?
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「Novel Days」「ノベリズム」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる