22 / 40
21.勉強会
しおりを挟む
その日からノルックのスキンシップが増えた。
さりげなく顔や髪に触れてくるし、ハグに頬へのキスが追加されている。
耐性がないから毎回ドキドキしてしまうけど、表面では平静を装っているつもりだ。
ノルックなんて、そのうちいなくなるつもりなんだから乱されたらダメだ。
「ミノリサマ、疲れちゃいました?」
文字を追っていた指が止まっていた。
「ミィミさん!すみません。まだ大丈夫です。」
目を数回強めに瞬かせて、あらためて手元の本に向き合う。
文字を習いたいと言ったら、次の日からミィミさんがお昼前の一刻だけ来てくれることになった。ピナさんはこの時間は抜けられない作業があるんだとか。
教材はお屋敷の中にあった本の中でいちばん読みやすいものをノルックが選んで貸してくれた。
私の願いでミィミさんまで巻き込んでいるのに、集中していないとかどうかしてる。
「今日はここまでにしません?ひと休みしましょーよ。」
気を遣って休憩を提案してくれる。面目がない。
ミィミさんが、手を広げて何か呟くと、お菓子や紅茶の道具が乗ったワゴンが机の真横に現れた。
「見てくださいよ。このお菓子、モンバード様がミノリサマのために用意したらしいっすよ。茶葉も特注のやつです。めちゃ愛されてますね。」
あはは…
ミィミさんの魔法で教材は片付けられ、代わりにティーセットが並んだ。
カップには琥珀色のお茶が入っていて、白い湯気が揺れている。
「いただきます。」
一口飲むと香りが広がって、少しだけ肩の強張りが緩んだ気がした。
ミィミさんが向かいの席を引いて座る。
「そういえばなんですけど、こないだの給料上増しありがたかったです。ミノリサマのおかげでお財布めっちゃ潤ったっす。」
「勤務中に私のわがままで呼んだことだから。気にしないで。」
結局私のお財布から出したお金を、ノルックからもちゃんと渡してくれたみたい。
「うぃ!でも、モンバード様から充分もらってるんで、今後は今日の時間とかも追加しなくていいですからね。
ミノリサマ、ウチらとダチになるためにこないだお茶会したんですよね?」
なんと、ノルックからお茶会の目的まで伝えられていた。
最初からお友だちになりたくてって言えばよかったんだ。変な入りしちゃって言い出しにくくなってたけど、もしかして今が挽回のチャンスでは。
「はい!トモダチなりたい、です。」
正直なところ叶わないと思っていたから友だちは口実のつもりだった。
でも、できることならもちろん欲しい。ソニアさんとダイアさんがいない今、ただでさえ知り合いがノルックしかいないし、同性の友だちがいるってだけでぐっと心強い。
「よっしゃ。この屋敷歳の近い人あんまりいないから、実はウチもミノリサマと仲良くなりたかったんですよ。」
歳近いと言っても私の方が何年か歳上な気がするけど、敢えて触れないでおこう。
若く見られてるってことだし。
「これから、友だちとしてもよろしくお願いします!」
前のめりで言ってしまったけど、ミィミさんはニッと笑ってこちらこそよろしく~と言ってくれた。
「トモダチ記念ってことで、ミノリサマは敬語やめてくれるとありがたいっす。慣れないから敬語使われるの痒くて。あと、名前もミィミだけでいいんで。」
「あ、じゃあ、み、ミィミも…」
「モンバード様コワイから、ウチの話し方は変えられないんだけどー。」
近づけた!と思ったのに、すぐ突き放されてしまった。残念。
「知ってます?ここって、もともと領地取り上げになったお屋敷で働いてた人が殆どなんすよね。でも、仕事サボったり不正したりモンバード様にハニートラップかけようとした人はソッコー消えてるから、残ってる人タチいい人ばっかなんすよ。しかも給料いいから一部ではかなり人気なんです。
そんな好条件の職場なんで、万が一でもミノリサマに不敬ってことでモンバード様のご機嫌損ねてクビにだけはなりたくないんですよね~。」
今までの言動から想像つかなかったけど、ノルックが意外にお屋敷の運営ちゃんとやってることがわかって衝撃を受ける。
ノルックが暴走する未来は安易に見えてしまうので、ミィミの態度が変わらないことは泣く泣く受け入れた。
「でも、ノルックって結界のために魔力ごと捧げられることになってる…んだよね?その後はどうするつもりなの?」
「そしたら次の雇用先を探すしかないっすね。そのためにいいお給料ってところもあるし。てかミノリサマが引き取ってくれたらめっちゃいいんじゃ?むしろこのタイミングで連れてくるとか、ミノリサマにこの屋敷譲る気なんじゃないすか?」
流石にそれは重すぎるから辞退したい。
私は森で暮らし続けたいし、こんな立派なお屋敷の管理なんて自信がない。
「私は森に帰るつもりだから、お屋敷は他の人にお任せしたいかな。」
「えー!そしたらほら、別荘として置いとくとか。王都に家あると便利ですよ?
管理はハンさん…あ、1番ジィさんの執事なんすけど、がやってくれますし!てか、ウチ森についてってもいいすか?ミノリサマ魔力ないんですよね。モンバード様ほどじゃないけどけっこう役に立ちますよ。」
握り拳を掲げてアピールする姿に、思わず笑う。ミィミと森で生活するのも楽しそうだな。
「ダメだ。」
検討しておくって言おうとしたタイミングでノルックが音もなく現れた。
びっくりしてカップを落としそうになる。
「えーっ!いいじゃないですか。味方は多い方がいいですよ。」
ミィミは全く動揺していない。
家主として畏怖の対象かと思っていたけど、気楽な雰囲気で話している。
「ダメだ。ミノリは僕が守るから手出しするな。おまえは話し相手までだ。」
「…モンバード様、あんまり束縛しすぎると嫌われますよ?」
「ミノリは嫌わない。」
「どこから出てくるんですかその自信!」
ばちばちと火花が散る中、口を挟みづらい話題のため、落ち着くまでノルックが用意してくれていたというスイーツを堪能して目を逸らすことにする。
遠くに置かれた教材を見ながら、今日の勉強時間の終わりを感じて明日はもっと集中しようと意気込んだ。
さりげなく顔や髪に触れてくるし、ハグに頬へのキスが追加されている。
耐性がないから毎回ドキドキしてしまうけど、表面では平静を装っているつもりだ。
ノルックなんて、そのうちいなくなるつもりなんだから乱されたらダメだ。
「ミノリサマ、疲れちゃいました?」
文字を追っていた指が止まっていた。
「ミィミさん!すみません。まだ大丈夫です。」
目を数回強めに瞬かせて、あらためて手元の本に向き合う。
文字を習いたいと言ったら、次の日からミィミさんがお昼前の一刻だけ来てくれることになった。ピナさんはこの時間は抜けられない作業があるんだとか。
教材はお屋敷の中にあった本の中でいちばん読みやすいものをノルックが選んで貸してくれた。
私の願いでミィミさんまで巻き込んでいるのに、集中していないとかどうかしてる。
「今日はここまでにしません?ひと休みしましょーよ。」
気を遣って休憩を提案してくれる。面目がない。
ミィミさんが、手を広げて何か呟くと、お菓子や紅茶の道具が乗ったワゴンが机の真横に現れた。
「見てくださいよ。このお菓子、モンバード様がミノリサマのために用意したらしいっすよ。茶葉も特注のやつです。めちゃ愛されてますね。」
あはは…
ミィミさんの魔法で教材は片付けられ、代わりにティーセットが並んだ。
カップには琥珀色のお茶が入っていて、白い湯気が揺れている。
「いただきます。」
一口飲むと香りが広がって、少しだけ肩の強張りが緩んだ気がした。
ミィミさんが向かいの席を引いて座る。
「そういえばなんですけど、こないだの給料上増しありがたかったです。ミノリサマのおかげでお財布めっちゃ潤ったっす。」
「勤務中に私のわがままで呼んだことだから。気にしないで。」
結局私のお財布から出したお金を、ノルックからもちゃんと渡してくれたみたい。
「うぃ!でも、モンバード様から充分もらってるんで、今後は今日の時間とかも追加しなくていいですからね。
ミノリサマ、ウチらとダチになるためにこないだお茶会したんですよね?」
なんと、ノルックからお茶会の目的まで伝えられていた。
最初からお友だちになりたくてって言えばよかったんだ。変な入りしちゃって言い出しにくくなってたけど、もしかして今が挽回のチャンスでは。
「はい!トモダチなりたい、です。」
正直なところ叶わないと思っていたから友だちは口実のつもりだった。
でも、できることならもちろん欲しい。ソニアさんとダイアさんがいない今、ただでさえ知り合いがノルックしかいないし、同性の友だちがいるってだけでぐっと心強い。
「よっしゃ。この屋敷歳の近い人あんまりいないから、実はウチもミノリサマと仲良くなりたかったんですよ。」
歳近いと言っても私の方が何年か歳上な気がするけど、敢えて触れないでおこう。
若く見られてるってことだし。
「これから、友だちとしてもよろしくお願いします!」
前のめりで言ってしまったけど、ミィミさんはニッと笑ってこちらこそよろしく~と言ってくれた。
「トモダチ記念ってことで、ミノリサマは敬語やめてくれるとありがたいっす。慣れないから敬語使われるの痒くて。あと、名前もミィミだけでいいんで。」
「あ、じゃあ、み、ミィミも…」
「モンバード様コワイから、ウチの話し方は変えられないんだけどー。」
近づけた!と思ったのに、すぐ突き放されてしまった。残念。
「知ってます?ここって、もともと領地取り上げになったお屋敷で働いてた人が殆どなんすよね。でも、仕事サボったり不正したりモンバード様にハニートラップかけようとした人はソッコー消えてるから、残ってる人タチいい人ばっかなんすよ。しかも給料いいから一部ではかなり人気なんです。
そんな好条件の職場なんで、万が一でもミノリサマに不敬ってことでモンバード様のご機嫌損ねてクビにだけはなりたくないんですよね~。」
今までの言動から想像つかなかったけど、ノルックが意外にお屋敷の運営ちゃんとやってることがわかって衝撃を受ける。
ノルックが暴走する未来は安易に見えてしまうので、ミィミの態度が変わらないことは泣く泣く受け入れた。
「でも、ノルックって結界のために魔力ごと捧げられることになってる…んだよね?その後はどうするつもりなの?」
「そしたら次の雇用先を探すしかないっすね。そのためにいいお給料ってところもあるし。てかミノリサマが引き取ってくれたらめっちゃいいんじゃ?むしろこのタイミングで連れてくるとか、ミノリサマにこの屋敷譲る気なんじゃないすか?」
流石にそれは重すぎるから辞退したい。
私は森で暮らし続けたいし、こんな立派なお屋敷の管理なんて自信がない。
「私は森に帰るつもりだから、お屋敷は他の人にお任せしたいかな。」
「えー!そしたらほら、別荘として置いとくとか。王都に家あると便利ですよ?
管理はハンさん…あ、1番ジィさんの執事なんすけど、がやってくれますし!てか、ウチ森についてってもいいすか?ミノリサマ魔力ないんですよね。モンバード様ほどじゃないけどけっこう役に立ちますよ。」
握り拳を掲げてアピールする姿に、思わず笑う。ミィミと森で生活するのも楽しそうだな。
「ダメだ。」
検討しておくって言おうとしたタイミングでノルックが音もなく現れた。
びっくりしてカップを落としそうになる。
「えーっ!いいじゃないですか。味方は多い方がいいですよ。」
ミィミは全く動揺していない。
家主として畏怖の対象かと思っていたけど、気楽な雰囲気で話している。
「ダメだ。ミノリは僕が守るから手出しするな。おまえは話し相手までだ。」
「…モンバード様、あんまり束縛しすぎると嫌われますよ?」
「ミノリは嫌わない。」
「どこから出てくるんですかその自信!」
ばちばちと火花が散る中、口を挟みづらい話題のため、落ち着くまでノルックが用意してくれていたというスイーツを堪能して目を逸らすことにする。
遠くに置かれた教材を見ながら、今日の勉強時間の終わりを感じて明日はもっと集中しようと意気込んだ。
18
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
追放された薬師は騎士と王子に溺愛される 薬を作るしか能がないのに、騎士団の皆さんが離してくれません!
沙寺絃
ファンタジー
唯一の肉親の母と死に別れ、田舎から王都にやってきて2年半。これまで薬師としてパーティーに尽くしてきた16歳の少女リゼットは、ある日突然追放を言い渡される。
「リゼット、お前はクビだ。お前がいるせいで俺たちはSランクパーティーになれないんだ。明日から俺たちに近付くんじゃないぞ、このお荷物が!」
Sランクパーティーを目指す仲間から、薬作りしかできないリゼットは疫病神扱いされ追放されてしまう。
さらにタイミングの悪いことに、下宿先の宿代が値上がりする。節約の為ダンジョンへ採取に出ると、魔物討伐任務中の王国騎士団と出くわした。
毒を受けた騎士団はリゼットの作る解毒薬に助けられる。そして最新の解析装置によると、リゼットは冒険者としてはFランクだが【調合師】としてはSSSランクだったと判明。騎士団はリゼットに感謝して、専属薬師として雇うことに決める。
騎士団で認められ、才能を開花させていくリゼット。一方でリゼットを追放したパーティーでは、クエストが失敗続き。連携も取りにくくなり、雲行きが怪しくなり始めていた――。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
逃げるための後宮行きでしたが、なぜか奴が皇帝になっていました
吉高 花
恋愛
◆転生&ループの中華風ファンタジー◆
第15回恋愛小説大賞「中華・後宮ラブ賞」受賞しました!ありがとうございます!
かつて散々腐れ縁だったあいつが「俺たち、もし三十になってもお互いに独身だったら、結婚するか」
なんてことを言ったから、私は密かに三十になるのを待っていた。でもそんな私たちは、仲良く一緒にトラックに轢かれてしまった。
そして転生しても奴を忘れられなかった私は、ある日奴が綺麗なお嫁さんと仲良く微笑み合っている場面を見てしまう。
なにあれ! 許せん! 私も別の男と幸せになってやる!
しかしそんな決意もむなしく私はまた、今度は馬車に轢かれて逝ってしまう。
そして二度目。なんと今度は最後の人生をループした。ならば今度は前の記憶をフルに使って今度こそ幸せになってやる!
しかし私は気づいてしまった。このままでは、また奴の幸せな姿を見ることになるのでは?
それは嫌だ絶対に嫌だ。そうだ! 後宮に行ってしまえば、奴とは会わずにすむじゃない!
そうして私は意気揚々と、女官として後宮に潜り込んだのだった。
奴が、今世では皇帝になっているとも知らずに。
※タイトル試行錯誤中なのでたまに変わります。最初のタイトルは「ループの二度目は後宮で ~逃げるための後宮でしたが、なぜか奴が皇帝になっていました~」
※設定は架空なので史実には基づいて「おりません」
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
rita
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラや攻略不可キャラからも、モテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
離縁の脅威、恐怖の日々
月食ぱんな
恋愛
貴族同士は結婚して三年。二人の間に子が出来なければ離縁、もしくは夫が愛人を持つ事が許されている。そんな中、公爵家に嫁いで結婚四年目。二十歳になったリディアは子どもが出来す、離縁に怯えていた。夫であるフェリクスは昔と変わらず、リディアに優しく接してくれているように見える。けれど彼のちょっとした言動が、「完璧な妻ではない」と、まるで自分を責めているように思えてしまい、リディアはどんどん病んでいくのであった。題名はホラーですがほのぼのです。
※物語の設定上、不妊に悩む女性に対し、心無い発言に思われる部分もあるかと思います。フィクションだと割り切ってお読み頂けると幸いです。
※なろう様、ノベマ!様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる