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9.空白の時間について
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魔法はとりあえず基本がわかったので、テーブルに座り直してお茶の続きをすることにした。
ポットの中にはいつの間にか新しい紅茶が煎れられている。
「僕がここを離れたのは」
甘やかな香りの漂う紅茶を一口飲んだところで、ノルックが話し出す。
ノルックの話はこうだ
ノルックは元々魔法士養成所のようなところにいて、そこから逃げて無我夢中で移動していたらここに辿りついたのだという。
ずっとここで過ごしていきたかったけど
大蛇に襲われて、私が怪我をして、自分の無力さを感じたから逃げてきた養成所に戻ることにした。
そこで今日まで生活しながら必要な魔法を覚えて、覚え尽くしたからこっちに戻ってきたという。
「戻ってきたって言うけど、その、養成所?にはもう行かなくていいの?」
「はい。既に養成所からは出ていますし、自由の身になったので僕はまたここで暮らします。」
おうちの人に挨拶とかいらないんだろうかと思いつつも、深く突っ込ませない笑顔にとりあえず了解することにした。
「ところで、もうひとつ気になってたんだけど」
「?」
「その喋り方はいつ変えたの?」
再開した時からずっと気になっていた。
以前はこんな喋り方じゃなかったし、不自然な印象が拭えない。
「ミノリはこの喋り方は嫌いですか?」
嫌いか、と聞かれて慌てて首を振る
「嫌い、とかじゃなくて。前よりなんか距離があるように感じて…」
ちょっとだけ寂しい、とは心の中だけに留めた。
「でもノルックはその話し方がいいなら、全然。ただ慣れてないだけだからこれから慣れるよ。」
無理に笑顔を作ると、顔が穴が開きそうなほどノルックの視線が刺さった。しばらく観察された後、ため息と共に言葉が発さる。
「女性は、こういった話し方が好ましいとあったんですが…。
ミノリが好みではないなら……やめる。」
おお…女性を意識して?変えてみてたんだ。余計なこといっちゃったかな。なんかお年頃ってかんじがしてこそばゆい。
「それなら、初対面の人とかなら効果あるかも?ほら、私は前があったから気になっちゃったけど、最初からなら紳士的で好印象だと思う。
まあ、気になる人の前ではがんばって、私の前では気を抜いたらいいんじゃないかな。」
前世ぶりの恋愛トークの予感に、つい意気込んでしまったけど、ノルックは何故か不満気に横向いてしまった。
沈黙が気まずくてひっそりと鎮座していた籠を思い出し立ち上がった。
「そうだ、木苺煮ないと。ノルックは座ってていいから。」
逃げるように籠を掴んでいそいそと台所に向かう。
せっかくだから、魔法を実践で練習してみよう。
籠を流し台に置くと、頭にシャワーで洗う様子をイメージする。
「発現!」
チョロチョロ…
シャワーとはとても言い難い、閉め切ってない蛇口から溢れた水。もちろん、洗うには足りない量だ。
「これを洗えばいいの?」
耳元で声がして、振り向くと、いつの間にかノルックがいた。反対側から腕が伸びてきて背後から囲われる体勢になっている。
「う、うん。そう。」
ノルックとわかっていても、背後に体温を感じて緊張してしまう。
「終わったよ。」
「えっ」
見ると、確かにゴミが取り除かれて水気を纏った木苺に変わっていた。
「あ、ありがとう。ジャムにするからこれから煮るね。」
下げられた腕をすり抜けて、コンロに立つ。鍋を出して、引き出しから粗い粒の砂糖を取り出した。
「これは?」
「砂糖だよ。前はソニアさんが作ってくれたやつだったんだけど、流石になくなっちゃって。去年かな?あまり細かい砂糖にできなかったけど、ちゃんと甘いし中身は同じだから。」
レシピを見ながら木から採った蜜をコトコト煮て作った砂糖。混ぜ続けるのに苦労して、何回か焦がしたり変な塊になったりして作り直して、ようやく削った岩塩レベルの砂糖になったものだ。
不格好でも許して欲しい。
「これは?」
あらかじめ用意していた小皿の粉を指差す。
「これはスパイス。甘さを引き立てるために入れるんだって。レシピ通り乾燥させてすり潰したから、たぶん大丈夫なはず。」
ソニアさんが教えてくれたレシピには、砂糖のほかにいくつかスパイスを入れる。
アジャートという葉を乾燥させたものは、なぜか単体だとあまり味がしないのに、砂糖に加えるとより甘くなるから必須だ。
自家製砂糖はメープルシロップみたいなものなのでそれだけだと甘さが足りない。
他に、酸味を立たせるスパイスや香りを整えるスパイスも入れるのがソニアさん流だった。
「材料についてはわからないけど、出来たら僕ももらえるよね?」
「明日、朝食に出そうと思ってるけど、別で欲しいの?」
木苺のジャムは冬の定番だったけど、ノルック甘いもの好きだったっけ?
さっきもお菓子に全く手をつけてなかったけど…
懐かしい母の味みたいな存在なのかな。
「わかった。前と同じ味にできるか保証はないけど、出来たら別にも詰めるね。」
洗った木苺と砂糖とスパイスを鍋に入れる。もうひとつ、瓶の煮沸用に鍋を用意する。
水を出すだけならさっき成功したし、これも魔法でやってみよう。
空の鍋に手を翳して、唱える。
「発現!」
……。
鍋はさっきと変わらない姿で佇んでいた。
「あれ。おかしいな…さっきと同じようにやったのに。」
もう一度試そうとすると、後ろから手が伸びて、ペンダントを確認する。
「魔力切れてる。」
「え!これずっと使えるんじゃないの?!」
「ミノリが魔法を使うためには、ここに僕の魔力が必要なんだ。無くなったら補充してあげるからいつでも言って。」
そう言って、ノルックがペンダントに手を翳すと淡く光って消えた。
私が魔法を使うには、やっぱり誰かの魔力が必要なんだ…と考えてから、気付く。
「それって、ノルックにたくさん魔力補充してもらったらノルックの魔力なくなっちゃわない?」
「別にこれくらい大した量じゃないし、魔力は寝て起きたら回復するからミノリは気にしなくていいよ。
そもそも僕がいる時は僕がやればいいから、いざという時のために作ったけどミノリが使う時はないかも。」
にこりと笑う顔を見てる間に、木苺の鍋にはとろ火がついていて、空の鍋の中に曇りも傷もないキレイな瓶が入っていた。
どこから出したのか。
つるりとした瓶を見てると、だんだんおかしくなってきて顔がふやける。
「違った?」
不安そうに覗き込む顔に、満面の笑顔で返す。
「ううん。大正解だよ。
前もこうやって私が料理する時とかノルックが手伝ってくれたよね。
前よりいっぱい喋ってくれてるけど、喋り方も、今の方がノルックってかんじで懐かしくて。ノルックが帰ってきたんだなって実感しただけ。」
とろ火とはいえ、焦がしたら大変だ。
急いで木べらを手に取り丁寧に混ぜながら煮込む。
木苺の甘い香りに包まれながら、火加減ちょうど良いねとかなんでもないことを話したり話さなかったりして
お互いの隙間も煮詰めているような時間になった。
ポットの中にはいつの間にか新しい紅茶が煎れられている。
「僕がここを離れたのは」
甘やかな香りの漂う紅茶を一口飲んだところで、ノルックが話し出す。
ノルックの話はこうだ
ノルックは元々魔法士養成所のようなところにいて、そこから逃げて無我夢中で移動していたらここに辿りついたのだという。
ずっとここで過ごしていきたかったけど
大蛇に襲われて、私が怪我をして、自分の無力さを感じたから逃げてきた養成所に戻ることにした。
そこで今日まで生活しながら必要な魔法を覚えて、覚え尽くしたからこっちに戻ってきたという。
「戻ってきたって言うけど、その、養成所?にはもう行かなくていいの?」
「はい。既に養成所からは出ていますし、自由の身になったので僕はまたここで暮らします。」
おうちの人に挨拶とかいらないんだろうかと思いつつも、深く突っ込ませない笑顔にとりあえず了解することにした。
「ところで、もうひとつ気になってたんだけど」
「?」
「その喋り方はいつ変えたの?」
再開した時からずっと気になっていた。
以前はこんな喋り方じゃなかったし、不自然な印象が拭えない。
「ミノリはこの喋り方は嫌いですか?」
嫌いか、と聞かれて慌てて首を振る
「嫌い、とかじゃなくて。前よりなんか距離があるように感じて…」
ちょっとだけ寂しい、とは心の中だけに留めた。
「でもノルックはその話し方がいいなら、全然。ただ慣れてないだけだからこれから慣れるよ。」
無理に笑顔を作ると、顔が穴が開きそうなほどノルックの視線が刺さった。しばらく観察された後、ため息と共に言葉が発さる。
「女性は、こういった話し方が好ましいとあったんですが…。
ミノリが好みではないなら……やめる。」
おお…女性を意識して?変えてみてたんだ。余計なこといっちゃったかな。なんかお年頃ってかんじがしてこそばゆい。
「それなら、初対面の人とかなら効果あるかも?ほら、私は前があったから気になっちゃったけど、最初からなら紳士的で好印象だと思う。
まあ、気になる人の前ではがんばって、私の前では気を抜いたらいいんじゃないかな。」
前世ぶりの恋愛トークの予感に、つい意気込んでしまったけど、ノルックは何故か不満気に横向いてしまった。
沈黙が気まずくてひっそりと鎮座していた籠を思い出し立ち上がった。
「そうだ、木苺煮ないと。ノルックは座ってていいから。」
逃げるように籠を掴んでいそいそと台所に向かう。
せっかくだから、魔法を実践で練習してみよう。
籠を流し台に置くと、頭にシャワーで洗う様子をイメージする。
「発現!」
チョロチョロ…
シャワーとはとても言い難い、閉め切ってない蛇口から溢れた水。もちろん、洗うには足りない量だ。
「これを洗えばいいの?」
耳元で声がして、振り向くと、いつの間にかノルックがいた。反対側から腕が伸びてきて背後から囲われる体勢になっている。
「う、うん。そう。」
ノルックとわかっていても、背後に体温を感じて緊張してしまう。
「終わったよ。」
「えっ」
見ると、確かにゴミが取り除かれて水気を纏った木苺に変わっていた。
「あ、ありがとう。ジャムにするからこれから煮るね。」
下げられた腕をすり抜けて、コンロに立つ。鍋を出して、引き出しから粗い粒の砂糖を取り出した。
「これは?」
「砂糖だよ。前はソニアさんが作ってくれたやつだったんだけど、流石になくなっちゃって。去年かな?あまり細かい砂糖にできなかったけど、ちゃんと甘いし中身は同じだから。」
レシピを見ながら木から採った蜜をコトコト煮て作った砂糖。混ぜ続けるのに苦労して、何回か焦がしたり変な塊になったりして作り直して、ようやく削った岩塩レベルの砂糖になったものだ。
不格好でも許して欲しい。
「これは?」
あらかじめ用意していた小皿の粉を指差す。
「これはスパイス。甘さを引き立てるために入れるんだって。レシピ通り乾燥させてすり潰したから、たぶん大丈夫なはず。」
ソニアさんが教えてくれたレシピには、砂糖のほかにいくつかスパイスを入れる。
アジャートという葉を乾燥させたものは、なぜか単体だとあまり味がしないのに、砂糖に加えるとより甘くなるから必須だ。
自家製砂糖はメープルシロップみたいなものなのでそれだけだと甘さが足りない。
他に、酸味を立たせるスパイスや香りを整えるスパイスも入れるのがソニアさん流だった。
「材料についてはわからないけど、出来たら僕ももらえるよね?」
「明日、朝食に出そうと思ってるけど、別で欲しいの?」
木苺のジャムは冬の定番だったけど、ノルック甘いもの好きだったっけ?
さっきもお菓子に全く手をつけてなかったけど…
懐かしい母の味みたいな存在なのかな。
「わかった。前と同じ味にできるか保証はないけど、出来たら別にも詰めるね。」
洗った木苺と砂糖とスパイスを鍋に入れる。もうひとつ、瓶の煮沸用に鍋を用意する。
水を出すだけならさっき成功したし、これも魔法でやってみよう。
空の鍋に手を翳して、唱える。
「発現!」
……。
鍋はさっきと変わらない姿で佇んでいた。
「あれ。おかしいな…さっきと同じようにやったのに。」
もう一度試そうとすると、後ろから手が伸びて、ペンダントを確認する。
「魔力切れてる。」
「え!これずっと使えるんじゃないの?!」
「ミノリが魔法を使うためには、ここに僕の魔力が必要なんだ。無くなったら補充してあげるからいつでも言って。」
そう言って、ノルックがペンダントに手を翳すと淡く光って消えた。
私が魔法を使うには、やっぱり誰かの魔力が必要なんだ…と考えてから、気付く。
「それって、ノルックにたくさん魔力補充してもらったらノルックの魔力なくなっちゃわない?」
「別にこれくらい大した量じゃないし、魔力は寝て起きたら回復するからミノリは気にしなくていいよ。
そもそも僕がいる時は僕がやればいいから、いざという時のために作ったけどミノリが使う時はないかも。」
にこりと笑う顔を見てる間に、木苺の鍋にはとろ火がついていて、空の鍋の中に曇りも傷もないキレイな瓶が入っていた。
どこから出したのか。
つるりとした瓶を見てると、だんだんおかしくなってきて顔がふやける。
「違った?」
不安そうに覗き込む顔に、満面の笑顔で返す。
「ううん。大正解だよ。
前もこうやって私が料理する時とかノルックが手伝ってくれたよね。
前よりいっぱい喋ってくれてるけど、喋り方も、今の方がノルックってかんじで懐かしくて。ノルックが帰ってきたんだなって実感しただけ。」
とろ火とはいえ、焦がしたら大変だ。
急いで木べらを手に取り丁寧に混ぜながら煮込む。
木苺の甘い香りに包まれながら、火加減ちょうど良いねとかなんでもないことを話したり話さなかったりして
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