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 二人で脱衣所へ行き服を脱ぐ。
 悠が裸を見せるのが恥ずかしくてもたもたしていると、平内は先に入ってるねと言った。
 男同士なのに意識しすぎているほうが逆に恥ずかしいのではと思い、意を決して下着まで脱ぐと、お風呂のドアを開けた。
 
 交代でシャワーを浴びている間、これからすることを想像してしまい、緊張や恥ずかしさで吐きそうになった。
  
 体を拭き歯磨きも済ませ、ベッドに腰をかける。
  薄暗い部屋にカーテンの隙間から月明かりが差し込んでいる。今日は満月だ。
  
 なにか話したほうがいいのだろうか、緊張で声を出せないでいると、平内がこちらを向いた。
 
 「なんだか緊張するね」
  
 困ったように笑う平内を見て、彼も自分と同じ気持ちなのだと嬉しくなった。
  平内の大きな手が悠の頬を包む。彼の顔が近くなり、鼓動が早くなる。
  
 「キスしてもいい?」
  
 平内の問いに悠は小さく頷くと、彼の唇がそっと触れた。そのままグッと腰を引き寄せられ、先ほどより甘く深い口づけをされた。
  
 後ろに優しく押し倒され、平内の手が素肌の上を撫でる。彼の手が胸元の突起を掠めたとき、悠は体をビクつかせた。
  
 「ここ気持ちいい?」
 「わ、わかんない」
  
 男なのにそんなところで感じるなんて恥ずかしい。そんな悠の気持ちを知ってか知らずか、平内は胸元に舌を這わせる。突起を吸い上げたり、舌で転がしたりするので堪らない。
 
 「んっ……」
  
 内側から湧き上がるような快感に、体の中心が熱くなる。
  
 平内の手が肌の上を滑り、悠のモノに触れた。そこは既に膨らんでおり、先端からはぷっくりと蜜が溢れていた。
  
 「濡れてる」
  
 耳元でそう囁かれ、悠は顔を真っ赤にした。平内の手のひらが悠のモノを包む。彼に触れられていると思うと頭が真っ白になった。
 
 「あっ……」
 
 手のひらの中で弄ぶように触れられ、体が震える。下からいやらしい水音が聞こえてくる。油断したら声が漏れそうで、手の甲で口を押さえた。
 
 「ふっ……んっ」
 
 平内の手の動きが性急なものになってくる。気持ちの良いとこばかり責められ、中から熱いものが込み上げてくる。
 
 「んッ……そんなにしたら、イッちゃ、んんっ――」
 
 体を仰け反らせ、悠はあっけなく達した。
 自分だけ先に達してしまったのが恥ずかしくて、思わず顔を背けた。
 
 悠の熱が冷めないうちに、平内は悠の後ろの窄まりに指を滑らせた。
 
 「ここ、普段いじったりするの」
 「し、しない」
 
 平内は指にワセリンのようなものをまとわせると、悠の後孔に塗り込むように触れた。十分なくらい周辺をマッサージされ、徐々に気持ちよくなってくる。
 
 「大丈夫、ゆっくりするからね」
 
 そう言うと、悠の中に指をゆっくりと沈めてきた。最初は異物感が拭えなかったが、平内の指がある一点を掠めたとき、全身に電気が走ったかのような感覚が悠を襲った。
 
 「ンンっ」
 「ここかな」
 
 指の腹でおなか側を小刻みに押され、悠は何も考えられなくなった。 
 
 「んっ、そんなにしたら、声、我慢できない、からぁあ」
 「大丈夫。うち角部屋だし、隣は君の部屋だしね」
 
 隣はいなくても上や下の階の人もいるだろう。しかし、そんなことを考える余裕など悠にはなかった。
 
 悠の中から指を引き抜いた。損失感を感じていると、窄まりに硬いモノが充てがわれた。
 
 「挿れていい?」
 「ん……んあッ!」
  
 指とは比にならない質量と熱を持ったモノが入ってきて、悠は思わず声を上げた。
 
 「痛い?」
 
 平内が動きを止める。彼の心配そうな表情を見て、愛おしい気持ちが溢れてくる。
 
 「痛くない、から、もっときて……」
  
 平内を全身で感じたい、全部受け止めたい。微笑みながら平内を見上げると、彼は何とも言えない顔をしていた。
 
 「きみは……痛かったらすぐ言うんだよ」
  
 そう言って再び悠の脚を掴むと、ぐっと腰を入れてきた。平内の怒張が押し入ってくる。まるで、体の中心を熱い杭で打たれているようだ。
  
 「大丈夫?」
  
 お腹が苦しい。でも、平内の全部を感じることができてこの苦しさも心地好い。
  
 「だい、じょうぶ……平内さんの、おっきい……」
  「そりゃそうだよ。きみが可愛いから」
  「かわいくなんか、ないっ、あっ」
  
 不意に腰を動かされ声が漏れる。悠の好いところを抉るように突かれ、あまりの快感に涙が出てくる。
 
 「あっ、それすき、きもちい、もっと……」
 「……そんな煽り方、どこで覚えてきたの」
 「煽ってない、ああっん」
 
 さっきより一層激しく動かされ、自分でも驚くくらい甘い声が出る。

 「中原くん、顔見せて」
 「や、ひどい顔してる、から」
 
 涙や汗でぐちゃぐちゃの顔を見られたくない。

 「キスしたいな」
 
 そんなふうに言われたら手をどけないわけにもいかない。悠がそっと手をどけると、貪るようなキスをされた。
 唇でくちを塞がれながら突かれるともうダメだった。気持ちがいいこと以外なにも考えられない。

 「あっ、きもち、ああっ、イッちゃう、ああっ」
 「っ……僕も、イきそう」

 平内の声を聞いて彼も限界が近いのだと悟った。自分の中で気持ちよくなってくれてるのが嬉しい。彼の腰の動きが速くなって、高みへ上りつめていく。頭にチカっと何かが走ったかと思うと、先ほどより長く深い快感が悠をおそった。

 脱力した平内がのしかかってきて、優しい口づけをされた。

 「好きだよ」

 あまりにも優しい声で言うものだから、悠は泣きたい気持ちになった。

 「俺も……すき」

 声に出ていたか分からないが、まどろみの中で平内が微笑みながら頭を撫でてくれたのは覚えている。
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