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38.結界の秘密
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どれくらい眠っていただろう。
痛みを感じながらも重い体を起こす。
「ミノリ!意識が戻ったのか。」
何故か最初に目に入ったのはノルックの顔だった。
やっぱり薬は長くもたなかったのかも。
「ノルック、結界は…!」
「消えたよ。おかげでここに来れた。」
「え…」
まさか、私、みんなを救うつもりが結界を消滅させてしまったの…?
取り返しのつかないことをしてしまった。
ただの無知で無力な人間がでしゃばったりしたから…
「ミノリが僕の魔力を貯めていたのは、このためだったんだね。」
体がビクリと反応してしまった。
「どうして…ノルックの魔力を貯めていたことを知ってるの…?」
「ミノリが“ソニアさん"って言って大事にしていた置物から、ずっと僕の魔力を感じていたからね。貯めるだけで一度も使う様子がないから、ミノリそんなに僕の魔力が好きなのかなと思ってたけど。」
何故か、ノルックは機嫌がよかった。
話しながら合間に笑ったりしている。
薬で眠らされたのに。世界を守る結界を消滅させてしまったのに。私に怒ってもおかしくないのに。
「結界なら僕に任せて。代わりにそのブレスレットと、あの床に落ちてる置物を貰っていいかな。」
ノルックが提示した条件は意外なものだった。
「あの置物を捧げたんだよね?捧げたってことは、もう戻らなくてもいい覚悟だったってことでしょ?ね、その2つがあれば、僕も犠牲にならずに結界を復活させることができるから。」
ノルックが犠牲にならずに結界を復活させるーーーーー
置物とブレスレット、両方を失うことは正直つらい。ソニアさんとダイアさんとの繋がりを感じられるものだから、できることなら死ぬまで持っていたかった。
でも、これを渡したらノルックが犠牲にならずに済む。
今の私の最優先は、ノルックだ。
ノルックが生き続けられるなら、賭けたい。
ソニアさんもダイアさんも、きっとわかってくれる…
「わかった。」
ブレスレットを外して、床に落ちていた置物を拾いに行く。
ソニアさん、ダイアさん、今まで、私のそばにいて、守ってくれてありがとうーーー
気休めかもしれないけど、感謝の気持ちを込めて胸に押し当てた。
「はい。これだよね?」
「うん。ありがとう。」
ノルックは一瞬だけ微笑むと、手のひらの上に置物を乗せてブレスレットをその上にかける。
やがて置物のない方の手を上に上げると、
見たことのない文字が現れてノルックの手元に吸い込まれていく。
両手で置物とブレスレットを覆い隠すと眩しい光が手の内側から発された。
眩しくて思わず目を閉じる。
瞼の向こうで光が弱まるのを感じて恐る恐る目を開けると、置物とブレスレットが融合していた。置物の周りをブレスレットの紋様が覆っているような形になっている。
「これは…?」
「結界の原動力になるものだよ。」
「それってつまり、これがノルックの代わりになるってこと?!」
私の問いかけを肯定するように、ノルックが一度だけ瞬きをした。
「ギルス族が、何故生贄に選ばれるかわかる?」
「え…魔力が多いから、だよね?」
「魔力の多さだけならギルス族じゃなくても適任を作ることはできる。
…ギルス族は、骨に魔力を貯めるんだ。」
そう言って、床に散らばる骨に目をやる。
まさか…ここに骨が置き去りにされているのって…
「ギルス族の、先祖を遡ると実は森の民に行き着く。森の民は、死んだ人の亡骸と魔法粉で自らの村を隠し護りながら世代を繰り返すから、今まで存在は伝説と言われていたんだ。」
「伝説?でもダイアさんは…」
「一度だけ水面下で森の民の捜索がされていた時期があったらしいが定かではない。
…“ダイアさん"は、魔力があまりなかったと言ってたよね?」
こくり、と頷く。
ダイアさんは、魔力が少ない代わりに知識と体力が豊富だった。
魔力なんかなくても、十分なくらい。
「森の民は魔力が少ないんじゃない。死んだ後に同士や子孫を守るため、膨大な魔力を骨に蓄えるんだ。」
目の前が、焦点が合わない。
ダイアさんが亡くなったのは…
お墓が、家の中心部にあったのは…
これ以上考えてはいけないと警報を鳴らすのに、どうしても考えてしまうし、同じ結論に行き着いてしまう。
「ギルス族は、森の民の内部で分断された、力を求めて外に出た種族だ。この世界の結界は、ギルス族が嘗て森の民であった時の名残を利用して、骨に蓄えた魔力を少しずつ放出しながら結界の魔力を保っているにすぎない。」
ノルックは、今は私が消してしまってなにもないけど、倒れる前まで祭壇の光があった場所に近付いて行った。
置物とブレスレットを合体させたそれを片手で目の前に掲げながら何やらぶつぶつと唱え始める。
代替わりする時の呪文なのかもしれない。
だんだんと周りがほんの少し浮き上がって、重力が入れ替わろうとしているみたいだった。
思わず壁の崩れたところに手を入れてしがみつく。
やがてノルックの言葉に合わせて辺りが光り出し、空と繋がると
光っていた場所に合体させた物が浮かんでいた。
「成功だ。これでミノリとずっといられる…!」
今まで見たことがないくらい恍惚とした顔でノルックが駆け寄ってくる。
だんだんと距離が近付くのを見ながら
頬には涙が伝う。
ノルックが犠牲にならずに結界が作り替えられた。それはもちろんうれしい。うれしい、のに…
ダイアさんとソニアさんが亡くなったのは、私を拾ったから…?
最初から、ノルックにブレスレットと置物を渡していれば、もっとずっと早く、いろんなことが解決していたんじゃ…?
そもそも、私がいなくて、ソニアさんとダイアさんがノルックを拾っていたら…
私が、邪魔をしていたんだ。
私なんでこの世界に呼ばれたんだろう…
消えたい、せめてダイアさんと会う前からやり直したい。
いつの間にかノルックに抱きしめられていたけど、その背中に手を回すことはできなかった。
痛みを感じながらも重い体を起こす。
「ミノリ!意識が戻ったのか。」
何故か最初に目に入ったのはノルックの顔だった。
やっぱり薬は長くもたなかったのかも。
「ノルック、結界は…!」
「消えたよ。おかげでここに来れた。」
「え…」
まさか、私、みんなを救うつもりが結界を消滅させてしまったの…?
取り返しのつかないことをしてしまった。
ただの無知で無力な人間がでしゃばったりしたから…
「ミノリが僕の魔力を貯めていたのは、このためだったんだね。」
体がビクリと反応してしまった。
「どうして…ノルックの魔力を貯めていたことを知ってるの…?」
「ミノリが“ソニアさん"って言って大事にしていた置物から、ずっと僕の魔力を感じていたからね。貯めるだけで一度も使う様子がないから、ミノリそんなに僕の魔力が好きなのかなと思ってたけど。」
何故か、ノルックは機嫌がよかった。
話しながら合間に笑ったりしている。
薬で眠らされたのに。世界を守る結界を消滅させてしまったのに。私に怒ってもおかしくないのに。
「結界なら僕に任せて。代わりにそのブレスレットと、あの床に落ちてる置物を貰っていいかな。」
ノルックが提示した条件は意外なものだった。
「あの置物を捧げたんだよね?捧げたってことは、もう戻らなくてもいい覚悟だったってことでしょ?ね、その2つがあれば、僕も犠牲にならずに結界を復活させることができるから。」
ノルックが犠牲にならずに結界を復活させるーーーーー
置物とブレスレット、両方を失うことは正直つらい。ソニアさんとダイアさんとの繋がりを感じられるものだから、できることなら死ぬまで持っていたかった。
でも、これを渡したらノルックが犠牲にならずに済む。
今の私の最優先は、ノルックだ。
ノルックが生き続けられるなら、賭けたい。
ソニアさんもダイアさんも、きっとわかってくれる…
「わかった。」
ブレスレットを外して、床に落ちていた置物を拾いに行く。
ソニアさん、ダイアさん、今まで、私のそばにいて、守ってくれてありがとうーーー
気休めかもしれないけど、感謝の気持ちを込めて胸に押し当てた。
「はい。これだよね?」
「うん。ありがとう。」
ノルックは一瞬だけ微笑むと、手のひらの上に置物を乗せてブレスレットをその上にかける。
やがて置物のない方の手を上に上げると、
見たことのない文字が現れてノルックの手元に吸い込まれていく。
両手で置物とブレスレットを覆い隠すと眩しい光が手の内側から発された。
眩しくて思わず目を閉じる。
瞼の向こうで光が弱まるのを感じて恐る恐る目を開けると、置物とブレスレットが融合していた。置物の周りをブレスレットの紋様が覆っているような形になっている。
「これは…?」
「結界の原動力になるものだよ。」
「それってつまり、これがノルックの代わりになるってこと?!」
私の問いかけを肯定するように、ノルックが一度だけ瞬きをした。
「ギルス族が、何故生贄に選ばれるかわかる?」
「え…魔力が多いから、だよね?」
「魔力の多さだけならギルス族じゃなくても適任を作ることはできる。
…ギルス族は、骨に魔力を貯めるんだ。」
そう言って、床に散らばる骨に目をやる。
まさか…ここに骨が置き去りにされているのって…
「ギルス族の、先祖を遡ると実は森の民に行き着く。森の民は、死んだ人の亡骸と魔法粉で自らの村を隠し護りながら世代を繰り返すから、今まで存在は伝説と言われていたんだ。」
「伝説?でもダイアさんは…」
「一度だけ水面下で森の民の捜索がされていた時期があったらしいが定かではない。
…“ダイアさん"は、魔力があまりなかったと言ってたよね?」
こくり、と頷く。
ダイアさんは、魔力が少ない代わりに知識と体力が豊富だった。
魔力なんかなくても、十分なくらい。
「森の民は魔力が少ないんじゃない。死んだ後に同士や子孫を守るため、膨大な魔力を骨に蓄えるんだ。」
目の前が、焦点が合わない。
ダイアさんが亡くなったのは…
お墓が、家の中心部にあったのは…
これ以上考えてはいけないと警報を鳴らすのに、どうしても考えてしまうし、同じ結論に行き着いてしまう。
「ギルス族は、森の民の内部で分断された、力を求めて外に出た種族だ。この世界の結界は、ギルス族が嘗て森の民であった時の名残を利用して、骨に蓄えた魔力を少しずつ放出しながら結界の魔力を保っているにすぎない。」
ノルックは、今は私が消してしまってなにもないけど、倒れる前まで祭壇の光があった場所に近付いて行った。
置物とブレスレットを合体させたそれを片手で目の前に掲げながら何やらぶつぶつと唱え始める。
代替わりする時の呪文なのかもしれない。
だんだんと周りがほんの少し浮き上がって、重力が入れ替わろうとしているみたいだった。
思わず壁の崩れたところに手を入れてしがみつく。
やがてノルックの言葉に合わせて辺りが光り出し、空と繋がると
光っていた場所に合体させた物が浮かんでいた。
「成功だ。これでミノリとずっといられる…!」
今まで見たことがないくらい恍惚とした顔でノルックが駆け寄ってくる。
だんだんと距離が近付くのを見ながら
頬には涙が伝う。
ノルックが犠牲にならずに結界が作り替えられた。それはもちろんうれしい。うれしい、のに…
ダイアさんとソニアさんが亡くなったのは、私を拾ったから…?
最初から、ノルックにブレスレットと置物を渡していれば、もっとずっと早く、いろんなことが解決していたんじゃ…?
そもそも、私がいなくて、ソニアさんとダイアさんがノルックを拾っていたら…
私が、邪魔をしていたんだ。
私なんでこの世界に呼ばれたんだろう…
消えたい、せめてダイアさんと会う前からやり直したい。
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