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殿下との話し合い
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このままの状態で話していても冷静に話し合うことはできないと判断し、王子の許可を得てフローレンスは部屋へと下げさせた。
側近候補にはお帰りいただき、応接間ではなく私の執務室で2人で話をすることにした。
ヒロインのこととか、少し突っ込んだことも聞きたいし、応接間はオープンで聞きづらいからな…
「改めまして、殿下。先程は申し訳ありませんでした。私の監督が行き届かずご迷惑をおかけしております」
今後、フローレンスは謹慎か修道院に送って、これ以上の悪行を働かないように監視しなければ…
せめて、婚約解消で終わらせなければ…
私であって私でないとは言え、どうしてあんな子に育ててしまったのだろう…
ある意味フローレンスも私の犠牲者だ…
「タウフェン侯爵、其方変わったな。
フローレンス以外には、誰にも感情を見せない氷の美貌の侯爵の、そのような悲しそうな顔を初めてみたよ」
目を見開いて口に手を当てている。
そんなに驚くことなのか?
「そうですね。私も少し大人になったのかもしれません。今までの私はフローレンスにあまりにも盲目的でした。自己中心的な娘は王子のお相手には相応しくないでしょう。もしかしたらもう既に出逢われているんじゃないでしょうか?」
ヒロインの男爵令嬢エミリアとはどうなってんの?
婚約解消の話にきたってことは王子ルートなのかな?
「そうか。其方が変わるのは良いことだと思う。
ただ、フローレンスは既にやり過ぎており、問題のあるフローレンスとこのまま縁を結ぶことは出来ないと思う」
出逢われている云々はあっさりスルーされてしまったよ。
「さようでございますか。では婚約解消の方向で考えていると…そのあと王子はどなたかと婚約をされるご予定で?」
何度もしつこいだろうが気になるから聞いてしまおう。
「どなたか?あぁ、男爵令嬢のことを言っているのか…男爵令嬢とは、側近の一人と親しくしており接する機会があるが、全く関係がない。
そうだな…このまま婚約解消としても次の婚約者を決めるのは困難であろう。
既に18歳だからめぼしい御令嬢には既に婚約者が決まっておるしなぁ。
フローレンスも同様であろう」
腕組みをして眉間に皺をよせ、こめかみに指を当てている。
「さようでございますね。フローレンスの場合は親の欲目抜きで申し上げますと、性格的にも後添えなど婚姻することは難しいかもしれません。
更生させ、最後まで面倒を見るのが親の務めと思っております」
ニコリと微笑んで見せると、王子は目を開いて固まり息を呑む。
「…」
「殿下?」
「…其方はフローレンス以外にもそのように微笑むことが出来るのだな」
ぶつぶつ呟いているが聞き取れない。
「殿下?」
「すまない。もし、フローレンスが反省し更生することが出来るのであれば婚約解消の話はなしでもよいのだが……………私としても其方と家族となれるなら…」
最後の方が小声のため聞き取れない。
よくわからないが、フローレンスさえ更生したらオッケーってこと?
どうせ悪評も立っているのなら、休校させて自宅で謹慎させよう。貴族の御令嬢ながら冒険者となり変わり者と言われている私の叔母であれば、フローレンスを躾けることが出来るであろう。
側近候補にはお帰りいただき、応接間ではなく私の執務室で2人で話をすることにした。
ヒロインのこととか、少し突っ込んだことも聞きたいし、応接間はオープンで聞きづらいからな…
「改めまして、殿下。先程は申し訳ありませんでした。私の監督が行き届かずご迷惑をおかけしております」
今後、フローレンスは謹慎か修道院に送って、これ以上の悪行を働かないように監視しなければ…
せめて、婚約解消で終わらせなければ…
私であって私でないとは言え、どうしてあんな子に育ててしまったのだろう…
ある意味フローレンスも私の犠牲者だ…
「タウフェン侯爵、其方変わったな。
フローレンス以外には、誰にも感情を見せない氷の美貌の侯爵の、そのような悲しそうな顔を初めてみたよ」
目を見開いて口に手を当てている。
そんなに驚くことなのか?
「そうですね。私も少し大人になったのかもしれません。今までの私はフローレンスにあまりにも盲目的でした。自己中心的な娘は王子のお相手には相応しくないでしょう。もしかしたらもう既に出逢われているんじゃないでしょうか?」
ヒロインの男爵令嬢エミリアとはどうなってんの?
婚約解消の話にきたってことは王子ルートなのかな?
「そうか。其方が変わるのは良いことだと思う。
ただ、フローレンスは既にやり過ぎており、問題のあるフローレンスとこのまま縁を結ぶことは出来ないと思う」
出逢われている云々はあっさりスルーされてしまったよ。
「さようでございますか。では婚約解消の方向で考えていると…そのあと王子はどなたかと婚約をされるご予定で?」
何度もしつこいだろうが気になるから聞いてしまおう。
「どなたか?あぁ、男爵令嬢のことを言っているのか…男爵令嬢とは、側近の一人と親しくしており接する機会があるが、全く関係がない。
そうだな…このまま婚約解消としても次の婚約者を決めるのは困難であろう。
既に18歳だからめぼしい御令嬢には既に婚約者が決まっておるしなぁ。
フローレンスも同様であろう」
腕組みをして眉間に皺をよせ、こめかみに指を当てている。
「さようでございますね。フローレンスの場合は親の欲目抜きで申し上げますと、性格的にも後添えなど婚姻することは難しいかもしれません。
更生させ、最後まで面倒を見るのが親の務めと思っております」
ニコリと微笑んで見せると、王子は目を開いて固まり息を呑む。
「…」
「殿下?」
「…其方はフローレンス以外にもそのように微笑むことが出来るのだな」
ぶつぶつ呟いているが聞き取れない。
「殿下?」
「すまない。もし、フローレンスが反省し更生することが出来るのであれば婚約解消の話はなしでもよいのだが……………私としても其方と家族となれるなら…」
最後の方が小声のため聞き取れない。
よくわからないが、フローレンスさえ更生したらオッケーってこと?
どうせ悪評も立っているのなら、休校させて自宅で謹慎させよう。貴族の御令嬢ながら冒険者となり変わり者と言われている私の叔母であれば、フローレンスを躾けることが出来るであろう。
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